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1.自然消滅回避のために

(1) ファミリーモトクロスの厳しい現実
 このところ、自由に使える時間の減少と反比例するかのように、自転車、山登り、サッカー等子供と一緒にやりたいこと(=できること)が増え、ファミリーモトクロスは隅に追いやられている感じだ。

なっち(長女)は昨年末KLXでオフビCコースを走ったのが楽しかったようで、バイクに乗りたがるようになったが、CR80R・KLX110の2台を(CRで思いっきり走れるような)他県のコースに持ち込み走るには、セレナのシートを外してのパズルのような積み込み・積み降ろし、2台の洗車や整備、大量の洗濯等、これまで以上に準備や片付けに時間がかかり、おいそれとコースに出掛ける気になれない。
また、「もうすぐ四十路という働き盛りの年齢」や、「先行き不透明の世の中の重い空気」等、趣味に時間やお金を注ぎ込むことに対しての目に見えない逆風の影響もあり、ファミリーモトクロスは何だか自然消滅の道を歩みはじめているかのようだ。何か打開策はないのだろうか?


(2) 方向性の見直し
 コースで良く見かける子供を叱り飛ばす熱血バリバリのモトクロス親子を見ていると、どうも自分が目指す方向とは違うと感じる。自分にレースやマシンの十分な知識がありモトクロスを通じて子供に勝つ喜びや努力の価値を味合わせてやれるのであれば、レースで頂点を目指す方向性が良いのだろうが、自分や我が子の素質を考えると別の方向を目指した方が良さそうだ。

では、自分が望むファミリーバイクライフとはどのようなもので、子供と何を味わおう(子供に何を与えよう)としているのだろうか? 家族でモトクロスを始める経緯やこれまでのモトクロス体験、家庭の諸事情等を総合的考慮し、今後の方向性を再検討してみよう。



家族でモトクロスをやろうと思い立った最も大きな要因を挙げるならば、かつて職場の先輩達に誘われ、伊豆や八ヶ岳方面に定期的に出掛けていた林道ツーリングでの密度の濃い時間であろう。

何ヶ月も誰も通っていないような林道や獣道を日本が山国であると感じながらひたすら走ったり、自分1人では決して登り切れないような急斜面やガレ場を先輩達のアドバイスや手助けを借りて何とかクリアしたり、はぐれた仲間との合流方法に知恵を絞ったり、山奥での深刻なマシントラブルを笑い飛ばしつつつ力を合わせて解決したりした密度の濃い時間は、「思いやりを持った人との付き合い方(人のために働く素晴らしさ)」や、「前向きに物事に取り組む素晴らしさ」等バイクテクニック以外にも多くを学ばせてくれた。この「楽しくもあり厳しくもある非日常空間」で培った仲間との信頼関係は一生崩れはしないだろう。

伊豆の林道1 伊豆の林道2

こんな林道ツーリングでの『気力・体力・知力を総動員させ、目の前の問題を楽しみながら解決し前へ進む体験』こそ、(子供が子供同士や母親との関係からは得ずらい)自分が子供に与えるべきものであると感じ、子供とこんな体験を共有しながら親子の確かな信頼関係を築こうと考えたのが子供とバイクに乗ろうと考えるきっかけであり、(運転免許を持たない)子供と一緒にバイクを楽しめるモトクロスという世界に気持ちが傾倒していった。
伊豆の林道3 伊豆の林道4


このような経緯を分析するうちに、子供と共にやるのは、モトクロス(レース)に拘る必要は全くなく、順位を争う競技よりもむしろ林道ツーリングのような体験の方が我家向きのように思えてきた。

例えば、「バイクに釣り道具やキャンプ用品を積み広大なSGMにとっておきのポイントを見つけて釣りやキャンプ、ナイト走行をする」とか、「SGMの隅々まで走り地図を創る」「河川敷や山道をどこまで行けるか試してみる」「基本テクニックをマスターする教習所ごっこ」「サンドやウッズにチャレンジするエンデューロごっこ」「ウイリーやスタンディング、難所越えにチャレンジするトライアルごっこ」、「自分達で考えたコースをハンデー戦やチーム戦で戦うラリーごっこ」等、『バイクという飛び道具を用いて、親子で手軽に冒険を味わう』という方向性でバイクと向かい合うのが良さそうに思えてきた。


(3) ファミリーモトクロスのバランス点
 そんな中、CR80Rのサスのオーバーホールを頼もうと出掛けたバイク屋で、ほぼ半値で売られているDR-Z70を発見。なぜこの輸出用モデルを激安販売しているのかを店員に尋ねると、「塗料に含有していた鉛を問題視されアメリカで販売できなくなり、在庫を日本国内に大量放出している(輸出済の4000台は廃棄処分された)」とのこと。 そんなバナナの叩き売り状態の店頭に並ぶDR-Z70の新車を見るうちにある考えが浮かぶ。

『CR80RをDR-Zに買い換えるっていうのはどうだろう?』

まだ全く乗りこなせていないCR80Rを売るなど、これまで考えたこともなかったが、前項で書いた『バイクという飛び道具を用いて、親子で手軽に冒険を味わう』という方向性を考えると、自分がKLX110、子供がDR-Z70に乗り、トコトコと走るミニモトライフもアリかもしれないと思えてきた。

現状の2台「● CR80RとKLX110で得られるバイクライフ」と、CR80RをDR-Z70に買い換えた「● KLX110とDR-Z70で得られるバイクライフ」を比較検討してみよう。

TESキッズスクール1 TESキッズスクール1 TESキッズスクール1
CR80R
KLX110
DR-Z70


● CR80RとKLX110で得られるバイクライフ
○ モトクロスレース用に設計された高回転型の2サイクルエンジンを持つCR80Rは、小排気量ながら心臓を置いていかれるような急加速(ドキドキ感)を味わえ、まっちが遊ぶには最適である。しかしながら、低回転域で機嫌を悪くするため子供の乗るKLX110と一緒に気持良く走れない。
○ 製造後既に9年が経つCR80Rは、今回サスのオーバーホールをしても今後さらに色々と整備が必要になりそうだ。子供が乗れるようになるまでベストな状態を保つのは厳しいだろう。
○ なっちはKLX110に乗れるようになったが、フラフラと危険な走りをするため目が離せない。そうちゃんがKLX110に乗れるようになるには、あと3〜4年はかかるだろう。
○ CR80RとKLX110をセレナに積み込むには2列目シートを外さねばならず、家族4人乗車は無理。

●KLX110とDR-Z70で得られるバイクライフ
○ KLX110は、なっちとまっちの使い回しが可能であるが、子供用に設計されたKLX110では、まっちは思いっ切り走りを楽しめない。
○ DR-Z70は、車体サイズが小さく、セルスターターやアクセルリミッター付きで子供の練習用には最適(そうちゃんはまだ足が届かないが、1〜2年で乗れるようになるだろう)。
○ 同じレースカテゴリーに入れられることの多いKLX110とDR-Z70は、2台でツーリング的な楽しみ方をするには丁度良さそうだ。(ミニモト70ccのレースカテゴリーは国内にはほとんど無く、レースを目指す子供は定価販売されている国内仕様のDR-Z50を選ぶようだ。)

○ KLX110とDR-Z70をセレナに積み込むには、3列目シートを跳ね上げるだけでOK。2列目シートの足下スペースにも余裕があり家族4人で気軽に出掛けられそうだ。


この2パターンを比較するうちに、『トランポを持たず、ファミリーカー(ミニバン)でモトクロスをしようとする我家では、「自分がバイクを楽しむこと」「家族が楽しめること」は相反し、互いの両立は不可能である』という命題が成り立つと今更ながら思い知らされた。

これまで、「最低でもCR80Rでなければモトクロスは楽しめない!」 と、頑なにCR80Rかそれ以上の性能のバイクに自分が乗ることをファミリーモトクロスの絶対条件と考えてきたが、年々厳しさを増していく周辺事情を考えると、この絶対条件を撤回しファミリーモトクロスのバランス点をさらに「家族が楽しめる方向」に持って行くしかバイクライフ存続の道は残されていないように思えてきた。今は自分の理想を求める時期ではなく、家族が気軽にバイクを楽しめる体制を整え、家族と共にバイクを楽しみつつ将来に望みを繋ぐ時期のように思えてきた。

このようなことを、 『思い切ってCR80Rを売却しDR-Z70を購入した先には新たなバイクライフが広がり、後からでは決して手に入らない「子供と一緒に走る喜び」を存分に味わえる』と前向きに解釈し、この先数年間は、自分よりも子供を優先し、『大人の週末』を味わうのも悪くは無さそうだ。
RMZ-70購入1 RMZ-70購入2


「なっちが中学に入るまでの3年間は主になっちとのバイクライフ、その後の3年間は主にそうちゃんとのバイクライフを送ろう!(その後、中学に入った子供達がまだバイクに乗りたがるようなら一緒にKLX110に乗れば良いし、2人共バイクに乗らなくなったらリセールバリューの高い2台を自分用の1台に買い替えればいい)」

という長期プランを頭に描き、CR80Rを売却しDR-Z70を購入する覚悟を決めた。店頭のDR-Z70の側を離れない子供達に、

「じゃあ、DR-Z70買って帰ろうか!」

と言うと大喜び。入店から3時間、意外な結論の元、新しい未来を夢見て、心地良い春風を頬に感じながら店を後にした。

RMZ-70購入3 RMZ-70購入4



2. さよならCR80R
 DR-Z70購入時にCR80Rを下取り査定してもらったところ、提示された金額は5000円。いくらなんでももう少し価値はあるだろうと、下取りに出すのは止め、帰宅後初めてのネットオークション出品にチャレンジ!

商品の写真を撮り説明文を書いて、スタート価格を40000円、オークション終了までの期間を1週間に設定してオークション開始。
出品者にはページアクセス数とチェックリストに追加した人数が分かる仕組みがありカウンターを確認すると、初日のアクセス数は350人、チェックリスト追加人数は12人という予想外の快調な滑り出し。

『CR80Rに関心がある人がこれ程いるとは、、、恐るべしヤフーオークション』

その後もアクセス数は1日平均300人前後で推移し、4日目に40000円で入札が入る。いくつかの質問も寄せられ、回答するうちにあっという間にオークション終了日。終了1時間前から少しづつ値が上がり、最終的には58000円で落札、アクセス数は2282、チェックリスト追加数は67であった。


CR80Rは北陸行きが決定。商品代58000円+運搬費20000円=78000円の入金を確認の後。運送会社の十ラックを手配し、心の中でドナドナのテーマ(?)が流れるのを聞きながら自宅から去る80Rを見送る。

今まで8年間、楽しいモトクロスライフをありがとう!

ドナドナ1 ドナドナ2 ドナドナ3


3. DR-Z70初走行  (3月14日)
 春風香るのどかな日曜の午後、近所の空き地でなっちとDR-Z70に乗ってきた。今回は記念すべきDR-Z70の初走行なので、DR-Z70だけをセレナに積んで出掛けるつもりであったが、せっかくなので今後の定番となるDR-Z70・KLX110の2台積みを試してみることに。

予想通り3列目シートを跳ね上げたスペースに2台はすんなりと収まった。セレナの2列目シートの片側(DR-Z70側)は2列目シートを通常位置のままで(前に出さなくても)積み込むことができ、後方視界の妨げもほとんど無い。これなら2台を積んだままでもファミリーカーとしての機能はほとんど損なわれず、気軽にミニモトライフが楽しめそうだ。

伊豆の林道1 伊豆の林道2 伊豆の林道2


前々から目星を付けておいた自宅から10分程の空き地(特定日しか使われない臨時駐車場)に移動して練習開始! DR-Z70に乗りたがるなっちを差し置いて、まずはマシンの調整を兼ねまっちが試乗。

『なんだよこれ、本当に小さいなぁ!』

DR-Z70のサイズは把握したつもりでいたが、実際にダートを走ってみると益々小さく感じる。特にスタンディング時のハンドルの低さは相当なもので、この姿勢を維持するのはかなりキツそうだ。エンジンパワーは予想以上で大満足であったが、何せ車体が小さく小さなフロントタイヤが今にも滑り出しそうで全くアクセルを開けられない。

『このバイク大人が楽しむにはかなり手を入れる必要がありそうだぞ。』

まあ無理に自分がDR-Zに乗る必要も無いので、DR-Zは子供専用とし、KLXのみを(なっちの運転の妨げにならない範囲で)大人も楽しめるよう手を加えていくのが良さそうだ。

なっちが痺れを切らせているようなので、アクセルリミッターを効かせて選手交代。なっちははじめて使うセルスターターに戸惑っていたが、キックによるエンジン始動が苦手ななっちにとっても、エンジン始動の手助けに何度もコースを走らねばならぬまっちにとっても、セルスターターはすぐにお気に入りの装備となった。水を得た魚のように縦横無尽に空き地を走るなっちは本当に楽しそうだった。

空き地の2箇所に目印を置き8の字の練習をさせるとなっちは何かに取り付かれたように8の字を走り続ける。なっちに大きな危険は無さそうなので、自分はKLX110に乗ったり眺めたりバラしたりしながらライディングポジションや改造ポイントを考えつつ、たまになっちに助言を送る。こんなのんびりとした週末もなかなかいいもんだ。


4. KLX110&DR-Z70での初SGM(3月21日、22日)

(1)SGM対岸での練習
 そうちゃんの幼稚園サッカーの遠征試合が座間市であるそうで、案内状を見るとまさにSGMの対岸。これなら応援ついでになっちとバイクで遊べそうだとKLX、DR-Zの2台を積み会場へ。河原に面したサッカーコート脇の駐車場に車を停め、そうちゃんとゆっち(妻)を練習に送り出した後、なっちと座袈衣橋近くの空き地で練習開始。

なっちはこれまでの8の字練習に加え、ストレートでの加速やギアチェンジの練習。 まっちはそんななっちを見守りつつアクセルターンの練習。これまでアクセルターンは左周りしかできなかったが、車体が小さなKLXで右周りに挑戦すると意外にも簡単にでき、気付けばなっちと共に(左右思い通りにできるよう)真剣に練習していた。

KLXアクセルターン なっち橋下練習 そうちゃんサッカー

その後、そうちゃんの出場する試合を応援し、最後に石のごろごろした河川敷を走ってみることに。なっちは不安定な路面にすぐに音を上げるだろうと思っていたが、四苦八苦しながらも懸命にアクセルを開けまっちの後に付いてくる根性を見せた。走行後「止まっちゃうと走れなくなるから必死だったよ」と興奮気味に話す姿が印象的だった。

そうちゃんの初の遠征試合の結果は0勝1敗1引き分け、帰宅後ゆっち(妻)がそうちゃんにサッカーを教えてやれと言うので、近所の公園でサッカー練習をして日が暮れた。


(2)初SGM
 翌朝、ゆっちがそうちゃんを連れて外出。なっちと2人で留守番のつもりだったが、なっちが昨日の河川敷走行が楽しかったと言うので、今日はSGMコース周辺をエンデューロコースに見立てて走ってみることに。

これまでSGMではいつも河川敷を15分程走った中州コース脇まで車で入っていたが、今回は河川敷に入ってすぐの橋のたもとに車を駐車、「何度も転ぶと思うけど頑張って広場まで行こう!」と、2キロ程上流の道路沿いの通称「広場」を目指す。
なっちは出発してすぐの左上りカーブで初転倒したかと思うと、その後も勢いが足りなかったり轍にひっかかったりして何度か転倒(スピードが全く出ていないため怪我の心配はほとんど無さそう)。 どうして転んだかを考えさせたり説明したりしながら一歩一歩先に進む。 転ぶ度に目に見えて上達する姿に子供の吸収の早さを感じつつ、1時間半近くをかけてようやく広場へ到着。

「やったー、着いた!!!」

休憩の後、昼飯を食べに車に戻ろうとすると、かなり疲れた様子のなっちは、「ここで待ってるからパパ車持って来て!」と言い出した。 気持ちは解らなくもないが、「残念だけどこの大自然の中はそんな甘えは許されないんだな。」と2台自走今来た道を折り返す。しかし復路は意外にも1度も転倒せずに、あっけなく車に到着。 「あれ、車こんなに近かったっけ?」と言うなっちは何だかうれしそうだった。

SGM駐車 なっち林の中 中州

昼飯後は中州の初心者コースを目指す。 途中迷って玉砂利の転がる道に出てしまう。タイヤの小さなDR-Zでこの玉砂利地帯を超えるのはかなり厳しそうだったが、「良く路面を見れば必ず走り易いラインがあるからそこを走りな」となんとか難所を越え初心者コースに到着。なっちは、色んな場所があり、それぞれ走り方が異なることを体で理解したようだった。
初心者コースでひと遊びして車に戻るとなっちはかなり疲れた様子。しかしながら自分でも今日1日でかなり上達できたのが解ったようで、帰りの車で 「今まで走った中で今日が一番楽しかった」と心強い意見を言ってくれた。


5.バックヤードモーター(BYM)初走行  (2010年5月2日) 

 神奈川県厚木市森の里にバックヤードモーター(BYM)と言うミニモト専用オフロードコースができたそうだ。 実はココ、学生時代を過ごした実家の徒歩圏にあり気になっていたので行ってきた。

昼過ぎにコース入口に到着すると管理人さんが出迎えてくれた。コースは車で奥に入った所にあるそうで、とりあえずはなっち1人分の料金2000円(HP記載の会員制度は廃止し一律料金としたらしい)を払いマシンチェック(規定のミニモトである確認)を済ます。そして細い路地を50m程入ると、まさにバックヤード(=裏庭)という名がぴったりのコースが現れた。10数台の駐車スペースには既に6台が駐車しており脇に車を停める。

「あれ、先日SGMでお会いしましたよね。」

コースを眺めていると帰り支度をしているDR-Z70乗りの、のりくんが声を掛けてくれた。 「あれ、今日は走らないんですか?僕も今日初めて来たんですけど整備が行き届いて走り易かったですよ。あの黄色のDR-Z70の小学生が速くて追い回されてたんですけどね、、、」と会話をするうちに自分も走りたくなってきた。コースの難易度は低く走っているのはCRF50が2〜3台だけ、安心してなっちを走らせられそうなので、

『やっぱパパも走っちゃおっかなぁ〜』

と再び受付に行き料金を払い、なっちに続いてコースイン。

BYM1 BYM2 BYM3

まずは外周コース、そしてメインのコースを走る。コース全長が短いのが少し気になるが、コーナーや凸凹がミニモト専用に小さめに作られていて気持ちよくアクセルを開けられる。 なっちにはちょっと難しそうな所もあるが脇の迂回路やショートカットコースうまく使い他のマシンの邪魔にならないように走っているようだ。ちょっくら挑発しながら横を抜いてみたが熱くなって追いかけてくる様子もなく自分のペースで淡々と走っている。

『お〜、大人じゃん。』(後で聞いたら埃が酷く(ゴーグル未装着のため)追いかけなかったそうだ)


そのうちのりくんが追い回されたというDR-Z70(小学生3年生)がコースイン、ハンドルを大人仕様に交換して戦闘力をアップしたKLX110のポテンシャルを試そうと初の全開走行で後を追いかける。

『ダメだ、追いつけない!』

第1コーナーまでの上り坂は40ccの排気量差で車間を詰められるがそれ以外は小学生の方が速く、じりじりと離される。必死に負いかけるうちCRに乗っているような気持ちになりアクセルを開けてしまうと、フロントサスの底着きやコブでの腹擦りを繰り返してしまう。気付くとどこで引っ掛けたのかブレーキペダルがぐにゃりと外側に曲がってしまっている。コースアウトして曲がっている部分を蹴飛ばして修正すると、折れるかと思ったが意外にも元通りに戻った。

BYM4 たけのこ1 たけのこ2

僕らがコース走行を楽しんでいた間、そうちゃんとゆっち(妻)は隣接する竹薮で竹の子堀りを楽しんでいたようだ(聞く所によると第1コーナー奥にイノシシ親子の住む穴があり、夜な夜なたけのこを食べに来るらしい)。大きな竹の子を5本も見つけ、湧き水で洗うそうちゃんはうれしそうだった。

15時を過ぎるとコースはほとんど貸切状態。コース閉鎖の17時までまだ1時間程時間が残っているがお腹一杯走れたので撤収することに。 洗車場にて洗車中、コースの管理人の方々と離せるチャンスがあり、コースネタから地元ネタまで色々話す。 「荒井自動車学校の有志メンバーで地主さんの協力を得てコースを立ち上げた経緯」や、 「怪我のリスクを気にしてミニモト専用にしたというコースに対する考え方」「かつては平日も営業していたが、客が少ないため今は予約制(料金変わらず)とした台所事情」等、色々と話が聞けて良かった。
アットホームな雰囲気が気に入ったので、また利用させてもらおう(でも、できればKLXのサスを強化してから走りたいな)。

二人乗り 洗車1 洗車2



6.海老名コース(2010年5月15日)

 海老名市某河川敷にモトクロスコースがあるという情報を入手。
あまり広くはないらしいが海老名駅前のショッピングモール「ビナウォーク」から程近く、買い物好きなゆっち(妻)に買い物を楽しんでもらっているうちにバイクが楽しめそうだとセレナにKLXとDR-Zを積んで家族4人で出発!

買い物組のゆっちとそうちゃんをビナウォークで降ろし、なっちと2人でコースに向かう。 丁度通り道に高校同期夫婦の蕎麦屋があり、旨い蕎麦で腹ごしらえをしてから練習開始。
このコース予想に反してなかなか良さそう。ミニモトで遊ぶには充分な広さがあり、SGM初心者コースのようにコース路面に石が埋っている部分が無く初心者の練習に丁度良さそうだ。ただなっちはコース上の所々に砂が溜まっているのが気に入らないらしく、度々スタックしてはその理由をマシンのせいにしていた。

『ちょっとDR-Z貸してみな』

まっちの走りを見たなっちは、パワーロスの多いサンドを走るには勢いが必要だと理解したようで、徐々にアクセルを開けれるようになってきた。

海老名薮蕎麦 海老名コース1 海老名コース2

休憩を挟み、初めてのこのコース周辺を探検してみることに。まずはどこまで上流に行けるかに挑戦。 途中草むらに行く手を阻まれたり○○の家に入ってしまい慌てて引き返したり、ガレ場で動けなくなったりしながら昼下がりの河川敷を子供とのんびりツーリング。なんて贅沢な時間なんだろう。

海老名コース3 海老名コース4 海老名コース5

一旦車に戻り、今度は下流方面の探検に行こうとすると、なっちがもう1度コースを走りたいと言い再びコース走行。

先程は砂の多い部分や大きなコブを避けてショートカット走行していたなっちであったが探検で度胸がついたようで、ゆっくりではあるがコースの全行程を走れるようになった。何度か転んでいたが、砂がクッションになりほとんどダメージを受けないようで、自力でセルモーターでエンジンを再始動させては周回を重ねていた。

ゆっち(妻)も子供2人連れより1人連れの方が買い物には都合が良いそうなので、またこのコースを利用させてもらうことがありそうだ。

7.SGM広場横オーバルコース(2010年6月13日)


 ゆっち(妻)が週末学生時代の友人に会いに行くそうだ。子供1人なら連れて行けるとのことでそうちゃんを連れて行ってもらい、その間なっちとSGMで遊ぶことに。

まっちに輪をかけて慎重派、石橋を叩いて渡らないタイプのなっちには、アクセルを開けられる割に転んでもダメージの少ない(前回練習した海老名コースのような)軽くサンド気味なコースで練習させるのが良さそうだと、広場北側のオーバルコースを今日の練習場所に選び広場脇の駐車スペースに駐車。まだ誰もいない朝の広場でウォーミングアップしてから練習開始。

サンドコーナーのバンク部分(壁)を走る見本を見せるが、なっちは怖がってイン側のフラット部分でのコーナリングを続ける。バンクを走るには、まずは平均スピードを上げ、バイクを寝かしたコーナリングに慣れる必要がありそうだと1時間程練習。

海老名薮蕎麦 海老名コース2

車に戻り休憩をしていると、隣に新型ステップワゴンが駐車、出てきたのはTT-50、KX-65、DR-Z80の3台と5人家族(荒井ファミリー)。ミニバンにミニモトを積み家族でバイクを楽しむ様子に親近感を覚え自然と友達になり一緒にオーバルコースで練習。

さっきまでのろのろと走っていたなっちは、自分と同じマシンに乗る同じ学年の荒井息子さんがスイスイとバンクを走るを見ると俄然やる気を出したようで、バンク部分を走りだし、ゆっくりながらもバランスを保ち、何とか壁を走れるようになった。暑さで集中力が途切れ転倒が目立つようになったので早目に撤収。

海老名コース3 海老名コース4 海老名コース5

ゆっち(妻)の帰宅までまだ時間があるので帰り道のカラオケBOXに入る。

新譜ページに約20年ぶりに安全地帯を見つけたまっちは復活シングル「蒼いバラ」「オレンジ」等を熱傷。なっちはアニメソング等を熱唱。交互に20曲程歌い、最後に最も盛り上がった「夢をかなえてドラえもん」を再度2人で歌う。まっちがドラえもんの声真似で「タケコプタ〜」とか「どこでもドア〜」の部分を歌うとなっちは大喜びだった。

ゆっちとそうちゃんが帰宅後、最近我家のブームとなりつつあるテニスを4人で楽しむ。とても充実した1日であった。


8.オフビCコース合同練習(2010年7月4日)

 バンザイダートオリトさんから「子供達を一緒に練習させませんか?」とのお誘いがあり、半年ぶりに川越のオフロードビレッジへ。
久々にユミちゃん、マサミ君と走れるのが待ち遠しいなっちは早朝5時に目覚まし時計をセット、早く起こされ出発したため、ひと気のないオフビCコース(初心者用コース)に7時半頃到着。

『コースオープンまで1時間以上あるけど何して時間潰そう?』

とりあえずコースコンディションを確認しようとコースを歩いていると、ワールドカップ熱がまだ冷めないなっちとそうちゃんがサッカーボールを蹴りながらコースを走りはじめた。コーナーや起伏に苦戦しつつドリブルやパスを回す2人は何だか楽しそう。一緒にボールを追いかけるうちにバイクに乗る前から汗だくになってしまった。

荷物満載のセレナ コースでサッカー1 コースでサッカー2

やがてオリトファミリーが到着しバイクの準備開始。子供4人が1列に並びメグさん(オリト奥さん)をお手本に準備体操をする様子はまるで2輪塾のよう。子供にちゃんとした装備を身に着けさせ、しっかりと準備運動をさせてからバイクに乗せるオリト家の姿勢、我家も見習わなきゃな。

準備体操も終わり、PW50のマサミくん、DR-Z70のなっち、TT−50のゆみちゃんの順にコースイン。 いつもならすぐに休憩をするなっちであるが、今日はみんなと一緒に走れるのが楽しいようで昼までほとんど休まなかった。いつもよりハイペースで2人を追いかけるなっちは見よう見真似でいつの間にかコーナリング中に内足を前に出すことを覚えたようだ。段々それらしくなってきたぞ。

そうちゃんにはお借りしたPWで練習をさせようとするが、まだ爪先しか足が届かずおっかなびっくりで10分で練習終了。そうちゃんをバイク好きにするのが今日最大の目的だったのでちょっと残念。しょうがなくまっちとKLXの2人乗りをしながらアクセルとブレーキの練習をさせるが、こんなんで練習になっているのだろうか?

準備体操 コース走行 コース走行2

昼飯は7人で焼肉。久々に腹一杯肉を食べた。食後子供達4人はおりとさんの車の中で何やら楽しそう。子供って本当に仲良くなるの早いな。

午後はまっちもKLXで子供達と一緒にコースを走る。しかしながら真夏先取りの暑さに30分程でダウン。皆の走りを見ていたそうちゃんがやる気を出したようで再びPWを借りて練習。おりとさんが手取り足取り分かりやすく教えてくれたお陰で何とか数m走れたが、「ヘルメットが暑い」等とダダをこね15分程で練習終了。

「オリトさん特製カキ氷 休憩」を挟み3時過ぎまで練習し、熱中症になりそうなあまりの暑さのため洗車場へ。バイクと一緒にそうちゃんにも水をかけると、パンツ1丁になり、活き活きと駆け回っていた。

かき氷 マサミ君の応援 子供集合写真

ひと雨降りそうな雲行きに早目に片付けを開始。その間子供達は 残り時間を惜しむように仲良く遊んでいた。交互に1輪車に乗りながら互いの学校や習い事の話をするゆみちゃんとなっち、ボール遊びをするマサミ君とそうちゃんは互いに年齢が近くとても気が合うようだ。
片付けが終わり、子供達のサッカーに混ぜてもらう。降り出す夕立の中、濡れるのも気にせず仲良く遊ぶ4人が、まるでいとこ同士のように見えた。

子供の交友関係は幼稚園や小学校のクラス替え毎に変わり、赤ちゃんの頃から親子で交流が続く友達はほとんどなくなってしまった。そんな中、年に数回だがこうやって家族同士で思い切り遊び、影響を与え合いつつ成長を確かめられる関係ってとても素敵だと思う。 今後もこんな良い関係を続けていければいいな。


9.SGM中州中級コース朝練(2010年7月18日)

 当HP掲示板に「18日SGMに行きます」とのアッチさんの書き込みを発見。ぜひ一緒に走りたい所だが梅雨明け後の猛暑の中を走る気になれず、朝の涼しいうちだけ走ろうと早朝5時に自宅を出発。

道路はガラガラで最短記録の35分でSGM入口に到着。この時間なら中級コースを貸切で走れそうだと中州に駐車、初心者コースでウォーミングアップした後中級コースで練習開始。オフビでそこそこ走れるようになったかに見えたなっちであったが、初めて走る荒れた路面に悪銭苦闘、何度も転びつつ1時間程汗を流した。

早朝の中州 林間コース 広場

休憩後、上級者コースにも人がいないのでチャレンジさせると、高さ3m程の尖ったコブを超えた所で転倒。コブの陰でバイクを起こそうと四苦八苦している所に、最悪のタイミングでコースインしたフルサイズがDR-Zを踏み越していった(まっちが駆け付けるとフルサイズのライダーがなっちのバイクを起こそうとしてくれていた)。お互い怪我もマシントラブルも無かったが、やっぱりモトクロスは危ないと実感。なっちには転んでしまったら、身の安全を確保した後すぐに後続に知らせなきゃダメだと強く教えておいた。

もしかしたら広場にアッチファミリーが来ているかもしれないと行ってみる。車も通れるフラットダートをただ走ってもつまらないので、林間コースや獣道を選ぶが初夏の活き活きと伸びた青草や水溜りに阻まれ走りたいルートを進めずSGM内を迷走。何とか広場に到着したがまだ8時半ということでさすがにアッチファミリーも来ておらず、朝の心地良い風に吹かれて長めの休憩。

休憩1 休憩2 サンドコース

復路も獣道を開拓しながら走ると、車までもう少しの所で中州名物深いサンド地帯に出てしまう。なっち(というよりこの小径タイヤのバイクでは)このフカフカサンドの走破は無理だと引き返そうとするが、なっちは引き返したくないらしく覚悟を決めてサンド地帯に立ち向かう。

きっと地獄を見るだろうと思ったが、意外にもなっちはスルスルとサンドを半分以上走破、車が見える所まで自力で走った。体重が軽いなっちと非力なDRーZの組み合わせは考えていたよりサンドに強いようだ。

何はともあれ無事車に戻り練習終了。灼熱地獄化しつつあるSGMを後にした。
帰宅後2台のオイル交換をしてもまだお昼。早起き3文の得とは良く言ったもんだ。(数日後、出先でセレナのスターターが壊れ2度目のレッカー移動。もしこの日中州で壊れていたら、、、と考えると世にも恐ろしい。そろそろセレナも買い替え時かな?)


10.3家族合同練習(2010年9月11日)

 オリトさんからNPK(ナショナルパーク川越)で子供達を一緒に練習させないかとお誘いメールを頂く。 ゆっち(妻)に行ってもいいかと尋ねると、「子供達2人を連れてってくれるなら全然構わない。」との回答。
『オッケー、明日は久々のバイクデーだ!』となっちを誘うと予想通りの大喜び。そしてそうちゃんにも声をかけるとまさかの

「僕、お家にいる」

との返事。どうやらそうちゃんはオフビで自分だけバイクに乗れないのが寂しかったようだ。『オリトさんまたカキ氷作ってくれるかもしれないし、またサッカーできるかもしれないよ!』と必死に誘うもそうちゃんの意思は揺るがない。予想外の展開に戸惑っていると、横で見ていたなっちが立ち上がった。

「よし、私が何とかする!」

勇ましい言葉を残しなっちはそうちゃんを子供部屋に連れ込んだ。そして5分が経過した頃、ドアが開き笑顔のそうちゃんが現われた。

「明日、僕もバイク行くことにした!」

なっちがポケモンカードか何かでそうちゃんを買収したのは容易に想像がつく。弟を物で釣るのはどうかとは思うが今回ばかりはがとにかく助かった。なっちに「ありがとう!」と視線を送ると、「どんなもんだ!」と得意気な表情。

このところ、バイクの時だけはなっちと自分が親子ではなく(共通の敵=ゆっちに立ち向かう)同志の関係になる。子供とバイクに乗ると決めてはや数年、ようやくバイクはなっちとの共通の趣味となり、心を繋ぐ太いパイプとなったようだ。(あとはそうちゃんだな、、、。)


オリトさんがGODさん、ACCOさんにも声をかけてくれたようで、練習当日は3家族が集まった。
以前バンザイ忘年走行会でPW50に乗っていたサラブレット夫婦の血を引くユウタロウくんはTT-50にステップアップしており、PW50のマサミくん、TT-50のユミちゃん、DR-Z70のなっちと共にほぼ貸切のコースに勢い良く飛び出していく。そしてその後を子供達の様子を伺いつつそうちゃんと二人乗りのKLXで追走。

NPKを走るのは東福寺さん講師のTESビギナースクール以来なので5年ぶり。以前は空き地に毛が生えたような所だったがミニモトで楽しく走れるそれらしいコースに生まれ変わっていた。特に下段のコースは全長が長く変化に富み、(フルサイズで走るには窮屈だが)ミニモトや子供達が練習するには丁度良さそうだ。

NPKなっち NPK2 NPK3

マサミくんのPW50を借りて犬の散歩のようにそうちゃんの練習をしたり、オリトさんのカキ氷を食べたりするうちに、あっという間に昼休み。昼食を食べ終わると子供達4人はすぐにコースイン。いつもゆっくり休むなっちも、同じようなレベルの仲間と初めてのコースを走るのが楽しいらしく良く走る。(帰りの車で理由を尋ねると「1番年上だから1番長く走ろうと思ってた」と応えていた)

頑張る子供達を見ていると自分も走りたくなってきた。そうちゃんを降ろし、プロテクターを装着、サスの底付きに注意しつつ走り出す。しかし真夏のような暑さに15分もすると集中が途切れてしまいあっという間にダウン。

『子供達、この暑い中よく走り続けてるよな。』

NPK動画切抜1 NPK動画切抜2 NPK動画切抜3

奥の林間コース(?)を走ったり、オリトサンの録画機能付サングラス(上写真3枚)を試したり、久々にGODさんACCOさんと話したりするうちに、あっという間にコース閉鎖終時間が迫ってきた。そうちゃんがもうひと息で乗れるようになりそうなので、最後にもう1度PWを借りてオリトファミリー、GODファミリーに見守られながら夕暮れのコース外周を走行。リアフェンダーに取り付けた安全ロープを外すには至らなかったがほぼ自力で走れるようになり本日の練習終了。

『いやー、今日はみんな良く走ったよ』と片付けをしていると「パパそろそろサッカーやろう!」とサッカーボールを蹴り出すそうちゃん。さっきまでバイクに乗っていた近くの少年がサッカー好きなようで一緒に遊んでくれる。次第に人数も増え、周りのトランポにぶつける恐れがでてきたのでコース脇の広場に移動。GODさん、そうちゃん、まっちチーム対サッカー少年、ユミちゃん、ユウタロウ君、マサミ君、なっちチームでサッカー大会。

NPKそうちゃん練習 NPKサッカー NPK集合写真

唯一体力の残っているそうちゃんは、泥人形になり周りの笑いを取りつつゴールを守るサッカー少年からハットトリックを奪い満足気(これでそうちゃんまたバイクに来てくれそうだとひと安心)。

「GODさんキーパーやってくれたけど、あれこそ『ゴッドハンド』だったね。」

と、子供達の大好きなTVアニメ「イナズマイレブン」ネタで盛り上がりながら家路についた。


11.そうちゃんのバイク(PW50)ゲット!(2010年9月12日)

 GODさんACCOさんがユウタロウ君のお古のPW50をスペシャル友達プライスで譲ってくださるそうで、NPK合同練習の翌日GODさん宅に家族4人で受け取りに行く。整備の行き届いたPW50の説明をひと通り受けセレナに積み込む。おそらく市販バイク最軽量であろう車体は軽く、ラダーを使わずとも車に載せられた。サイズもDR-Z70よりひと回り小さく3列目シートを跳ね上げずともシート後のわずかなスペースにうまく納まった。ヘッドレストとハンドルを固定し積み込み完了。これなら気楽にPWを積んで出掛けられそうだ。

そうこうしていると、GODさんACCOさんが「これユウタロウもう着れないからそうちゃん着てよ。」とFOXのジャージとパンツを持ってきてくれた。さらには「昨日履いてたブーツももう爪先当たって痛いって言ってたから、、、」「あのベランダに干してある昨日ジャージもまだ半乾きだけど、、、」と色々とかき集めてくれ、そうちゃん用ジャージ、パンツ、ブーツ、手袋に加え、なっち用ジャージとパンツまで頂けることに。

昨日のNPKコースでは、なっちとそうちゃんだけがGパンにトレーナーという明らかに周りから浮いた格好で、「そろそろ何とかしなければ、、、」と悩んでいたので涙が出るほどうれしかった。(しかもそうちゃんの服はPWと同色の青、なっちの服はDR-Zと同色の黄色で、まるでバイクに合わせたかのようです)GODさんACCOさんユウタロウ君どうもありがとう。大切に使わせて頂きます。

PWゲット1 PWゲット12 PWゲット3

帰宅後、メンテマニュアル片手にPW50をいじっていると、横で見ていたそうちゃんは 「これ、ホントに僕のバイクなんだよね?」と何だか信じられないという表情。 欲しい物は何でも要求するお姉ちゃんと対照的に高い物はほとんどねだらない(買ってはもらえないと最初からあきらめている)そうちゃんは自分用のバイクが手に入るとは思ってもいなかったようで、 『もちろんそうちゃんのだよ!』 と返すと飛び切りの笑顔を見せてくれた。そして、そんな笑顔のそうちゃんを見るまっちも幸せな気分になった。
このところ、そうちゃんを残してなっちと2人でバイクに出掛けるのが心苦しく感じていたので今回は本当にグッドタイミングだった。今秋からはそうちゃんも一緒に楽しいバイクライフを送るぞ!

NPKそうちゃん練習 NPK集合写真

(4年前に撮影した3人とPW50。なっちが今のそうちゃんのようなサイズだぞ)


12.そうちゃん近所の空き地で初練習(2010年10月2日)

 ようやく秋らしくなった週末の昼下がり、ちょっと時間が空いたので、これまでなっちと2人で何度か練習した近所の空き地でそうちゃんの初練習。
途中100円ショップに寄り洗濯用ロープを買い、PW50のリアフェンダーに結んで犬の散歩状態での練習開始。そうちゃんは始めこそ小石を敷き詰めた路面に手こずっていたが、数分もすると自分でバランスを取って走れるようになった。

『よし、じゃあロープ外そうか!』

バイクに足を挟まない転び方を覚えさせた後、ロープを外してそうちゃん初の単独走行。 発進時と停止時にふらつくものの、何とか左周りをマスター。

『バイク乗れるようになったお祝いにミニストップでアイスでも喰おうか!』

と言うと歓声を上げる子供達。秋風の爽やかな楽しいひとときであった。

NPKそうちゃん練習 NPKサッカー NPK集合写真


その晩、そうちゃんはいつものようにまっちの布団に潜り込むとこんなことを言った。

「僕自転車もパパと何度も練習してやっと乗れるようになったんだよね。」

バイクに乗れた経験から意外にも自転車に乗れた時のことを思い出していたようだ。まっちも忘れかけていた近所のスーパー駐車場での自転車練習の詳細をしっかりと憶えていてくれたのには驚くと同時にとてもうれしかった。


13.バンザイ忘年走行会 (2010年12月4日) NEW

 今年も忘年走行会の季節が近づいてきた。毎年この時季になるとコースを走りたくてウズウズしてくるのだが今年はいまいち気分が盛り上がらない。なぜなら自分が思いっ切り走れるマシンがない(CRを売ってしまった)からだ。

久々にバンザイメンバーと会えるのは楽しみだが、非力なKLXで彼らと共にコースを走れば、買える当てのない高性能マシンが欲しくなるのは目に見えている。忘年走行会への参加は、この先数年間は子供と一緒にバイクを楽しむと決めた決心を揺るがす行為のようにも思え、これまでのようにどうしても行きたいという気持ちになれずにいた。
そんな中、そうちゃんが所用で参加できないことが確定。さらには前日にかけて記録的豪雨が降りコースコンディションは絶望的。子供の参加者もいないということで、今年の忘年走行会は見送ることにした。

しかし、この件をなっちに話すと、『他に子供がいなくても私は走りたい!コースがドロドロでも構わない!』と、予想外のやる気に満ちたうれしい反応。 そう言えば、この所仕事ばかりでなっちとあまり話せていないので、久々に2人で思いっ切り遊ぶ週末を送るのも良さそうだと参加を見送る方針を撤回、KLX110とRM-Z70をセレナに積んで会場であるオフロードビレッジに向けて出発!


前泊宴会組が確保してくれたバンザイエリアに駐車し、メンバーと挨拶交わしつつコースコンディションを確認。所々に水溜りが残るものの考えていた程状態は酷くはなくひと安心。今日は初心者コース限定チケット(1500円×2枚)を買うつもりでいたが、念のためなっちに本コースを走りたいかを尋ねてみると「やってみたい!」との返事。まだ少し早いとは思うが、やる気のある時に走らすのが良さそうだと本コースも走れるチケット(ミニモトなので3000円×2枚)を購入。

いきなり本コース(A・Bコース)を走らせるのはいくらなんでも危ないので午前中は初心者コースでみっちり練習。なっちは本コースを走る前に少しでも多く走っておこうと思っていたようで、転んでもくじけずに昼休みになるまで集中して走り続けた。
NPKそうちゃん練習 NPKサッカー NPK集合写真

昼飯に、キャンピングカー夫婦が販売する安くて旨い焼肉弁当&ハンバーグ弁当(各500円)を食べると、「今日は久々に円陣声出しやるよ!」と言うナマさんの呼びかけがあり久々の円陣声出し。 ナマさんお手製のカンペを片手に「この円陣マンって俺のことだったのかよ〜」と照れつつも大声をあげるsyougoさんの後に続く。大人達の輪に混ざり夢にまで見た円陣声出しに加わるなっちはとても嬉しそうで、本コースを走る気合が入ったようだった。

円陣声出しの勢いをそのままに初心者タイムとなった全日本の大会にも使われるBコースにコースイン。ヌカヌカの路面にDR-Zの小さなタイヤは半分以上も埋まってしまいなっちは悪戦苦闘。50mも走らないうちに飛んで来たマーシャルのおじさんに、「このコースは大きなコブの死角が多くて危ないから今日は他のコースで走ってよ。」と言われ、泣く泣くコースアウト。

気を取り直し、今度はスーパークロスコースと呼ばれるAコースが初心者タイムとなるのを見計らいコースイン。ペースの遅いなっちが後から突っ込まれないよう同じラインを追走。大勢のマシンに抜かれつつ、あともう少しで1周完走という所で轍に嵌ってしまう。飛んで来たマーシャルにバイクを掘り出してもらい何とか抜け出すがなっちは半べそ状態。

「このコース速い人ばっかりで怖い。」

戦意喪失したなっちを車で休ませ、しばらくの間KLXで本コースを思い切り走ってみる。走る楽しみは充分味わえるが、轍ではラインを選ばないと地面にステップが激突してしまったり、ジャンプでは気を使わないとサスが底付きしてしまったりとマシンのポテンシャルの低さは隠し切れず、CRのように無心では走れない。だが、子供と一緒にバイクを楽しむにはこれ位が丁度良いのかもしれない(と自分に言い聞かせ、思い込むよことにしよう(笑))。

次の初心者タイムに、『路面乾いてきてるからもう1周だけ走ってみない?』となっちを誘う。明らかに走りたくなさそうだが、「本コースチケット買っちゃったからもう1周だけ走ってみる」と言うなっちと再度コースイン。 今度は深い轍を避けたライン取りで何とか完走。『もう1周どう?』と誘うと、「さっきより怖くなくなったからもう1周だけ走ってみる。」と少し笑顔が戻ってきた。
NPKそうちゃん練習NPK集合写真

本日最後の初心者タイムとなり、なっちは傾いた西日が眩しいコースを今度は3周走行した。走行後洗車場に向かうなっちは、「はじめこのコース走った時は絶対無理だと思ったけど、パパに言われて諦めずに走っったら、段々走れるようになってきて楽しかった!」と満足気な表情だった。