■自転車整備
今回のレースは最寄り駅までの通勤の足として使っている「なんちゃってマウンテンバイク」で出るつもりでいたが、フリーマーケットで4000円で買ったこの自転車はかなり老朽化が進んでいる。この状態で2時間走り切るのはまず不可能だと重い腰を上げメンテに着手。整備の主なポイントは次の3点。
1. チェーンとの摩擦で2つに割れてしまったフロントディレーラーのチェーンガイドを針金で繋いで修復。数年ぶりにギアチェンジが可能になった。
2. 錆びて切れ掛かっているブレーキワイヤーとシフトワイヤーを新品に交換。
3. 調整不能に陥っていた前後Vブレーキの錆び付いた調整ネジを交換。数年間引き擦りっ放しだったブレーキが正常動作を取り戻した。
修理費用は1000円以下とオートバイより1桁安い印象。これで2時間走り切れるかな???
続いてそうちゃんとなっちの自転車も整備。そうちゃんの自転車はまっち同様ボロボロだが数分のレースなのでこれでもなんとかなるだろう。なっちのなんちゃってマウンテンバイクに貼ってある「この自転車は未舗装路の走行はしないでください」というシールは見なかったことしよう(笑)。
3. レース当日
前日から雨が降り続くBADコンディションの中、体調を崩したゆっち(妻)を家に残してなっちとそうちゃんと3人でTBS緑山スタジオに向けて出発。10分ちょっとで特設コース脇の駐車場に到着。会場が近いってホントにいいもんだ。
車を降りると路面はヌカヌカで受付までの数十mを歩いただけで子供達の靴やズボンは泥まみれ。そんな中、まずは他のマシンや参加者、コースの荒れ具合やトイレを確認しながら300人以上の参加者がいる会場を1周。
『なんだかみんな本格的だそ、、、。』
自転車ブームの影響でピクニック気分で参加する(僕らのような)サンデーライダーが大勢いるだろうという甘い予想は大外れ。ブームなのは手軽に始められるロードバイクの世界だけで、マウンテンバイクの世界は事情が違うようだ。
車に戻り装備を済ませてボルボと作戦を練っていると、そうちゃんがエントリーした未就学児レースの召集がかかる。この300mのレースは親の伴走が要るためそうちゃんと一緒にスタート地点に並ぶ。3歳児、4歳児レースの後、いつになく緊張した様子のそうちゃんがスタート。
なっちの声援を浴びるそうちゃんの後を追いかけていると(自分の子供しか目に入らない)他の伴走者に引っ掛けられたそうちゃんが転倒。泥にはまって脱げた靴を履き直すうちに集団から遅れてしまい、その後は単独走行。ヌカヌカの泥の中を12インチの小さなタイヤでなんとか走り切り拍手の中をゴールイン。
次はなっちの番だ。1300mのコースで争う3年生のレースは、路面不良のため4年生との合同開催でレーススタート。集団クラッシュをうまく避け、いい感じに林間コースへと入っていくが、この先の上り坂に太刀打ちできずにほとんどを自転車を押して歩くうちに1つ、2つと順位を落とし、坂を上り切った時には最下位。しかしながら、フロントシングルギアの明らかに非力で重いマシンで最後まで前走者を抜かそうと、いつにない闘志を見せてくれる姿に胸が熱くなった。
2人の初レースはほろ苦い結果で終わったが、2人共いい表情で「また走りたい」と言ってくれた。普段競争体験をほとんど味わえない子供達に今日のガチンコ勝負はいい経験となったことだろう。
そして、いよいよボルボと2人で挑む2時間耐久レースの召集がかかる。路面不良のため1時間40分に短縮するとの説明の後、ゼッケン順にスタートラインに並ぶ。普段の生活では味わえないスタート前の高揚感を存分に味わいレーススタート。
第1コーナーまでは、なんとか周りのペースで走れたが、その後は抜かれまくり。林間コースへと入り「右抜きます」との声に右を空けると左から来た1台にハンドルを引っ掛けられ転倒。気を取り直して残りを走りピットイン。
『これ2周は無理だ。』
レース前は『前半と後半で半分ずつ走ろうか?』なんて話していたが、とても長時間走れるような感じではなく1周ずつ交代しようと言葉を交わしてボルボとライダー交代。
その後、乗れて来たと油断した5周目にツルツルの木の根に不注意に入り、またもや転倒(ボルボも転倒したようだが、溝のほとんど無いタイヤでのマディー走行は厳しいものがあった)。その後は気持ちが折れておっかなびっくり走行。走り方のコツはだんだん掴めてきたものの、体力も気力も残り少なくなりペースが上げられず、「オートバイレースの爽快感や充実感」とは違う「マラソンのような苦しさ」ばかりを感じつつ、2人で15周を走りチェッカー。ゴールしてまず感じたのはやっと終わったという開放感。
(晴れていればもっと楽しく走れたのかもしれないが、)この悪コンディションのレースは体力も経験も少ない自分には正直キツかった。
(今の自分にとって)自転車とは『順位を競い合う乗り物』ではなく、『のんびり楽しく走る乗り物』だと感じるレースであった。来年、リベンジしたいような、したくないような、、、。
【To be continued.】