昨年(2013年)の屈辱を晴らすために 、、、。
1. 今年のいかだレースは?
今年(2014年)もゴールデンウィークの数日前に多摩川いかだレースの案内状が届く。
「もう今年もいかだレースの季節になるのか。」
昨年の不本意な成績に、レースの3ヶ月後には若大将が今年用のリベンジいかだをほぼ作り上げた(現在はヨットとして使えるように改造中)ため、今年は参加を迷う理由は何も無い。若大将は昨年でレースに出るのは卒業したつもりのようであったが、「嫁、息子、(娘)だけでは力不足です。ぜひ一緒に昨年の屈辱を晴らしましょう!」と何とか説得、昨年と同じ家族5人の名前を申込書に書いて事務局に提出、今年もいかだレースに向けての日々がはじまった。
2. 準備
狛江古代カップいかだ作成規定に「セール・水切りは禁止」という項目があるため、ヨットからウインドサーフィン用セールと、水の抵抗を減らすために舟首に付けてある水切りを外し、自作ヨットをいかだに仕立て直す。
これで規定に則るいかだとなったが、舟を細くして水の抵抗を減らした方が上位を狙えると、安定性向上の為にフレームに固定して左右に張り出すように取り付けてある塩ビパイプを一旦外して舟体に密着させてPPバンドで再結束。
「これで性能的には20位以内に入るいかだになったんじゃないかな。あとは俺達がどれだけ頑張って漕げるかだ。」
と目を輝かす若大将。でも去年も似たような話を聞きながら惨敗しただけに、いまいち説得力がないぞ(笑)。
不本意な成績と並び昨年もうひとつ残念だったのが、娘と一緒にレースに出れなかったこと。今年こそ娘も参加させる良い方法は無いだろうか?
娘は友達とディズニーランドに行くために、食費を削るなど涙ぐましい努力でお金を貯めているようなので、「一緒にいかだレースに出て30位以内に入れたら賞金1万円進呈!」と最終手段のお金をちらつかせて解決しようとするも、「部活あるから無理」と一蹴されてしまい、今年も家族全員での出場は夢と消えた。 娘の体重分の塩ビパイプ2本を外してさらに舟をスリム化してレース当日を向かえた。
7. レース当日(2014年7月13日)
史上最大級と言われる台風8号の接近に大会延期を覚悟するも、台風は足早にあっけなく過ぎ去り日程通りいかだレース開催決定。雲が多く例年より涼しい好条件にやる気がみなぎる。
一昨年は第3レース、昨年は第5レースと序盤出艇、さらにはいかだの補強に追われるなどで周りに目を向ける余裕が無かったが、今年は第8レース(11時10分スタート)と出艇までたっぷり時間があり、応援に来てくれたテル、ヤスと土手に座って序盤のレースをのんびり観戦。スタート前に転覆や分解してしまう初出場チームの完成度の低いいかだの数々に、今年はなんだかやれそうな気がしてくる。
やがて我らの出番となりスロープを下りていると「#52 オヤジの背中」の紹介アナウンスが流れだす。
「昨年、一昨年とタイヤチューブを使ったいかだで思うような成績が残せなかったため、今年は、タイヤチューブに見切りを付けて、雨どいに使う軽量塩ビパイプでいかだを新調、悲願の30位以内を目標に、親子3世代、家族の力を結集してゴールを目指します。」
テル、ヤス、僕らと同じ町田市から参加の「#79 鶴見川育成会」の方々からの声援にパワーをもらいつつレーススタート。
スタートダッシュが肝心とばかりに規定で定められた片側オールで思い切り水を掻くと軽快にいかだは前進。これはいいとばかりに3回続けて左舷で水を掻くと舟はいとも簡単に右に回がり、隣の#51とぶつかりそうになる。何とか加速して接触を回避するも、右に左に大きく蛇行を繰り返す。
スタート直後の順位は7挺中3番手。蛇行の原因を突き止めようと、最前席の息子、2場目の若大将、3番目の嫁、最後尾の自分のオールさばきと、それに対する舟の挙動を分析。
舟の中心付近に座る若大将、嫁が左右どちらで水を掻いても舟はほとんど曲がらないのに対し、舟の最後尾に座る自分が水を掻くと舟は簡単に曲がってしまう傾向に気付く。どうやら最後尾のポジションでの一挙一動は舟の進行方向に大きな影響を及ぼすようだ。
そんな最後尾の自分がひと漕ぎ毎に右に左にオールを持ち替えて漕げば蛇行を抑えられるのは分かってきたが、前席の嫁の頭上に水を垂らさぬようオールを持ち替えるのはかなりのタイムロスとなりスピードが落ちてしまう。
そのため、舟底を回すようにオールを入れたり、4人の力を上手く左右に振り分けるうちに次第に4人の息が合い、いい感じに真直ぐ進むようになってくる。
しかし、支流を出て水深が浅くなるとオールを舟底に回せなくなり再び舟は大きく蛇行。オールの柄で川底を突いたり、下舟して舟を回したりして対処するも只でさえ少ない体力を浪費。そのうちに4人の体力が底を突いてしまったようで明らかにスピードダウン。
周りのいかだに「もう少しです、がんばりましょう(息子が先頭に乗っていてはオヤジの背中は見せられないな)」などと温かい声を掛けてもらいつつ最後の力を絞り何とかゴールイン。
やきそばと唐揚げを昼食に食べた後、表彰式にてタイムと順位を確認。23分24秒と昨年より6分30秒短縮したものの39位と目標の30位には遠く及ばなかった。
30位以内に入り賞金1万円をゲットするつもりだった息子はがっくりと肩を落とす。
今年のレースはいかだ軽量化の効果を実感できたものの、軽量いかだの操縦の奥深さを感じる結果となった。
いかだの性能向上による順位アップはそろそろ頭打ちとなるため、上位陣との戦いとなる来年以降は体力作りをしたり、レース前に練習をしたり緻密な作戦を練ったりする必要がありそうだ。
【狛江古代カップ2014 成績】
チーム名/メンバー: チーム オヤジの背中/父、嫁、息子、自分
順位/参加台数 : 一般クラス39位/80艇
タイム/受賞 : 23分24秒/なし
【2014年いかだレース参戦 完】