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7. マウンテンバイクレース編  

マウンテンバイクが特に好きな訳ではないが、、、


MTB FESTIVAL緑山シティー参戦 (09年10月25日)

1. 申し込み
 職場の定期購読雑誌(日経ダイヤモンド9月26日号)の特集「今自転車が熱い!」を何気なく読んでいると、09年10月25日開催予定のTBS緑山スタジオ敷地内で行われるMTB FESTIVALの案内が掲載されていた。MTB(マウンテンバイク)が特に好きな訳ではないが、会場が自宅のすぐ近くなのでやってみようと地元の友人を誘うと、高3同級生ボルボが即答でOKしてくれ2人で2時間耐久MTBレースに出る運びとなった。

このMTB FESTIVALは子供向けレースも行われるようで、なっち、そうちゃんに参加の意思を尋ねると2人ともやってみるとのことで、ついでにこちらもエントリー。さて、どんな1日になるのやら、、、。

2. 準備
 かつて(約20年前に)、自転車好きの友人に誘われ、千葉マリンスタジアムスーパークロスコース・大泉清里スキー場のMTBレースに出たことがあるが、その時は全て友人任せの手ぶらでの参加であった。今回が自分の自転車を持ち込んでの初レースとなるため、装備と自転車の準備を開始。

■ヘルメット購入
 コースを走るにはヘルメットが必要だ。『風を感じて気楽に走れるのが自転車の魅力』と考えるため、いかにも大袈裟で、頭がキノコのようなシルエットになる自転車用ヘルメットをどうしても被る気になれず、『この被り物を被ったら負けでしょ』と、まるで就職を嫌がる若者のような頑なさで避けてきたが、子供の手本となるべきもうすぐ四十路の大人がこれではまずいと購入意思を固め、近所の自転車ショップへ。

日本人の頭に最もフィットするというOGKのモデルに的を絞りいくつかを試着。グレードが上がると確かに軽く被り心地が良くなるが、値段は2倍、3倍と激増。年に数回使うだけなので最安モデルで充分だと「エントラ」に決めるが、昨今の自転車ブームで欲しいカラーリングの在庫がない(地味な色が好みだが視認性を考えると白が良さそうなので、銀と白のツートンカラーに決めた)。レースまで時間が無く帰宅後ネットで調べると、「リガス」というエントラの上位モデル(バイザーの着脱が可能なオフ&オン兼用モデル)がショップ店頭で見たエントラとほぼ同じ価格(7738円)、しかも全色翌日発送OKということでポチッと購入。便利な世の中になったもんだ。

リガス バイザー無 リガス バイザー付 なっちもリガス

レースまでにヘルメットに慣れようと、家族に白い目で見られつつ1週間家でヘルメットを被り続けた感想としては、装着感がほとんどなくまあ満足。しかし、何かの拍子に窓や鏡にキノコな自分が映ると、なんとも言えない嫌な感じ(笑)。
サイズ調整機能が優れており子供も使用可能。なっちは自分用の安物ヘルメットよりこちらの方が軽くて被り心地が良いと気に入ったようだ。


■自転車整備
 今回のレースは最寄り駅までの通勤の足として使っている「なんちゃってマウンテンバイク」で出るつもりでいたが、フリーマーケットで4000円で買ったこの自転車はかなり老朽化が進んでいる。この状態で2時間走り切るのはまず不可能だと重い腰を上げメンテに着手。整備の主なポイントは次の3点。

1. チェーンとの摩擦で2つに割れてしまったフロントディレーラーのチェーンガイドを針金で繋いで修復。数年ぶりにギアチェンジが可能になった。

2. 錆びて切れ掛かっているブレーキワイヤーとシフトワイヤーを新品に交換。

3. 調整不能に陥っていた前後Vブレーキの錆び付いた調整ネジを交換。数年間引き擦りっ放しだったブレーキが正常動作を取り戻した。

修理費用は1000円以下とオートバイより1桁安い印象。これで2時間走り切れるかな???

ディレーラー修復 ディレーラー修復拡大

続いてそうちゃんとなっちの自転車も整備。そうちゃんの自転車はまっち同様ボロボロだが数分のレースなのでこれでもなんとかなるだろう。なっちのなんちゃってマウンテンバイクに貼ってある「この自転車は未舗装路の走行はしないでください」というシールは見なかったことしよう(笑)。


3. レース当日 NEW
 前日から雨が降り続くBADコンディションの中、体調を崩したゆっち(妻)を家に残してなっちとそうちゃんと3人でTBS緑山スタジオに向けて出発。10分ちょっとで特設コース脇の駐車場に到着。会場が近いってホントにいいもんだ。

車を降りると路面はヌカヌカで受付までの数十mを歩いただけで子供達の靴やズボンは泥まみれ。そんな中、まずは他のマシンや参加者、コースの荒れ具合やトイレを確認しながら300人以上の参加者がいる会場を1周。

『なんだかみんな本格的だそ、、、。』

自転車ブームの影響でピクニック気分で参加する(僕らのような)サンデーライダーが大勢いるだろうという甘い予想は大外れ。ブームなのは手軽に始められるロードバイクの世界だけで、マウンテンバイクの世界は事情が違うようだ。

車に戻り装備を済ませてボルボと作戦を練っていると、そうちゃんがエントリーした未就学児レースの召集がかかる。この300mのレースは親の伴走が要るためそうちゃんと一緒にスタート地点に並ぶ。3歳児、4歳児レースの後、いつになく緊張した様子のそうちゃんがスタート。
なっちの声援を浴びるそうちゃんの後を追いかけていると(自分の子供しか目に入らない)他の伴走者に引っ掛けられたそうちゃんが転倒。泥にはまって脱げた靴を履き直すうちに集団から遅れてしまい、その後は単独走行。ヌカヌカの泥の中を12インチの小さなタイヤでなんとか走り切り拍手の中をゴールイン。

受付 準備完了 そうちゃんスタート

次はなっちの番だ。1300mのコースで争う3年生のレースは、路面不良のため4年生との合同開催でレーススタート。集団クラッシュをうまく避け、いい感じに林間コースへと入っていくが、この先の上り坂に太刀打ちできずにほとんどを自転車を押して歩くうちに1つ、2つと順位を落とし、坂を上り切った時には最下位。しかしながら、フロントシングルギアの明らかに非力で重いマシンで最後まで前走者を抜かそうと、いつにない闘志を見せてくれる姿に胸が熱くなった。

2人の初レースはほろ苦い結果で終わったが、2人共いい表情で「また走りたい」と言ってくれた。普段競争体験をほとんど味わえない子供達に今日のガチンコ勝負はいい経験となったことだろう。

なっちスタート まっちスタート まっちレース中


 そして、いよいよボルボと2人で挑む2時間耐久レースの召集がかかる。路面不良のため1時間40分に短縮するとの説明の後、ゼッケン順にスタートラインに並ぶ。普段の生活では味わえないスタート前の高揚感を存分に味わいレーススタート。
第1コーナーまでは、なんとか周りのペースで走れたが、その後は抜かれまくり。林間コースへと入り「右抜きます」との声に右を空けると左から来た1台にハンドルを引っ掛けられ転倒。気を取り直して残りを走りピットイン。

『これ2周は無理だ。』

レース前は『前半と後半で半分ずつ走ろうか?』なんて話していたが、とても長時間走れるような感じではなく1周ずつ交代しようと言葉を交わしてボルボとライダー交代。
その後、乗れて来たと油断した5周目にツルツルの木の根に不注意に入り、またもや転倒(ボルボも転倒したようだが、溝のほとんど無いタイヤでのマディー走行は厳しいものがあった)。その後は気持ちが折れておっかなびっくり走行。走り方のコツはだんだん掴めてきたものの、体力も気力も残り少なくなりペースが上げられず、「オートバイレースの爽快感や充実感」とは違う「マラソンのような苦しさ」ばかりを感じつつ、2人で15周を走りチェッカー。ゴールしてまず感じたのはやっと終わったという開放感。

まっちゴール レース後1 レース後2

(晴れていればもっと楽しく走れたのかもしれないが、)この悪コンディションのレースは体力も経験も少ない自分には正直キツかった。
(今の自分にとって)自転車とは『順位を競い合う乗り物』ではなく、『のんびり楽しく走る乗り物』だと感じるレースであった。来年、リベンジしたいような、したくないような、、、。

【To be continued.】