【子育て日記】
日記20. 週末の予定
最近、週末が近づくと、なっち(娘)が勝手にまっち(僕)のスケジュールを埋めていく。
『パパ、今度の日曜日にこれ作ろうね(工作の本を差し出しながら)!』 「えっ、日曜日は雪でかまくら作るって言ってなかった?」 『かまくら作った後にこれ作るの。約束のゆびきりしてください。』 「あっ、もう会社行く時間だっ。行ってきまーす。」
毎朝こんなやり取りをするため、気付くと週末の予定が埋まっている。 (多分ゆっち(ママ)が「週末パパとやりな」って言ってるのだろう。)
日曜日、鬼マネージャーに追いまわされる売れっ子芸能人のように、かまくら作り、工作を終えるとなっちが言った。 『パパ、次はかるただからね。』 「、、、(もう限界です)。」
子供が自分を求めてくる時くらいは気持ち良く遊んでやろう!という心意気はあるが、最低限自分がやりたい事すら手が回らず、 ミスミス機会やチャンスを逃し続ける不満が吹き出した。 「パパお仕事するからしばらく子供部屋で一人で遊んでて!」 なっちを子供部屋に放り込みドアを閉めた。 「やっと静かになった、、、。」
数分後、なっちの声がするので耳を澄ましてみた。 『犬も歩けば棒にあたる。』 『ハイッ!』 『猫に小判。』 『ハイッ!』
「ええっ!一人でかるたやってるの?」 「、、、分かりました。一緒にかるたやりましょう。」
こうして今週も貴重な週末が過ぎていった。 これが幸せというものなのだろうか?
日記19. 席取り競争(空想の暴走編)
日記18に続きピューロランドでのできごとだ。 公開録画が終わりランド内で遊んでいると、ウサハナというウサギのキャラクターが目の前を通った。 「ほら、なっちが1番好きだって言ってたウサハナちゃんだよ。」 『ハナちゃんはもうあんまり好きじゃない!なっち、シナモンに会いたい。』 「えっ!少し前まで熱中していたウサハナにもう見向きもしないなんて!(まるで、数年後の自分を見ているみたいだ。)」
サンリオでは毎年新しいキャラクターが出てきては消えていく。キティーちゃんやキキとララのように自分が小さい頃から何十年も第一線で 頑張っているキャラもいれば、記憶にも留まらずに消えていくキャラもいる。 なるほど、パンフレットを見ると、昨年ウサハナがいたキティーちゃんの隣の席がシナモンに置き換えられている。 シナモンは、ナンバーツーの座からウサハナを引き摺り降ろしたようだ。 そのパンフレットで僕の空想に火が点き、ある構図が脳裏に浮かんだ。 それは、ウサハナをリーダーにサンリオキャラクター達が、いつまでもトップの座を明け渡さないキティーの暗殺をたくらんでいるという構図だ。 この構図の詳細設定を楽しんでいると、クリスマスのスペシャルパレードが始まった。
空想のせいで、キャラクター達がキティーちゃんに嫉妬しながら踊っているように見えてきた。 子供達のキティーへの歓声が高まるにつれ、キャラクター達の冷たい視線が狂気に満ちたものへと変っていった。 殺人鬼ウサハナの前を何も知らないキティーが通る。ウサハナの手には光るナイフが、、、。 おっと、これ以上の空想は子供の夢を壊すので止めとこう。
人気のシナモンには、シナモンファミリーという仲間キャラがいるらしい。シナモン、カプチーノ、モカ、エスプレッソ、ミルクのシナモンファミリー全員の登場で 子供達が沸いた。5人もの新キャラの登場は他のキャラにとっては大きな痛手だ。そう言えば昨年のパレードで見た、ケロケロケロッピーや おサルのモンキチ、ター坊、プリンの姿が見当たらないじゃないか。
会社の席取りも厳しいが、キャラの席取り競争も激しそうだな。
日記18. 席取り競争(公開録画編)
先日、サンリオピューロランドの公開録画に行ってきた。 この公開録画のステージでキティーちゃん達と一緒に踊る様子は(06年1月13日の)TV番組「キティーズパラダイス」で放映される。 以前「お母さんと一緒」の公開録画で、あまりTVカメラを意識しなかったなっちは、ほとんどテレビに映れなかったので、 今回こそはばっちりTVに写らせようと公開録画がはじまる前にステージの最前列に並ぶように言っておいた。 「なっち、最前列だからね!」 『何度も言わなくても分かってるよ!』
プログラムは進み、ついに子供達がステージに上がる時がきた。 「さあ!よい子のみんなステージに集って。」 ステージに走るなっち。(そうちゃんはキャラクターのぬいぐるみに怖がりステージには上がらなかった) 「やった!最前列だ。」 そう思ったのも束の間、続々とステージ手前から子供がなだれ込み、なっちは後方へ押しやられて見えなくなってしまった。 「普通、前からは割り込まないだろう!」 そんな大人の常識はステージ上の子供達には通用しないようだ。 背の低いなっちの姿は人垣に阻まれ完全に見えなくなってしまった。
撮影スタッフに席から離れるなと強く注意されている親達は、観客席から子供の名を叫び、子供の姿をTVカメラに映そうとする。 それに応えようとする子供達でステージ上はまさに弱肉強食の無法地帯。 運動会では、親のビデオカメラに写りたいたがために、踊りながら列を大きく外れ、観客席の方に出てきたなっちのことだから、 きっとなんとか前に出ようと頑張っていることだろう。しばらくすると期待に応えて人垣の後ろからモゾモゾと出てきた。 「いいぞ!いいぞ!」 再び最前列まで来たなっちは今度は左右の子の前に両手を広げなんとか最前列を死守するうちに曲が流れて公開録画がスタートした。
うーん、子供達の席取り競争は厳しいなあ。
日記17. 見て!見て!
最近なっちは何をするにもすぐ『見て!見て!』と言う。 先日のブルカップ前日の夜も、うまくビーズで指輪が作れる所をパパに見せたいらしく、わざわざ僕の傍に寄り、『見て!見て!』を連発しながらビーズ遊びを始めた。
「すごい!指輪作れるんだ。じゃあ、パパの指輪作ってよ。」 レースの準備に忙がしい僕は、最初だけすごく興味があるように見てやり、後はいかにも見ているような話を続けながら、レース用ゼッケンを切り始めた。しばらくすると、 『パパ見てない!こっち向いてなきゃもう指輪作ってあげないよ!』 そう言うなっちは、ビーズ遊びと同じくらいの意識を注ぎ僕の顔の動きをチェックしはじめた。 はやく準備を済ませたい僕は、顔をなっちの方に向け、「ふーん、そうやって作るんだ。」等とそれらしいことを言いながら、視線だけを手元に落とし再びゼッケンを切り始めた。 しばらくすると 『パパ!お目々がこっち向いてないよ!』 と言うなっち。はやく1人でも遊べるようになるといいのになぁ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
翌日のブルカップ、ショートトラックレースでのできごと。 この入門者レースは、メインレースの準備時間に行われるおまけ的レースのため、観客はほとんどいない。 「まあ、下手な走りを他人に見られなくて丁度いいや。」 そう思いレースに挑んでいると、コース脇に僕の走りを見る監督夫婦の姿をみつけた。 『まっちがんばれ!』
「、、、(嬉)。」
やっぱり誰かが自分を見ててくれるっていうのは嬉しいものだと実感した。
自分の子供の成長も、もっとよく見ててあげようと思った。
日記16. レースの朝
待に待ったブルカップの朝、早く目覚めてしまい、どう頑張ってももう眠れそうもない。 今日はふたつのレースに出るので、どこかでしっかり朝食を食べてから会場入りしようと決め、早目に家を出た。 「やはりパワーをつけるには肉を食うに限る。この時間にやっている店というと、、、朝食は牛丼にしよう。」 普段は近所の松屋を利用するのだが、今日は時間もあるのでちょっと気分を替えてすき屋まで行った。 入口近くのカウンターに座り、今日のレースについて考えながら豪勢に朝食をとる。 「ごちそうさまでした!」 食事を終え、店を出て車のシートに座る。店内をチラッと見ると店員が何だか騒がしい。 気持ち良く挨拶をしたのが好印象だったのかな?なんて考えてみたが、どうもそんな感じではない。 「???」
「やばっ!お金払い忘れた!」
慌てて店内に戻り代金を払う。 (松屋の食前払いに慣れ、つい代金は払ってると思い込んでしまった!すき屋は食後払いだったのね。) 「もう少しで食い逃げで警察に突き出されるとこでしたぁ!」
その後、多大井松田まで車を飛ばし早目に会場入りする。オリトファミリーがすでに来ていたので隣に車を停める。 「あれ、深夜2時頃掲示板に書き込みしてた埼玉のオリトさんが、なんでこんな時間にここにいるの?」 「いやー、寝付けなくてさぁ、夜中モトクロスのトップライダーのビデオ見てたら変なイメージがついちゃったよ。」 2人とも遠足前夜の寝付けない子供みたいです(笑)。
日記15. 無駄使い?
まっちとゆっちの休前日の会話。 「明日二輪塾行くんだよねえ。」 『えっ、多摩センターのハロウィンのお祭り行くつもりでもう準備しちゃった。』 「準備?お祭りに準備なんてないでしょ。やっぱ二輪塾だね。」 『えー、だってこれ買っちゃったんだもん。』
(スイッチONでかぼちゃが点滅)
しかも2つ!<
「また無駄使いしてぇ(笑)。」
「分かりました、明日はハロウィンのお祭り行きましょう!」
祭り当日、かぼちゃのボンボンにマント、帽子、手作りかぼちゃ風船で仮装したなっちとそうちゃんを連れて会場に向かう。仮装してきた子供は街に散らばる指定店舗でお菓子をもらえるらしく、町中は思考を凝らした仮装の子供達であふていた。目立ち過ぎるのでは?という心配は全くの無用だった。
たくさんのお菓子をもらったなっちも、全身黒服で、頭にボンボンをつけて走り回る 新種の昆虫のようなそうちゃんも満足そうだった。 そんな子供達を見ている僕らも幸せな気分になった。
ボンボンの代金200円×2=400円 無駄使いと言えば無駄使いかもしれないが、この金額でハロウィンを満喫し豊かな気分を味わえた。
「来年はもう少し無駄使いして本格的に仮装させちゃおうかな?」
日記14. リカちゃん
先日福島県小野町にある、リカちゃん人形の博物館『リカちゃんキャッスル』へ行ってきた。 ここへは、阿武隈洞(鍾乳洞)観光のついでに寄っただけで、全く期待していなかったが、 2階建てのお城の形をした建物の1階部分が(株)タカラのリカちゃん生産ラインになっていて、流れ作業でリカちゃんが 作られていく様子が見れ予想外に楽しめた。(リカちゃんの首から上がたくさん並んでいたりする 光景をまだ夢見がちな子供達に見せるのが果たして本当に良い事なのかは親により意見が分かれる 所だと思う思うが、、、。)
リカちゃん世代のゆっちは、歴代リカちゃん等の数々の展示をそうちゃんと一緒にじっくりと 見るので見学スピードが遅い。 そのため、展示を見終えてしまったまっちとなっちは出口付近の売店で時間をつぶす事になった。 隅のベンチに腰掛けていると、店内の物色を済ませたなっちが戻ってきた。
『パパ!裸のリカちゃんに好きなお洋服を着せて買うやつがあるよ。』 「新しいリカちゃん買って帰ったらうちのリカちゃんが悲しむから買わないよ。」 うまくなっちの攻撃をかわすと、今度は目ざとくリカちゃんのドレスのガチャガチャを見つけてこう言ってきた。 『うちのリカちゃんにあのガチャガチャのきれいなドレス着せてあげたい。』 まあ、せっかく遠くまで来た記念にドレス1着位なら買ってもいいかと思いお金を渡すと、 一直線にガチャガチャに飛んでいった。 「あれ?喜んで戻ってくるはずのなっちが戻ってこないぞ?」 ガチャガチャのカプセルを手に、フラフラしていたなっちは、 丁度展示エリアから戻ってきたゆっちの方に行き、はずかしそうに手に持ったカプセルを差し出した。 「あらー、かわいいじゃないのぉ。」 ゆっちの声が少し笑いで震えているのに気付きドレスを見に行った。
「なっ、なんじゃこりゃぁ!」
そのドレスは戦時中の婦人が着ていたモンペのようなダサダサの服だった。
(これ↓)
僕がリカちゃんなら、絶対こんな服は着たくない。
くじ引きや、福引き、ダーツやジャンケン大会等をなっちに任すと、 ことごとく奇妙な物を引いてくる。どうしていつもこうなるんだろう。 込み上げる笑いを押し殺しながら、なっちを見ると、今にも泣き出しそうな表情をしている。
「うん、これかわいいじゃん。多分これはリカちゃんの寝巻じゃないかな。 リカちゃんとお風呂入った後にこの服着せれば一緒に寝られるね。」
なっちの顔に少し笑顔が戻った。 なっちは最近毎日のようにこの服を着せたリカちゃんと一緒に寝ている。
日記13. タッチ
夜、会社から帰ってくるとめずらしくなっちが起きていた。 「なっち、まだ起きてたの?」 と声をかけると、 『なっちじゃなくて、ミナミって呼んで!』 という応えが返ってきた。 どうやらこの応えは、夏休みに毎日タッチを見ていたのが原因のようだ。
タッチというのはまっちが子供の頃一世を風靡した野球アニメで、そのヒロインの名前が(なっちがなり切っている)ミナミだ。 かつて自分も夏休みにこのアニメを見ていた覚えがあり、子供が同じアニメを見ているのに 嬉しさのようなもの?を感じ、なっちの話に積極的に付き合ってみた。
まっち:「ねえ、ミナミちゃん。そうちゃんはなんて呼べばいいの?」 なっち:『そうちゃんは、タッちゃんって呼んでね。』 まっち:「ふーん、そうちゃんはなっちの恋人役なんだ。じゃあパパは誰?」 なっち:『パパはカッちゃん。』 まっち:「じゃあママは?」 なっち:うーん、えーと、、、、『ママは原田ァ!』 まっち:(爆笑!)
原田というのは、ボクシング部の身長2mはある、味わい深い大男キャラだ。 原田と言われたのが不満なママがなっちに苦情を言い、 二人ともミナミちゃんという事で話がまとまった。
日記12. ガチャガチャ
会社帰りに寄った薬局で、偶然にもなっちの大好きなプリキュア(少女向けアニメ) のキャラクターのガチャガチャをみつけた。 なっちの好きな「キュアホワイト」のマスコットを持って帰ったら喜ぶだろうなあ。 そう考えていたら自然と財布の紐が緩み、200円を入れガチャガチャのハンドルを回した。 出てきたのは、雑魚キャラの「メップル」だった。残念! 小銭入れにはあと100円玉が2枚、もう1回できるとお金に手を伸ばした所で、ゆっちにおもちゃを買いすぎるなと言ったのを思い出した。 マクドナルドのハッピーセットを度々買って来るゆっちに、子供におもちゃを与え過ぎると物を大切にする心や、工夫する力が育たないと 熱く語ったばっかりだった。 『これでは自分もゆっちと同じではないか。いや、子供が望んでもいないのに、 おもちゃを買い与える自分はそれ以下かもしれない。』 すでに買ってしまったメップルはなっちにはすぐに渡さず何かの時のプレゼントに取っておこうと決めた。
帰に着き、ドアを開けると、いつも寝ているはずのなっちの声が聞こえた。 『パパだ。パパ帰ってきた!』 部屋に入ると嬉しそうに飛びついて来るなっち。 まっちは自慢気に鞄の中からメップルを取り出した 『ジャーン』 『メップルだぁ今日なっちはパパとメップルと一緒に寝るぅ。』 メップルを握りしめながら寝るなっちを見ながら、 どこまでも意思の弱い自分に悲しくなるまっちであった。
日記11. スプリットファイヤー
最近、会社の諸事情により外回りの仕事をしている。 昔よく一緒に林道に行ったバイク仲間のKさんと長距離移動する機会があり、車内で久々にバイク談議を楽しんだ。 子育てとは関係ないが、このKさんとのバイク用品店での会話を思い出したので書いてみます。
Kさん :おっ、スプリットファイヤー売ってるじゃん。 まっち :スプリットファイヤーって? Kさん :お前スプリットファイヤー知らないの!電極の先端が2つに分かれていて その2カ所に火花が飛ぶプラグの事だよ。 これつけるとこれエンジンのツキが凄く良くなるんだ。 加速の伸びも良くなるから使ってみな。 別物って程じゃないけど全然変わるから付けてみるといいよ。 まっち :そんなすげえんだ。じゃあこれ買おうっと。
数日後
Kさん :よお、こないだのスプリットファイヤーどうだった? まっち :うーん、あんまり変わった気はしないなあ。 Kさん :そっかー、やっぱだめだったかあ。 まっち :(やっぱ???) ところでKさんスプリットファイヤー使った事あるの? Kさん :いや、ねえよ。
バイク乗りの会話ってこんなのが多いですよね(笑)。
日記10. お葬式
なっちが3才の時、曾ばあちゃんが亡くなった。 なっちと曾ばあちゃんの最後の対面の時の会話である。
なっち :曾ばあちゃん何で動かないの? まっち :死んじゃったんだよ。 なっち :何で死んじゃったの? まっち :人間は年を取るとみんな死んじゃうんだよ。 近くの人:そうよパパもママもなっちだっていつかは死んじゃうんだから。 なっち :あっちの曾ばあちゃんは死なないの? まっち :そんな事大きな声で言うもんじゃありません。 あっちの曾ばあちゃんはまだまだ長生きするんだよ。 なっち :ふーん。じゃああっちの曾ばあちゃんは人間じゃないんだね。
一同笑いをこらえる。
曾祖母は数え年90才という大往生であったため、あまり湿っぽくない葬儀であった。 曾ばあちゃん、こんななっちの事を天国で見守っていてくださいね。 もう一人の曾ばあちゃんはいつまでもお元気で。
日記9. 醤油切れ
昨晩の夕食のおかずは餃子だった。 ゆっち:「ヤバッ!醤油買って来るの忘れた。」 なっち:(ママを真似たような口調で)『しょうがないわねぇ。じゃあなっちシソジュースで食べるわ。』 そう言いながらさっきまで飲んでいた(祖父母からもらった)シソジュースに餃子をジャブジャブと浸してうまそうに食べるなっちはもしかしたら大物になるかもしれない。
日記8. 結婚式
先日、なっちと2人で監督(バンザイダートリーダー)の結婚式を祝いに軽井沢に行ってきた。 初めてのなっちと2人での長距離ドライブだったが、帰りの車内で当然のように結婚についての話になった。
『お嫁さんかわいかったね。でもどうして監督泣いちゃったの?誰かにいじめられたの?』 (中略) 「なっちも大きくなったら結婚するんだよ。」 『うん。なっちはマユちゃんと結婚する。』 「なっちは女の子だから、男の子じゃないと結婚できないんだよ。マー君なんてやさしくていいんじゃない?」 『マー君は多分リナちゃんと結婚するからなっちじゃダメだと思う。』 「ふーん。幼稚園児も色々大変なんだね。でも結婚する人って、結構身近にいるもんだよ。」 『うーん誰かなあ。タクミ君かなあ?』 「もっと近くにいるんじゃないの?」 『あっ!パパだ。なっちパパと結婚する!』 「(いいぞ!なっちはやっぱりいい子だ。)」 『でもパパ怒るからやっぱそうちゃんにする。』 『(ガクッ!パパははそうちゃんに負けるのかぁ。まあ、弟と仲が良いのはいい事だし、 そうちゃんになら嫁に出してもいいか。)』
日記7. NPO法人子供二輪塾(2)
NPO法人子供二輪塾のスクールは体験クラスから4段階までの、5つのレベルで講習が行われている。 運転免許の講習のように指導員の見きわめ印をもらえたら上のクラスに進め、4段階の見きわめ印をもらうと卒業となる。 この、じっくり少しづつバイクの乗り方を学べる子供二輪塾のスクールは、極基礎からのスクールを受けたがっていたゆっちに丁度良さそうだ。しかし大人のゆっちがこのスクールを受けられるのだろうか? スクール受講条件(今度は上限)を調べると「基本的に小学生まで」という記述があった。 ゆっちは実際の年齢よりは若く見えるが、さすがに小学生に化けると無理が生じておかしな事になりそうだ。残念! でも、ちょっと待て、この「基本的に」の表現がついているという事は、やり方次第ではどうにかなるかもしれない。まっちは我家のモトクロスへの取り組み状況とぜひ受講したいという希望を二輪塾の 担当者にメールし熱意をぶつけてみた。 翌日担当者から返事が届いた。そこには「ゆっちさんのような人のためにコースを作ったのでぜひ御利用ください。」 と書いてあった。
(先週末、早速スクールを受講してきました(ゆっち)。どうやら子供二輪塾初の大人の受講者のようでした。 (今度奮闘記に詳しく書きます。))
日記6. NPO法人子供二輪塾(1)
全日本モトクロス元V9チャンプ、東福寺保雄さんが埼玉県川越市に専用コースを構え活動している 『NPO法人子供二輪塾』の記事をダースポ4月号で読んだ。 この組織では子供向けバイクスクールを常設し、モータースポーツの普及、振興とともに、子供の健全な育成や家族のコミュニケーションツールとしてバイクが利用できる事を広くアピールし、世間一般のバイクに対する負のイメージを少しでも払拭しようと活動しているそうだ。 特記すべきは、昨年7月よりNPO法人化し、社会的な公益事業として非営利(Non-Profit)で活動している点だ。
素晴らしいぜ!東福寺さん!!
より多くの人にバイクの楽しさを体験してもらう為、利用料金は安く設定されている。 キッズスクール料金は、バイク、装備一式のレンタル代と、ガソリン代込で平日1050円。 バイク持ち込みフリー走行料金(コース使用料)は、1時間515円。 ファミリーが無理なく払える金額側から算出されたであろうこの良心的な料金設定も魅力だ。
すばらしい思想。理想的な料金。なっちの初めてのバイクの練習にここを使わない手はないと思い、詳細をネットで調べていたら、 スクール受講条件として下の3点が記されていた。
1.バイクが好きな子。 2.順番が守れる子。 3.バイクをまたいで両足が地面に着く子。
問題は3番だ。なっちは4才になったが両親に似て背が低い。 3才での受講者もいるそうだが、果たしてQR50をまたいだなっちの両足は地面に届くのだろうか。 受講条件をゆっちに見せて相談したところ、返ってきた反応がこれだ。
『あっ、だめだめ、この子順番守れないから。』
ゲゲゲッ!そっちもダメかぁ! なっちは横入りの名人らしい(涙)。ちゃんとしつけなきゃ。 (後日、なっちをQR50にまたがせてみたら、片足のつま先すら地面に届かなかった。 なっちのスクール受講はまだまだ先になりそうだ。)
日記5. 我慢力
このところ、週末毎に天候が崩れたり気温が上がらなかったりで、なかなかKLXに乗れない。 家にいてもしょうがないので、近所の健康ランドに行ってきた。 受付を済ませ、そうちゃん、ゆっち組は女風呂、なっち、まっち組は男風呂へと入った。 予想通り先に上がったなっち、まっち組は、そうちゃん、ゆっち組を待ち合わせ場所の休憩室で待つ事にした。 休憩室の畳に腰を下ろし横のなっちに目をやると、なっちの視線は目の前のアイスの自動販売機に釘付けとなっていた。 『パパ、あんな所にアイスの自動販売機があるよ。』 欲しい物をわりと簡単に手に入れ続けるなっちには(将来我慢強く切れにくい人間になってほしいので)、欲しくても 手に入らない経験をたくさんさせておくべきだと思ったので、まっちはこう答えた。 「もうすぐ夕食だから今日は買わないよ。夕飯いっぱい食べないと大きくなれないでしょ。」 べそをかき、アイスを欲しがるなっちであったが、まっちの根気強い説明に何とか納得したようだ。 しかしどうしても頭からアイスが離れないらしく、別の話をしてもすぐアイスの話に戻ってしまう。 「ママとそうちゃん遅いねぇ。」 『きっとお風呂入る前にアイス食べてたんだよ。』 「それは絶対違うと思うよ。ところでなっちはカタカナ全部覚えた?」 『あそこに書いてあるアイスの文字は読めるよ。パパはあの中でどのアイスが食べたい?』 「夕食がまずくなるからどれも食べたくない。なっちも我慢してね。」 『昨日ママとスイミング行った時もみんなアイス買ってもらってたけどなっちは我慢したよ。』 「今日も我慢しようね。」 『パパとお風呂に入った時ぐらいアイス食べたい、、、。』 こんなやり取りがしばらく続き、 『今日は特別だからね。』 まっちはとうとうアイスを買い与えてしまった。
うれしそうにアイスを食べるなっちを見ていたら、 自分が小さな頃、外で嗜好品はほとんど買ってくれなかった自分の両親を思い出した。 幼い自分は、家が貧乏だから買ってくれないと考え疑わなかったが、 本当は、僕に我慢力を付けたいという親の強い意思があっての事だった気がしてきた。
そう考えているうちに、子供に負けて簡単にアイスを買ってしまった自分は(自分の親が自分を育てた時よりも)、 子供を1人前に育てようという親としての自覚が足りないように思えてきた。
何を隠そう我慢力が足りないのは、なっちの説得に堪えられずにアイスを買ってしまったまっち自身であった。
日記4. 激突
母校工業デザイン学科の卒業展示を見に行ってきた。 電車を乗り継ぎ、会場最寄りの五反田駅に到着。 まっちだけ乗り越し乗車をしていたので、家族3人を改札の前に残し精算機の列に並んだ。 順番が回り精算機にお金を入れていると遠くから聞き慣れた声が聞こえた。 『パパ−、パパ、パパパパパパ〜』 振り向くと、なっちが見失ったまっちを見付けてこちらに一直線に駈けて来る。 精算切符が出るのを待ちつつも横目でなっちを気にかけていると 弾丸のようななっちはまっちの横を通り抜け、哀れにもそのまま奥の壁に激突した。 仰向けにひっくり返り大泣きするなっち。 目の上にあざを作っただけで済んだのは不幸中の幸いだった。
帰り道、激突現場を通る時になっちに聞いてみた。 『なんでさっきあそこの壁にぶつかっちゃったの?』 なっちははずかしそうに答えた。 『パパの所に行くつもりだったんだけど、止まれなくなっちゃったの。』
なっち用モトクロスバイクの購入を先延ばしにして正解だったと再確認するまっちであった。
日記3. シンデレラ城ミステリーツアー「正義の剣」争奪戦
なっちの4才の誕生日の記念に東京ディズニーランドに行ってきた。 まっちとゆっちには、シンデレラ城ミステリーツアーでなっちに悪党のボスを倒す役をやらせ、 記念にもらえるメダルを誕生日のプレゼントにしたいという野望があった。
ディズニーランドに詳しくない人のためにシンデレラ城ミステリーツアーについて説明しよう。 このアトラクションは、秘かに復讐を企むディズニー映画の悪党達が潜むシンデレラ城内を約40人のグループ毎に探検し、 グループから選ばれた代表者1人が最後に現れる悪党のボスを『正義の剣』で倒して城の平和を取り戻すという内容だ。 正義の剣を持てる代表者は立候補者からガイドのお姉さんが決めるのだが毎回かなりの倍率となる。 まっちもゆっちも毎回立候補するが(子供が優先のようで)選ばれた事は無い。
この親が果たせなかった夢を果たすべく、なっちには事前に特訓しておいた。 お姉さんが『悪党を倒してくれる人いますか?』って言ったら大きな声で、『ハイ!』って手を上げるんだよ。 お姉さんに選んでもらえたらプレゼントもらえるからがんばりなよ。 プレゼントの一言で、なっちのスイッチが入った。 なっちはミステリーツアーの行列に並びながら『ハイッ』『ハイッ』と何度も手を上げる練習をして、 周りの苦笑を買いながらも闘志をむき出しにした。
いよいよミステリーツアーの出発だ。できるだけ他の子供と重ならないように列に並んだため、 このグループでなっちのライバルとなりそうな子供は5人程だ。 なっちの存在をアピールするためにガイドのお姉さんの近くに陣取り城内を回る。 頭の先から足の先までディズニーキャラクターグッズで身を包んだなっちは、アピール度ではライバル達に圧勝しているようだ。 悪党におびえ、泣き出し脱落していくライバル達をよそに、なっちの足取りは快調だ。 そして最後の悪党のアジトにたどり着きついにその時は来た。
『この中であの悪党を倒せる勇気のある人はいませんか?』
ガイドのお姉さんが言い終わるか終わらないうちに大人も子供も一斉に手を挙げる。 まっちはなっちに合図を送るが、なっちは手を上げない。どうやら悪党のボスが怖いらしい、 「なっち手を上げて」 「怖い、怖い」 ダメだ、これまでか! そう思った瞬間、『誰よりも大きな子供(のような)声が響いた。 『ハーイ』 ゆっちである。ゆっちがなっちの声をまね(?)て、なっちの背後で、大声をあげた。 『じゃあそこのピンクの女の子』 めでたくなっちがみんなの代表に選ばれた。 なっちは魔法の剣を掴み、剣の先から出るレーザービームで悪党のボスをやっつけた。
帰宅後記念のメダルを眺めながらなっちに意地の悪い質問をしてみた。 『このメダルママのじゃないの?』 『半分はママので半分はなっちのだよ。』 そう答えるなっちの顔は嬉しそうだった。
日記2. まっちの耳痛(耳鼻科シリーズ第2段)
先週末の3連休は、初日になっちの大好きなアニメ「プリキュア」のショー を見てからゆっちの好きな台場小香港へ行き家族サービス。 2日目は掃除、買物等の家事を精力的にこなし、 最終日にバイクに乗ってもいいという約束を勝ち取った。 バイクに乗るのが待ち切れず、2日目は子供達と一緒の時間に布団に入り早めに就寝。
夜中まっちは耳の痛みで目が覚めた。 『やばいかも、、、。』 そう思っているうちに痛みはさらに増し、眠気はすっかり吹き飛んだ。 この痛みでは明日のバイクはあきらめるしかなさそうだ。 子供達の風邪も完治し、天気予報も快晴、やっとバイクに乗れると思ったのに 自分が原因でバイクに乗れなくなるとは、、、。
空が明るくなる頃には情況はさらに悪化し、もうバイクどころの話ではなくなった。 痛み、幻聴が強まる一方で、聴覚が無くなっていく。 電話、インターネットで、日曜に診察してくれる耳鼻科を探し駆け込んだ。 耳が聞こえなくなるかもという不安の中、待合室で診察の順番を待つ。 ようやく名前を呼ばれ診察室に入る。
15分後、 意外にも軽い足取りで耳鼻科を去る事となった。
痛みの原因は、生きた虫(固い甲羅を持った小さな昆虫)だった。 どうやら前日に干した布団に付いてきた虫が、夜中に耳の中に侵入したようだ。 耳鼻科の先生は、鼓膜にしがみつくその虫を、お湯を耳に流し込む等でうまく取り出してくれた。 耳の痛みから解放され、耳鼻科の先生が神様に見えた。
以前、なっちが鼻の穴にビーズを入れてしまい、 耳鼻科の先生に取り出してもらった事があった。(日記1に記載) 目にいっぱい涙を溜めて 「もう絶対ビーズ入れない」とつぶやいたなっちにも きっと こんな風に耳鼻科の先生が見えたのだろう。
日記1. はじめての嘘
そうちゃんが生まれて数カ月後のある日、なっちが鼻が痛いと言い出した。 なっちは以前に自分の鼻の穴にビーズを入れ、取り出せなくなり耳鼻科で 出してもらった事があるので一応聞いてみた。 「まさかまた鼻の中にビーズなんて入れてないよねえ。」 なっちは気まずそうに答えた。 「ビーズ入れちゃった。」 「まったくあれほど入れるなって言ったのに!」 まあ叱るよりビーズを出してあげる方が先決だ。 なっちの小さな鼻の穴を拡げて懐中電灯で照らしてみるがビーズは見あたらない。 どうやら今回も奥まで入ってしまったようなので、閉店間際の耳鼻科へ駆け込んだ。
ところがである、 耳鼻科の先生にいくら探してもらってもビーズは見つからなかった。 診察の後、どうして嘘をついたのかを聞くとなっちはこう答えた。 「パパもママもそうちゃんばっかりなんだもん。」
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