タイトルSS.gif
■ ファミリースキー奮闘記
昔は夫婦でよくスキーに行ったが、子供が生まれて全く行かなくなった。
家族でスキーに行くのはまだ数年先だと思っていたのだが、、、。


■ 06シーズン ファミリースキー奮闘記

1. 家族スキー出発決定
 スイミングスクールから帰ってきたなっちが玄関のドアを開けるなり、スイミングスクール主催のスキースクールの案内チラシを 差し出しながら鼻息荒くこう言った。
『パパ!スキースクールあと3人で締め切りになっちゃう!』
どうやらなっちは、幼稚園の友達やスイミングスクールのコーチが「スキーは楽しい」と言うのを聞いて、すっかりその気になっているようだ。
あまり運動が得意でなくほとんど親元を離れたことのないなっちを、泊まりで多人数のスクールに行かせても大丈夫だろうか?
年上の子供に混じり劣等感を味わうであろうなっちも、なっちに付きっきりになるであろうコーチもかわいそうな気がしてならないので今回は見送ることにした。
「そうちゃんがもうちょっと大きくなったら家族4人でスキーに行こうね。」
そう言ってなんとかなっちを説得した。

数日後、会社から帰宅すると家族3人がこたつで「家族で行くスキー」という本を読んでいる。まっちに気付いたゆっちが、
「クリスマスにスキー行きたい人?」
と言うと、
「ハイッ!ハイッ!ハイッ!」
とゆっち、なっち、そうちゃんの3人が元気良く手を上げた。
「ゲゲゲッ、また俺は我が家の偽り民主主義の餌食になるのか!」
ゆっちのさしがねで、まだ1才のそうちゃんまで元気に手を挙げているではないか!
「オイそうちゃん、君は凍てつく雪山でやるスキーを分かって手を挙げてるのかい?」
スキー好きなゆっちが言った。
「いつかスキーに行くなら子供がやる気になっている今がチャンスじゃない?今日家で子供達にスキー履かせて歩く練習させたけど、 なっちなんかもう完全にスキーの虜になっちゃってるよ。」
まあ、ゆっちの言う事も分からなくもないのでスキー出発を決めた。

しかしながら、そうちゃんを連れて行って本当に大丈夫だろうか? モトクロスではゆっちに子供の面倒を見てもらっているので、スキーでは自分がそうちゃんの面倒を見ることにした。


2. はじめての家族スキー(2005年12月24日)
 早朝、天神山スキー場に向けて出発。都心からの近さが売り文句なだけあり、2時間もしないうちにスキー場に到着。
スキー場の片隅には、子供用リフト(歩く歩道)を備えた子供用のソリゲレンデと、スキーゲレンデがあり500円で使用できる。 ゲレンデに隣接して無料トランポリンや休憩室、遊具等もあり子供達は大興奮。 確かにここなら子連れで楽しめそうだ。
雪合戦兼準備体操をした後、4人でソリで遊ぶ。公園の斜面でソリ遊びをしたことがあるなっちは、はじめから1人で楽しそうに滑っていたので、 雪の興奮が冷めないうちにスキーゲレンデに場所を移しスキーをやらせることにした。

なっちソリ まっちそうちゃんソリ なっちゆっちスキー

長いスキーでは教えづらいと、前日にストックのいらないショートスキーを買ったゆっちに なっちのスキー指導をまかせ、自分はそうちゃんと雪遊びをする。
そうちゃんはすぐに雪に飽きてしまったが、滑り台などの遊具で楽しそうに遊んだ。
生まれて初めてスキーをするなっちは体重が後ろにいってしまい何度も尻もちをついて転んたが、軟体動物のように体がやわらかく ダメージを受けないようで、ゾンビのように何度も起き上がり頑張っていた。

昼食時になっちにスキーの感想を聞くと、
『すごく面白いからもっともっと滑りたい。』
という意外にも前向きな返事が聞けた。昼には帰りたがるだろうというまっちの予想は見事に外れた。 昼食後も引き続きゆっちにスキー指導を任せ、自分はそうちゃんとホカホカの休憩室で過ごす。

2時間が過ぎ、日が傾きはじめた頃やっと2人は戻ってきた。
『パパ!一緒に向こうのリフトに乗りに行こう!』
ゆっちに聞くと、なんとか吊り下げ式リフトに乗れる位にはなったそうなので、4人で初心者向け一般ゲレンデで滑ることにした。 今日は使わないと思っていた自分のスキーを車に取りに戻り、おんぶ紐でそうちゃんを 背負い2人づつリフトに乗る。山頂でなっちにカメラを向けるとどこで覚えたのか片足を上げ余裕の表情。
「オイオイ、本当に大丈夫かい?」

なっちゆっちスキー まっちなっちそうちゃんスキー1 まっちなっちそうちゃんスキー2

ゆっちと交互になっちを指導しながら下山。 なっちは足の力が全くないため、ボーゲンの体勢もとれずにただ掴まって滑るだけだったが、 体重が次第に前に乗るようになり、転ぶ回数が減ってきた。 滑り切りもう1度リフトに乗ろうとしたところでリフトの運転が終了し、初めての家族スキーは終わりとなった。
満足気ななっちは、車に乗り込み家路についた1分後には熟睡していた。 飽きやすいなっちにも根気があるんだと知ることのできた1日であった。

翌日、なっちはスキーが楽しかったようで、
『パパ、昨日はスキーに連れて行ってくれてどうもありがと。』
と10回位言った。
こんなに喜んでくれるならまたスキーに行ってもいいかな。



■ 07シーズン ファミリースキー奮闘記

1. 事前準備
 今年も(ゆっちの好きな)スキーシーズンが近づいてきた。
「そう言えば、去年行ったふじてん(天神山スキー場)って、クリスマスウイークにサンタの格好で滑るとリフト代が無料になるんじゃなかったっけ?」と、ゆっちに聞くと、こんな返事が返ってきた。

『うん、もう100円ショップで4人分のサンタのコスプレ買ってあるから心配しないで!』
「さすがゆっち!やることが速い!」
『今年はそうちゃんにもスキーやらせるつもり。スキー場に着いてから色々教えるの大変そうだから 家でイメージトレーニングしといたよ。』
「おー、やるじゃん!(恐るべしゆっち!)」
という訳で、1年ぶりに「ふじてん」へ行くことにした。

なっちソリ なっちゆっちスキー


2. 2回目の家族スキー(2006年12月23日)
 7時頃家を出発、8時半にはサンタだらけのスキー場に到着。 子連れスキーヤーにとってにこの近さは何ともありがたい。
今回は、すっかりやる気になっているなっちをスクールに1日入れるつもりでいたが、定員オーバーのためスクールの受付はすでに終了していた。(なっちに基礎から正しいスキーを教えてやるという大義名文の元、なっちをスクールの先生に任せ久々に夫婦でスキーを満喫するという野望は打ち砕かれた。)
さらに、今年は雪不足のようで、エスカレーターリフトのキッズ用スキーゲレンデが使用禁止という悪条件。

「今日1日どうしようか?」

まあ、なっちは去年リフトに乗ったし、そうちゃんは抱えてリフトに乗せられそうなので、皆でファミリーゲレンデで滑ることにした。

午前中は子供達にスキーを教える。子供達が履くプラスチックスキーは、足と板が固定されずスキー板のエッジが立てにくいようで、スキーに慣れてしまっているなっちにとって、このスキーでの練習は、もうあまり意味が無さそうだ。 なっちにちゃんとしたスキーをレンタルして履かせようか迷ったが、せっかく今日はリフト代が無料ということで、午後からは、まっちがなっち、ゆっちがそうちゃんと一緒にストック無しで滑り、スキーのテクニックの前に楽しさを教えてやることにした。

『パパもママもスキーうまいんだね。』(下手だが子供にはうまく見えるらしい。)

まっちパパに頼り地面からスキーを浮かしてぶら下がりがちのなっちは、『左!』『右!』とパパに楽しそうに指令を送っていた。
ゆっちママの膝に座り、しゃべる人形化したそうちゃんは、丁度遊園地の乗り物に乗るかのように、ゲレンデを疾走する爽快感を味わっているようだった。

16時半でファミリーゲレンデのリフトが止まったため帰ろうとすると、帰りたがらないそうちゃんが、
『死んでももう1回滑りたい。』
と言いだした。(どこでこんな言葉覚えたのだろう?)
4人乗りクワッドリフトが5時まで運転しているようなので、最後にこれで山頂まで登り、スラロームコースを一気に滑り、今日の締めくくりとした。

なっちゆっちスキー まっちなっちそうちゃんスキー2

スキーから帰ってからの数日間、子供達が何かと『パパ大好き』を連発して妙になついてきて戸惑った。
きっと、『子供達に、普段の生活では味わえない特別な体験(雪景色の中リフトで話したり、一緒に雪山を滑走すること)を味あわせ、一緒に楽しむこと』は、親子の絆を強める効果があるのではないだろうか?



■ 08シーズン ファミリースキー奮闘記

1. 事前準備
 今年もスキーシーズンが近づいてきた。気付くと部屋の片隅に見たことのない子供用スキー一式と大人用スキーブーツが置いてある。 ゆっちに訪ねると、昨年プラスチックスキーで滑りにくそうだったなっちとゲレンデでブーツが粉々に砕けた自分のために買ったそうだ。
「あなたのブーツも10年以上の年代物だから、そろそろヤバイんじゃない?」
そのうち中古品でも買おうと考えているうちに、我家の年中行事となりつつあるクリスマスウイークのサンタコスプレデーがやってきた。


2. なっち 初めてのスキースクール(2007年12月23日)
 天気は雨だが回復傾向ということで(サンタコスプレでリフト代タダに惹かれて)とにかく出発。チェーン規制の空いた中央度を抜け、2時間程で「ふじてんリゾート(スキー場)」に到着。車の中で準備をするうちに雨は上がり、サンタだらけのゲレンデへGO!
午前中は昨年同様キッズゲレンデで雪遊びとソリ遊びをして早目の昼食。
なっちに午後のスキースクール(2時間3000円)を受けるかと尋ねるとやってみるとの返事。
はじめて履くスキーブーツに歩くこともままならないなっちを、 ライオンが子供を崖から突き落とすような気持ちでインストラクターに委ねてしばらくは別行動。

07クリスマススキー1 07クリスマススキー2 07クリスマススキー3

スクール中はゆっちと2人でそうちゃん1人の面倒を見ればいいので、リフトで山頂まで上り久しぶりにスキーの滑走感を味わう。 3人で乗るリフトからは、スクールを受けるなっちの様子が見え、 人一倍転びつつ誰も知り合いがいない中歯を食いしばる姿に、この1年のなっちの成長の大きさを感じた。
「おねえちゃんガンバレ!」と声援を送るそうちゃんの兄弟愛が追い打ちをかけ、目頭が熱くなった。

スクールが終わりなっちと合流。ボーゲン右ターンだけ何となくできるようになったなっちは、山頂から滑ってみたいと言い、 3分で滑れるコースを30分以上かけて何度も転びながらも独力で滑った。2本滑ると辺りは暗くなりスキー終了。

07クリスマススキー4 07クリスマススキー5 07クリスマススキー6

『うまくなる過程を楽しむスポーツ』だったはずのスキーは、いつの間にか『子供の成長を楽しむスポーツ』 へと変わっていた。
ゆっちの予言(?)通り、独身時代から使っているお気に入りのスキーブーツも砕け、1つの時代の終わりを感じるスキーであった。



■ 10シーズン ファミリースキー奮闘記 (2009年12月23日)

 09シーズンも子連れスキーに最適な、ふじてんスノーリゾートの「サンタ衣装でリフト券無料イベント」に行こうと、そうちゃん用のスキーセット一式とまっちのスキーブーツをフリーマーケットで入手し準備を整えるも、前日にそうちゃんが体調を崩してしまい止む無く中止。その後もスキーに行く機会を持てずにシーズンが終わってしまった。

10シーズンに入り、今年こそ同サンタイベントに行こうと天皇誕生日にファミリースキーを計画。前日の晩が午前様であったが、この機会を逃すとまた1年スキーに行けなくなりそうだと眠い目を擦りながら準備をして朝6時半に自宅を出発。高速1000円の恩恵を受け90分程でお手軽にふじてんスノーリゾートに到着。今年はイベントが週末と重ならない為来場者が例年よりも少ないようで、センターハウスのすぐ近くに駐車することができた。

『おっ、サンタ率増えてるじゃん』

3年前に3割位だったサンタ率は7割位まで上昇し、ゲレンデはサンタだらけ。「子供達を早く上達させた方が今後のスキーライフが充実する」とのゆっちの考えで、コスプレで浮いたリフト代を子供のスクールに充て、コツコツ型のなっちには1日スクール、飽きっぽいそうちゃんには半日スクールの受付をする。スクール開始まで時間があるので2年のブランクでほとんど滑れなくなってしまったなっちを抱えてひと滑り。気温は高く天気は快晴、今日1日楽しいスキーができそうだ。

そうちゃん講習前 なっち講習前 そうちゃん講習

幸運なことに、なっちもそうちゃんも同じレベルの受講者がいないようで先生とマンツーマンでスクールが始まる。
スクール受講中は子供を先生に預ける形となるため夫婦2人で滑りまくる。面白味に欠ける狭いゲレンデではあるが、約10年ぶりに子守りを忘れて滑れる開放感と、今年から導入された自動改札システムのお陰で、短時間だがそこそこの滑走感を味わえた。
途中、ファミリーゲレンデでスクールを受けるなっちと、スラロームコースでスクールを受けるそうちゃんを見付けては、2人の様子やスクールの内容を陰から観察。さすがにプロからマンツーマンで指導を受けるだけのことはあり、2人共見付ける度に上達しているように見える。楽しい時間はあっという間に過ぎ、午前中の講習を終えた子供達と合流して昼飯。
昼食 お菓子ブーツゲット 07クリスマススキー6

午前中にボーゲンをほぼマスターしたなっちはスキーの面白さに目覚め、少しでも多く滑りたいようで、急いで昼食を食べて午後のスクールの前に(まっちと)リフトに2本乗る熱の入れよう。
一方午前中で講習を終えたそうちゃんは(ゆっちと)のんびり昼飯を食べ1時からの宝探しイベントでお菓子ブーツをゲットしてご満悦。

なっちを午後のスクールに送り出した後は、ボーゲンの形ができつつあるそうちゃんをゆっちと2人で指導。 午前中のスクールの様子を真似てストックを持たせずに『スキーをおにぎりにして!』と言葉を掛けつつの練習。途中休憩をはさむつもりが、意外にもそうちゃんの根気は途切れずに続き、なっちのスクール終了まで休まずに教えることができた。こんなことならそうちゃんにも1日スクールを受けさせるべきだったかな。

講習を終えたなっちは満足そうな笑顔。 先生からのスクールの成果報告は、

・やる気があり、今日1日で非常に伸びた。
・細かく足を動かして速度をコントロールできているのはとてもいい傾向。
・今度講習を受ける時はBクラスで大丈夫。

と良いことだらけ。隣で先生の報告を頷きながら聞く得意気ななっちと一緒に滑ってみると、なるほど安定感のあるボーゲンだ。これなら中級ロマンスコースも大丈夫そうだと連れて行くと、覗き込む様な25度の傾斜にも怖がらずに果敢にチャレンジ。 朝ほとんど滑れなかったなっちとこうして一緒に滑っているのがなんだか夢みたい。

なっち講習後 なっちボーゲン 集合写真

今回は2人共良く頑張り、ちびっこ愛ランド(子供用休憩室付ゲレンデ)を使うことも、念のため持って来たソリを使うこともなく1日を過ごせ、理想のファミリースキーライフに一歩近づいた気がする1日であった。



■ 11シーズン ファミリースキー奮闘記 (2010年12月23日)

 今年も12月23日の天皇誕生日に我家の年中行事であるサンタコスプレスキーに行くつもりでいたが、深夜残業・休日出勤の続く日々に疲労困憊。スキー前日の晩になんとか休める目処が立つが、休みが確保できた安心感でガクッと気が抜けてしまう。この先しばらく続くであろう激務の日々を思うととんぼ返りで寒い雪山に行くのが無謀に思えてくる。

『ゴメン、仕事のピークがもうしばらく続きそうだから今回のスキーは中止にしてもらえるかな。』

とゆっちに謝りの電話を入れ、今年はサンタスキーを諦めることにした。


明日は久々に家でゆっくりできると安堵な気分で満たされるが、少し遅れて気付かぬよう心掛けていた「仕事のみの毎日(仕事以外に回す時間がほとんど取れない理想と掛け離れた毎日)への疑念」が大きくなる。やがてその疑念は「生活に仕事以外を取り入れなければならない使命感」へと昇華(?)され、疲れた体に鞭を打ってでもスキーに行くのが今の自分には必要のように思えてきた。

『話を覆して申し訳ないんだけど、やっぱり明日はスキーに行こう!』

再びゆっちに電話をかけると、「どうせそうくると思ってたよ!」との答え、最近考えることのほとんどをゆっちに読まれてしまう(苦笑)。うれしいような、悲しいような、、、。

ふじてん入口 「変人達の聖地」と読み間違う 宝探し開始前

翌朝、睡眠不足の目を擦りながらふじてんスノーリゾートに向け車を飛ばす。 自宅出発2時間後にはゲレンデに立てるのがこのスキー場の最大の魅力、駐車場でサンタ衣装に着替えゲレンデへの扉を開くと一面の銀世界は昨年以上にサンタだらけ。
数年前はサンタの格好をするのが恥ずかしかったが、ここまでサンタだらけだと形勢逆転、少数派の普通の格好の人の方が浮いてしまっていて何だか場違いな感じだ。

「今後の充実したファミリースキーライフのためには子供を早く上達させるのが良い」と、今年もサンタ衣装で浮いたリフト代を子供のスクール代に充てる。今日は「親子無料スクール」というクリスマスイベントが開催されるようだが、スキーは少人数で直にプロから教わる方が良いだろうと敢えて一般のスクール(4000円/1人)を選び申し込む。『無料スクールに人が流れて一般のスクールは少人数で受けられるんじゃないの?』という読み通り、一番下のAクラス受講のそうちゃんはコーチとマンツーマン、その上のBクラス受講のなっちも3人という理想的少人数でスクールが開始された。

晴れて自由の身となり、ゆっちと夫婦2人で滑る。雪不足のため1つしかリフトが動いていないが、ガンガン滑るというよりも、非日常空間を味わいに来た自分にはこれ位で丁度良い。美しい富士山を眺めたり、結婚前毎週のようにスキーに来ていた頃を思い出したりしながら昼までスキーを満喫。
宝探開始! お菓子ブーツゲット そうちゃんスクール

昼食の後、子供達は楽しみにしていたクリスマス宝探しイベントに参加。やる気満々の2人はスタートの合図と同時に宝探しエリアに飛び込み、2人共サンタブーツのお菓子をゲット、嬉しそうに午後のスクールへ向かった。

午後は講習を受ける子供達を見掛ける度に陰から観察。受講者3人の中一番下手ななっちは必死に2人に食らい付いて滑っている。人に教わるのが苦手なそうちゃんもちゃんとコーチの話を聞いて滑っているでようでひと安心。普段なかなか見られない、真剣な子供達を感慨深く見るうちにあっという間に4時間のスクールは終了。

最後に家族4人で初めて4人乗りリフトを占有して山を上り、暗くなるまで滑る。
昨年はなっちが飛躍的に上達したが今年はそうちゃんが飛躍的に伸びた。伸びたのはいいがストック無しボーゲンで右に左にスキーをコントロールしながらまるでラジコンカーのようにどんどん先へと進んでしまうので一発ガツンと叱ると暴走は止まった。(実はスクール終了時にコーチから「スキーの安全に対する心構えも教えたつもりですが、この子は速く滑りたがる習性があるので、怪我する前に一度ガツンと叱ってください」と言われたのだ。) なっちはボーゲンを抜け出せなかったがかなり安定感のある滑りになった。
なっちスクール 4人でリフト 暴走そうちゃん

今年からナイター時間もサンタ衣装でリフト代が無料になり、滑り足りないと言うなっちと照明が点いた幻想的な雪景色中を最後に一気に滑り下り今年のサンタスキー終了。今シーズン中にもう少し大きなスキー場でもう1回位滑りたいが、行けるかどうかは多忙な仕事次第のようだ。



■ 12シーズン ファミリースキー奮闘記 

1.毎年恒例サンタスキー(2011年12月24日)

 12月22日のエコーズ再結成ライブ後の飲み会の席で、クリスマスにふじてんにスキーに行く話をテルにすると、「じゃあうちも行くよ!」という話となり、今年はテルファミリーと一緒にサンタコスプレでスキーをすることになった。


現地でテルファミリー5人と合流、それぞれ子守りがあるため昼飯を一緒に食べると約束してそれまで別行動することに。なっちがたくさん滑りたいと言うので(そうちゃんをゆっちに任せ)8時半のリフト運転開始からスクール開始までの1時間半空いたゲレンデを思う存分滑りまくる。

ふじてん入口 「変人達の聖地」と読み間違う 宝探し開始前

なっちとそうちゃんをスキースクール(共に中級クラス)にぶち込むとひと段落。雪景色を楽しみながらのんびり滑っていると、数年前に中古で買った格安スキーブーツの樹脂部品が破損、紐で縛って延命治療を施すも、逆足も壊れてしまい再起不能に。

「どうしよう?」

〔選択肢1〕午後からスキーブーツをレンタルする。
〔選択肢2〕レストランでお茶をしながらのんびり読書。
〔選択肢3〕15年前に1度やって懲りたスノボを午後からやってみる。

〔選択肢1〕は得る物が無い気がして却下、〔選択肢2〕〔選択肢3〕のどちらにしようか悩む。
今年は思い切り遊ぶ機会があまり取れなかった(バイクで1度もコースを走れなかった)ことや、エコーズ再結成ライブでまだまだ攻める生き方をしなければならないと決意を新たにしたことが頭をよぎり、勢いでスノボを借りる。


「あれ、スノボ滑れるんだっけ?」

と驚くゆっち(妻)に、子供の午後のスクールが終わる15時半までには一緒に滑れる位になると説明し、テルファミリーと昼食、宝探しゲーム(今年も2人共1000円相当のお菓子詰め合わせをゲット)の後、本気モードの雪との格闘開始 。

宝探開始! お菓子ブーツゲット そうちゃんスクール


ここ10数年、スキーでもバイクでもほとんど転倒しなかった(=転ばない程度にしかできなくなってしまっていた)ので、前に後ろに何度も雪面に叩き付けられるこんな仕打ちを受けるのは久しぶり、痛くもあるが、その中に子供に戻ったような懐かしさもあり、とことんやってやろうという気にさせられる。30回位転んだだろうか、まるで雪だるまのように全身雪だらけになりながらも、夕方には何とか子供に付いて行けるようになり、最後は帰りたがらないなっちとクリスマスイルミネーションが点灯するゲレンデを数本滑走。
首、腕、腰、手首、腰と体中が痛むが、いつにない満足感を感じながらふじてんを後にした。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

2.そうちゃん8歳誕生日スキー(2011年2月11日)

 2月9日はそうちゃんの8歳誕生日、仕事を定時で切り上げサーティーワンのアイスケーキを買って帰りお祝いをするつもりが飛び込みの仕事で帰れない。ようやく仕事を終えて会社を出たのはサーティーワンの閉店後、家に着いた時にはそうちゃんはすでに布団の中。「つまらない誕生日だった」と何度もつぶやきながら眠りについたらしい、、、。

一生記憶に残るであろう少年時代の誕生日をこのまま終わらせる訳にはいかないと、家族4人の予定が空くその週の土曜に、オリジナルのケーキ作りが楽しめるシャトレーゼスキーリゾート八ヶ岳(旧ザイラーバレースキー場)に行こうと家族を誘い、今年2度目のスキーにGO!

朝5時に自宅を出発し2時間程でスキー場に到着。駐車場で準備をしていると後ろに停まった車に声をかけられる。驚いたことにその車から出てきたのは近所に住むモモカちゃんファミリー。物凄い偶然に幼馴染みの子供達と嫁さん連中は大はしゃぎ。
4人で1万円のファミリーセット券を買い、8時の運転開始に合わせてリフトに乗って山頂へ。コース脇でブーツの締付金具をセットしていると、持ちきれずに滑り出してしまうそうちゃん。「オイ、まて〜!」と3人で後を追いかけ一気に下山、そのまままたリフト。『今度は上で待っててね。』と何度言い聞かせてもリフトを降りると悪魔の手を逃れるかのように滑りだすそうちゃんにリフト乗り場で追いつく繰り返し。ゲレンデにモモカちゃんを見つけたなっちは家族と別れて2人で滑ったりリフトでおしゃべりするのに楽しそう。
ほんの数年前まで子供達の面倒を見るのに手一杯だったのに、早くもほとんど手が離れているという予想外の展開に子供の成長の早さを強く感じるひとときであった。

最大斜度32°のアルペンコースに架かるリフトは上級者に限定されるため、2基のリフトにスキーヤーが集中し、10時を過ぎるとリフト待ちの列が急激に伸びる。スキー場の規模に対し明らかにスキーヤーが多いようで、まだ11時前だが早めのランチタイム。

そうちゃんゆっちリフト モモカとなっちリフト ランチ

ランチを食べ終わると、いそいそとウエアーを着るそうちゃん。『オイオイ、リフト混んでるんだしもっとゆっくりしようよ!』と言うと、「じゃあ、ウエアー着て待ってる」との返事。レストラン内で手袋までして準備万端の様子にしょうがなく混んだゲレンデへ。

障害物やジャンプ台が続くレールパークやトンネル型ポールやスラロームが続くわんぱくゲレンデ、5連のジャンプ台が続くポコジャンパークなどの(主にスノーボード向けと思われる)障害物コースを4人で列になり滑る。昔ながらのまっちの長いスキーは障害物向きではないようで何度も障害物から落下。その横をスイスイと滑り上手にジャンプをこなすイキイキとしたそうちゃんの姿が印象的だった。

平均台1 平均台2 平均台3

3時からは子供達お待ちかねのデザートメーカー。料金(昼食の時にもらった200円割引券使用で大人800円、子供600円)を支払い、窓の大きな展望レストランの指定された席に席るとやる気満々に作戦を練る2人。クリームやチョコレート、果物、ナッツなどで好きなケーキにデコレーション。食べ放題(飲み放題)だがケーキを3つも食べるともう苦しそうで、最後はお皿に並べたデザートへのデコレーションを楽しむ子供達であった。

デザートメーカー1 デザートメーカー2 デザートメーカー3

日が傾きリフトも空いたので再びゲレンデへ。子供達は滑るのが楽しくてしょうがないようでナイター点灯後もそのまま続行、18時を過ぎると急激に寒くなり練習終了。そうちゃんの記憶に残る誕生日になったようで良かった良かった。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

3.初のファミリー春スキー(2012年4月1日) NEW

 今シーズンもう1回スキーに行くつもりでいたが、春らしくなるにつれ家族のスキー熱は萎んでしまったようだ。スキーの炎をもう1度灯すべくTUTAYAで80年代の映画「私をスキーに連れてって」を借りて週末上映会を決行。子供達に絶大な効果があり、滑り納めに春スキーに行くこととなった。

前週土曜に計画していたTIDAファミリーとの子供バイク練習会が雨で流れた経緯で一緒に苗場で滑ろうという話となるが、先週に続きまたもや雨、急遽日曜に天候の回復している富士見パノラマスキー場に予定を変更し当日を向かえた。


富士見パノラマスキー場に来たからには、結婚前に20回は乗ったであろう8人乗りゴンドラで山頂駅まで上り、標高差736m・全長約3キロの、コナシ・ラーチ・リンデン・シーダーの4つのゲレンデを一気に滑りまくりたいところだが、ゴンドラに乗ってしまうと上級者向けであるリンデンゲレンデを通らねば降りて来れないので、まずは麓のリフトで足慣らし。

前回のスキーで(整備された緩斜面を)そこそこ滑れるようになった子供達は「もうすぐパパとママのレベルに追いきそう!」と豪語するも、前日の雨が固まったアイスバーンやカキ氷のように削れた重い雪に思うように滑れない様子。「パパとママにはまだまだ追いつけないことが分かった」と肩を落とす子供達と麓のゲレンデでしばし練習。

そうちゃんゆっちリフト 初ゴンドラ ランチ

10時過ぎにゴンドラコースを楽勝で滑るTIDAファミリー(スキーに飽き足らないTIDAさんACCOさんはスノボ、ユウタロウ君はスキー)と合流。山頂駅付近は雪質が良いそうで、意を決したなっち・そうちゃんと初ゴンドラで山頂駅へ。2人は初めて滑る上級者コースの27度の急斜面に腰が引け何度も尻餅をつきつつもどうにか滑り切り、TIDAファミリーと一緒に昼飯。

昼飯後ゲレンデに出ると春の香り。ゴンドラからは富士山や八ヶ岳が一望でき、スキーに来たというよりもピクニックに来たような感じ。今度はほとんど転ばずに滑り切るが、もう1度ゴンドラに乗ると、疲れが隠せない様子のそうちゃんに転倒が多くなりペースダウン。小刻みにターンを繰り返すそうちゃんとのんびり上級者コースを降りていると上の方からTIDAさん、ACCOさんが豪快に滑り下りてくる。立ち往生する僕らを挟むように左からTIDAさん、右からACCOさんが華麗なターンを決めながら通り過ぎたかと思うと疾風のように消えて行った。まるでアルペンのTVコマーシャルみたでホント格好良かった。(後で聞いたらはぐれたユタロウ君を捜していたらしい(笑))
急斜面の子供達 八ヶ岳 足湯

なっちはまだ滑り足りなそうだが、そうちゃんはかなり疲れているようだし、ゆっち・まっちは明日から新年度がはじまるので15時前にスキー終了。足湯で温まった後、渋滞の車内でTUTAYAで借りたバックトゥーザフューチャーを見ながら帰宅。果たして我が家にはどんな未来が待ち受けているのだろうか?
【To be continued.】


1