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■ ファミリーキャンプ奮闘記(第1部: 2004年〜2007年編)


ホームページタイトルが『まっちファミリーモトクロス奮闘記』なのに、バイクに乗るのはまっちばかりで、 いつになったらゆっち、なっち、そうちゃんが乗るのか疑問に思っている方もいる事だろう。
ホームページを作り始めた当初、なっちは3才位からバイクに乗りたがると予想していたが、 いつになっても乗りたがらない。(もう少し大きくなったら乗るとは言うのだが、、、。) 無理矢理乗せるものでもないし、そうちゃんも生まれて、家族でモトクロスができるのは まだしばらく先になりそうだ。そこで、これからしばらくはモトクロスと相性の良いファミリーキャンプに 積極的に取り組もうと思う。



1. 始めてのファミリーキャンプ(2004.7.24〜25)
 なっち3才、そうちゃん0才の04年の夏、なっちと仲良しのリナちゃん、マユちゃんの2組のアウトドア好き ファミリーにキャンプに誘われた。そうちゃんが生後5ヶ月とまだ小さく、キャンプ道具もほとんど持っていないので今年は見送ろうと思ったが、2組の家族が道具を貸してくれると言うし、なっちが行く気になっているので、(まっちファミリーだけ)バンガローに泊まるという事で一緒に行ってきた。

自宅から2時間程の道志にある「神之川オートキャンプ場」で、川遊び、バーベキュー等アウトドアを満喫した。 キャンプ場には温泉もあり、リナちゃん、マユちゃんファミリーが、 数々の優れたキャンプ道具を持ち込んでくれたため、とても快適なキャンプができた。 子供達は勿論、全ての計画を立ててくれたママ達も、キャンプ好きなパパ達も皆が 楽しめたいいキャンプだった。 (新生児のそうちゃんだけはちょっと迷惑そうだったが、きっと心の奥底にキャンプの 思い出が刻まれた事だろう。)
ままごと3人 川遊び3人



2. キャンプに快適さを求めるのはナンセンス?
 両親がキャンプ好きだったため、自分も幼い頃からよくキャンプに連れて行ってもらっていた。 ちゃんとしたキャンプ場に泊まった記憶はあまり無く、一般の河川敷にテントを張って泊まるのが常だった。 当時の3人用三角テントには家族4人で寝れないため、 テントの隣に、ロープやビニールシートで即席の1人用テントを作り、冒険心旺盛の当時のまっちはそこに泊まった。 トイレや水道も無い中で、自作のトイレで用をたし、川の水で手を洗うという普段できない体験をする中で、ナイフやロープを自在に使う父親がかっこ良く見えた。

バイクの免許を取ってからはキャンプツーリングに行く様になったが、これもバイクに積載した最低限の道具で行う 快適とは程遠いキャンプだった。(そもそも貧乏学生にホテルで泊まるという選択肢はなかった。)

このような経験を重ねてきたため、キャンプは最低限の生活での不便さを楽しむものであり、 キャンプに多くの道具を持ち込み快適さを求めるのはナンセンスだと思っていた。 快適さを求めて高額なキャンプ場に泊まる位なら、ホテルに泊まった方がよっぽど良いと思っていた。

しかし今回の3ファミリー合同キャンプで考えが変った。

キャンプは子供達と自宅やホテルでは体験できない自然の中での経験を味わうためのものだと考えられる様になったのだ。 子供が小さいうちは、子供達の戸惑いや、親の手間を軽減するために、風呂等の設備が整ったキャンプ場で、 快適にキャンプをするのもアリだと思える様になった。

そんな訳で思い立ったらすぐ行動。テントを買いに行った。店には色々なテントが並び、 どれがいいのか良く分からないので、とりあえずよく聞くメーカー、コールマンの 前室のついたテントとマットを買い、コールマンのカタログを貰った。 数日前にマユちゃんファミリーがコールマンを揃えているのを見た時は、 キャンプ用品をブランドで揃えるのはちょっと違う気がしてたのだが、気付けば自分もコールマン ブランドを揃え始めていた。



3. 海岸でのキャンプ(2004.8.10〜12)
 盆休み、三重の実家への帰省ついでに紀伊半島に遊びに行った。和歌山県内でホテルを見つけて泊まり、次の日 海水浴でもしようかと考えていたが、 海水浴場に隣接した良さそうなキャンプ場(新鹿キャンプ場)があったので、 一応車に積んでおいた買ったばかりのテントを波打ち際から30歩の砂浜に立てて泊まる事にした。 テント、マット以外のキャンプ用品(食べ物、飲み物、懐中電灯、小型テーブル等)は全て買って済ませ、 その晩は波音を聞きながら眠りについた。 最高の星空と大量の流れ星をなっちに見せたかったが、なっちはすぐに熟睡してしまい目を覚まさなかった。 翌日、4人で目の前の南国風のきれいな海で泳いだ。 数日前にプールデビューを果たしたばかりのそうちゃん(0才)は海につかりながら寝てしまうという大物ぶりを発揮した。 なっちは一生懸命集めた綺麗な貝殻や石を、何を考えたのか土に埋めてしまい回収不能となりべそをかいた。
海テント 海水浴

その晩は、熊野川花火大会に立ち寄ったため実家まで帰れなくなり、道の駅「奥熊野古道ほんぐう」でセレナに車中泊した。 4人での車中泊は初めてだったが、そうちゃんが助手席のチャイルドシートで寝たため、 後部ベットでは、今まで通り3人で快適に眠る事ができた。キャンプ用のマットを、車内に敷いてみたがこれがなかなか快適だった。

今回の旅行は、独身時代の様な無計画旅行だったが、鳥羽水族館→キャンプ→海水浴→ドロ峡高速船→熊野川花火大会→ オフロードランド美杉→上野市忍者村と、充実した印象に残る旅行となった。帰宅後、旅行してきた熊野川周辺が世界遺産に指定されたばかりの注目スポットだったと知った。
トロ峡 セレナ旅館



4. 大雨のキャンプ(2004.9.4〜5)
 前回の合同キャンプが好評だったので、リナちゃん、マユちゃんファミリーと、道志の「花の森キャンプ場」に行った。 前回バンガローだったまっちファミリーは、今回からテントの仲間入りだ。

キャンプ当日、午後から大雨になる予報だったが、家にいてもしょうがないので出発。 テントやタープを張り終えた頃雨が降り出し、夕食中にバケツをひっくり返した様な大雨になった。
大雨は大変だったが、協力する素晴らしさを実感できたのは良かった。 6人の大人で、5人の子守り、雨対策、料理を流動的に分担して協力し合い、大雨ながら、 豪華なうまい夕食(バーベキュウ、焼そば、高級ステーキ(大人のみ))が食べられた。 大雨の中仕事を見付けて強力し合う親達の姿を見て、子供達も何かを感じていた様だった。

雨は翌日まで降り続いた。設営場所が良かったせいか、テントの中では割と快適に過ごせた。 朝食後、雨の合間を見計らい、急いで撤収作業をした。片付けの最中3人の子供達は仲良く遊んでいたが、 子供達に退屈な思いをさせなくて済むのも合同キャンプの利点だろう。 心地よい疲労の中、皆でファミレスで食事をして別れた。ともかく印象に残るキャンプだった。
雨テント 雨3人



5. 起きて半畳、寝て1畳、天下取っても2合半(ツーリングキャンプの醍醐味)

 『起きて半畳、寝て1畳、天下取っても2合半』この言葉は、『人間はどんなに裕福になろうと、畳1畳のスペースと1日1合半の米さえあれば生きていける』という日本独自の禅文化の考えを表した言葉だそうだ。 現在では色々な意味に解釈されているが、物に満ち溢れた現代社会でこの言葉は昔以上に輝きを放っている気がする。

ツーリングキャンプの醍醐味の1つは、バイクに積んだ僅かな荷物だけで数日間を過ごし、今の物に溢れた社会で見えなくなってしまっている感性を呼び起こし、精神的な満足を得る事だと思う。

文頭の『起きて半畳、、、』の言葉を聞いたのをきっかけに、多くの物がないと生活できない事実に軟弱さを感じ、自分の周りにぜい肉のようにへばりついた 多くの物を削ぎ落とした、極シンプルな生活を送ってみたくなり、北海道の道東にキャンプツーリングに行った事がある。

旅のキーワードは『自然回帰』、荷物を北海道ツーリングとは思えない程小さくまとめた。 小さくまとめるのには、山歩き好きの父親から借りた、軽量コンパクトでありながら高性能のキャンプ用品、洋服等が重宝した。 まっちはバイク運転中にウォークマンで音楽を聞くのが好きなので、それまで長距離ツーリングでは、10本以上のカセットテープを鞄に詰めていたが、今回のツーリングでは、120分テープ2本にまとめた (テープの音楽からも歌詞をそぎ落としフュージョンを中心とした)。 旅行当日には床屋に行き、中学生以来のスポーツ刈りにして気持ちを盛り上げた。 (旅のできごとは頭に刻めば良いとカメラを持って行かなかったのは今になって失敗だったと思う。確かにいくつかの景色は頭に焼き付いているのだが、写真が無いために思い出せない事がたくさんある気がする。)

この自然回帰ツーリングで得たものは何だったんだろう。
旅行中はそれほど不自由さは感じなかった。かえって道具を借りたり、買ったりするのが、周りの人とふれ合うきっかけとなり、キャンプをより楽しいものへと導いてくれた気もする。 (ちっぽけな荷物でキャンプをする姿を哀れに思ったのか、同じキャンプ場に居合わせた足寄町役場の人達に豪華な夕食を御馳走になり、色々話ができたのがこの旅で最も印象に残っている。)

そのため、物に対する感謝の気持ちを実感したとか、物を大切に使うようになったという変化はなかったが、物を買う時に、本当にそれが必要なのかを昔よりも良く考えるようになった気がする。 本当に気に入った物だけを購入し、選りすぐりの最低限の物の中で無駄の無い暮らしをするのがかっこいいと思えるようになったのもちょうどこの頃からだ。

(おまけ:さよならKDX220SR)
上記自然回帰ツーリングのために新車で購入して以来、2万5千キロの色々な思い出が染み付いているKDXを昨日(04年のクリスマス)売却してきた。 理由はゆっち用マシンを購入するため。引越時、通勤用オンロードバイク購入時など、何度も売却の危機を乗り越えてきたKDXにも、とうとう年貢の納め時が来たようだ。
KDXでもう1度知床に行くという、秘かなる野望はとうとう叶わなかった。

なっちが幼稚園から毎日のように持ち帰ってくる工作やおもちゃで子供部屋の収納スペースがなくなってきたので、この年末にその大部分を捨てる事にした。 捨てるのを嫌がるなっちにまっちは言った。(自分にも言い聞かせながら。)
『1つ新しい物を手に入れたら、1つ古い物を捨てる。 これは物だらけの生活を送らないための大切な事なんだよ。』

さよなら



6. 紀伊半島キャンプ旅行(2005.8.12〜14)
 夏休みに三重の実家を中継点にして紀伊半島方面へキャンプ旅行に行ってきた。
早朝に実家を出発し、那智の滝、くじら博物館をゆっくり観光し、紀伊半島のほぼ先端に位置する、 荒船キャンプランドに向かった。
今回の旅行は観光を重視するつもりなので、キャンプ用品はテントとマットしか持ってこなかった。 そのため途中で、中の島ホテル海上露天風呂に入り、名産のマグロ丼を食べ、あとは寝るだけにして 夜7時頃キャンプ場に到着した。
急いで受付を済ませ(料金2000円)、暗くなる中テントを設営する。 最近しっかりしてきたなっちに弟(そうちゃん)の面倒を任せられたため手際良く作業が進み、 到着30分後には設営完了。1時間後には子供達の寝かし付けまで完了した。
その後、せっかくなのでキャンプ場内の料金100円の風呂に入る。テントに戻ったが、 これといってやる事がないので早めの就寝。芝生にテントを張ったためふんわり寝心地がいい。 テントの正背面が網戸になるため気持ちいい風が通り快適な睡眠ができた。 今までテントではあまり眠れなかったというゆっちも熟睡できたそうだ。

那智の滝 荒船キャンプランド
翌日は、橋杭岩、潮岬灯台(本州最南端)、串本海中公園を観光後、 メインイベントの南紀白浜(白良浜海水浴場)での海水浴だ。
噂通り、海水、白砂はこれ以上ない程きれいだった。そのうえ砂浜まで入る市営駐車場からの無料送迎バスや、無料シャワー、 砂浜に隣接した格安温泉等の設備も充実しているため、ほとんど歩かずに、快適な海水浴ができた。
なっちは親の手を放し、ヘルパーのみで泳ぐ事ができた。そうちゃんは きれいな白砂遊びに夢中、ゆっちはなんちゃってスノーケリングに満足そうだった。

その晩は焼肉を食べ、道の駅「志原海岸」で車内泊。
昨年は文句も言わずチャイルドシートで寝たそうちゃんだったが、今年は後部座席を倒したフラットシートで一緒に寝たがった。 さすがに4人で寝るフラットシートは狭い。 窮屈さを紛らわすため、なっちと「毛布で遊ぼう」ごっこをしていると、毛布の中でなっちがこんな事を言った。

なっち:『なんでホテルとかに泊まらないの?』
まっち:「、、、(汗)。 ホテルだと星とか夜の海とか見れないでしょ。」
なっち:『そっか。朝コンビニの苺のヨーグルトとかも食べられないもんね。』

そんなやり取りのうちに子供達は就寝。そうちゃんをそっとチャイルドシートに戻し 広くなったフラットシートで体を伸ばす。昨晩の12時間睡眠のせいか1人寝つけないので 気分転換に車を脱出。道の駅のすぐ裏の防波堤でジュース片手にぼんやり海を眺める。
かつて独身時代に感じたちょっと寂しいようななつかしい感覚が数年ぶりによみがえった。 しかし自分はもうかつてのような若者ではなく、いつのまにか2人の父親になっている。 そう言えばこの数年間で自分の周りの環境が劇的に変わったなあ、、、、、、
そんな事を考えたりしながら数時間ぼけっとする。車に戻ると、さっきまでギャングのように見えた子供達の寝顔が とても愛おしく見えた。

フラットシートで寝ようとすると今度はゆっちの一言。
「なんか排気ガス臭くない?」
この道の駅で車内泊をしている約20台の車のほとんどが(エアコンによるバッテリー上がり防止のため) エンジンをかけ続けているのが空気汚染の原因のようだ。
何度かの車内泊の経験で、車内の空気浄化の重要性を学んでいるので、迷わず近くにあるローソンの広い駐車場に移動。 ようやく熟睡でき2日目の夜は過ぎていった。

3日目は三段壁を見て千畳敷へ。ここの雄大な岩場はとても印象に残った。
ガソリンスタンドで『おおきに』と言われたのをきっかけに、帰りがてらにまだ行った事のない 大阪を目指す事にする。道頓堀を観光し、たこやきを食べて旅行を締めくくった。
白浜海水浴 車内泊 喰いだおれ人形



7. 旅行の目的
 キャンプ奮闘記を読んでくださった方から、
『子供に車内泊させるのは可哀想だ。』
という御意見を頂いた。
まあこれが世間一般の見方なのだろう。しかし自分はこの車内泊の旅行スタイルもアリだと考え、 子供達がついて来るうちは(普通の旅行に織り混ぜ)続けていくつもりだ。 こう考える理由を以下に書いてみる。

子供が生まれる前、夫婦で色々な旅行を繰り返して辿り着いたのがペンション旅行だった(ペンション奮闘記参照)。 ペンション旅行には「頑張った自分達への御褒美」の意味合いもあり、普段食べれない旨い料理を食べる等、 (自分の実力以上の)贅沢をして明日への活力を培ったりもした。

? 子供が生まれてからも何回かこのような旅行を続けたが、飽食の時代に育つ子供に 何の努力もなしに贅沢な経験をさせるのは、物や食べ物を大切にする感覚を育てる上でマイナス になる気がしてならなかった。
記念日に豪華に過ごすくらいならまだいいが、豪華な経験をさせ過ぎ、子供の生活や旅行に期待する レベルを上げ過ぎてしまうのは、子供を贅沢にするばかりでなく、子供から『将来こんな生活や旅行がしたい』 という目標や希望を削ぎ落とし、無気力人間にしてしまう危険をはらんでいる気がする。
子供の本当の幸せを考えるならば、贅沢よりもむしろ質素な経験をさせるべきではないだろうか。 車内泊のような経験をしてこそ、ホテルの快適さが分かるというものではないだろうか。

そんな考えで、僕は子供達との旅行の目的は、その土地の雰囲気を味わうという旅行本来のものに するべきだと思うようになり、宿泊場所にはこだわらなくなった。
車内泊やキャンプ等、なんでもござれの旅行を臨機応変に楽しみながら 子供の、物を大切にする心や、我慢や工夫する心、金銭感覚、バイタリティー等を育み、 柔軟性のあるたくましい人間に育てられればと思っている。

子供達よ、パパの旅行スタイルが嫌なら、将来大金持ちになって優雅な旅行をするがいい。 (そしてパパとママもその旅行に連れていき、優雅な旅行の楽しさを教えるがいい。(笑))



8. 10月のキャンプ(2005.10.1〜2)
  家族キャンプの楽しさを教えてくれたアウトドア好きのリナちゃん、マユちゃんファミリーと一緒に「PICA富士吉田」という富士急ハイランドのすぐ近くにある キャンプ場に行ってきた。夏前からキャンプを計画していたにも係わらず、3ファミリー、計11人の予定を合わせられずに夏は過ぎ、ようやくの実現は10月になってしまった。 初めての経験である秋のキャンプに胸を踊らせながらの出発だ。

キャンプ場に到着し、まずは受付で料金を払う。ハイシーズンに比べ割安な料金設定がうれしい。サイトは隣合わせの3サイトで、そのうちの1サイトに3台の車を停め、 後の2サイトに3つのテントと2つのタープを設営する。夏のキャンプでは大概設営で汗だくになるが、今回は清清しい陽気の中快適に準備ができた。 この秋の陽気でのテント設営や夕食準備は、遠い昔の文化祭の準備や、毎年秋に行っていた林道ツーリングを思い起こさせる。 秋には人間をノスタルジックな気分にさせる力があるようだ。まあたまにはこういうのも悪くない。 キャンプ場には真夏のような喧騒もなく、ゆったりとした気分で火を起こし、のんびり食事の準備をしていると予想外に早く暗くなってしまった。
「そうだ、秋は日が短いんだった。」
ホワイトガソリンランプの強い明かりで肉の焼け具合を確認しながらの炭火焼肉タイム。 昼食の時間が遅く、皆があまりお腹が空いてないと言っていた割には、あっという間に高級ステーキはなくなった。 さすが食欲の秋と言ったところか。今回の初挑戦はもちと、コストコで買ったクラムチャウダーの缶詰。どちらも子供に受けが良く、食べなければ保存も効くので なかなか良かった。

腹いっぱいになった所で次はお風呂タイム。 このキャンプ場の風呂は、改装されたばかりでホテル並みにきれいで、キャンプ場の風呂は汚いという僕の中での常識は覆えされた。
「いやー、やっぱ気持ちエエわ。」
気温が低い分、温かいお湯が体の芯まで染み渡る。 なっちはいつもはすぐに風呂から上がりたがるのに今日は友達と一緒の為かぜんぜん上がろうとしない。 ようやく風呂から上がり、パジャマに着替えて手を繋ぎながらテントに戻る3人はとても楽しそうで、見ているこっちまで幸せな気分になった。 (なっちは今回のキャンプでは風呂が1番楽しかったと言っていた。)

テントでは、子供を寝かし付けようとしたつもりが自分もそのまま眠りに落ちた。 目が覚めたのは深夜で、なんだかとても寒い。この寒さは季節のせいだけでなく、標高の高さも関係してそうだ。 寒さに敏感なゆっちとそうちゃんはセレナに移動。 寒さに鈍感でテント好きなまっちとなっちは洋服を着込んでテントに残る。1〜2時間程会話を楽しんで睡眠。

翌日は遅めの起床。朝食を食べてまったりした後、急いで片付けをする。片付けの最中テント内で子供達が取っ組み合いの喧嘩をしていたが、 こういうのも成長していく上で必要だと考えそのまま放っておく。いつも家では見られない子供達の様子や表情を見れるのも合同キャンプのいい所だ。
チェックアウト後は、河口湖に程近い野猿公園を観光し、昼食に名産のホウトウを食べて帰った。

秋のキャンプはなかなか良かった。そのうち、おでんを囲んで冬のキャンプをするのもいいかもしれない。
雨テント 雨3人



9. 鳥取砂丘〜天橋立キャンプ旅行(2006.8.13〜15)
 我家の年中行事となりつつある盆休みのキャンプ旅行、早朝三重の実家を出発し、今年は鳥取方面を目指した。
まずは鳥取砂丘を観光。砂漠のイメージには程遠く、広い砂浜のような規模に興醒めするも、遠くに見える「馬の背」の山頂を目指し炎天下の砂丘を歩く米粒のような人々の列が、新婚旅行で登ったエアーズロックを彷彿させ、「馬の背」まで歩くことにする。
容赦なく照りつける真夏の太陽、足を取られる深い砂、全く歩かないタコ人間化したそうちゃん、「そうちゃんばっかりおんぶしてもらってズルイ!」とダダをこねるなっち、大量の汗、喉の渇き、、、に砂漠の雰囲気を味わうことができた。

鳥取港海鮮市場「かろいち」で海鮮料理を食べ、午後は白兎海岸で海水浴をする。遠浅で泳ぎ易い海岸、しかも水がきれいで波もおだやかなのに海水浴客はまばらという、東京周辺では考えられない最高のロケーションでのんびり海水浴を楽しんだ。
夕方、近くの温泉、海の見えるレストランを梯子し、この白兎海岸にテントを張って眠りについた。
鳥取砂丘r 白兎海水浴場 白兎キャンプ

夜中、車のエンジン音で目が覚める。僕らのテント横にベンツがスタックし、砂浜から抜け出せずに若いカップルが困り果てている。困った時はお互い様なので、あの手この手で一緒になって救出を試みる。大阪弁の彼氏と汗だくになりながら交互にジャッキを回したのが彼の心に響いたのか、帰り際お礼として5000円相当の花火やジュースを頂いた。夜の涼しい潮風にあたりながらうまいジュースを飲み、波音を聞きながら再び眠りについた。
翌朝、ベンツの件がきっかけになり、数組のキャンパーとお話をした(そもそも「多摩ナンバー」というだけでよく話し掛けられるのだが)。山口県から来た子だくさんの夫婦の「正しい密漁」の話がとても楽しく印象に残った。(密漁はいけないことだが)こういう一期一会もキャンプ旅行の醍醐味と言えそうだ。
朝の涼しいうちにテントを撤収し、次の目的地、天橋立に向けて出発。車内でやっと目を覚ましたなっちは、豪華花火セットに大興奮。 車での移動中は常に花火を抱え、うっとりとした眼差しを送っていた。

天橋立では3台のレンタサイクルで対岸を目指す。快調なペースで対岸に辿り着くまでは良かったが、なっちが急にパワーダウン。 あまりの暑さに、ゆっくり休んでも体力は回復しないようで、気の抜けたなっちは何度も転倒しながら復路を辿った。 半べそのなっちを叱咤激励しながらなんとか2時間の返却時限ぎりぎりでレンタサイクルを返却できた。

昨日の砂丘同様、このサイクリングは子供達にはかなり堪えたようだが、このひたすら汗を流した体験は、鳥取砂丘、天橋立の思い出として、深く心に刻み込まれたことだろう。

天橋立レンタサイクル 奥山自然たいけん公園キャンプ場 天橋立股のぞき

酷暑のため観光を切り上げ、早目に奥山自然たいけん公園キャンプ場に向かう。 このキャンプ場は、木々に囲まれた森の中にあるため、あまり暑さを気にせずにテントの設営ができた。 温泉、焼肉を満喫し、心地良い木々のざわめきを聞きながら眠りについた。
そして3日目は、昨日行きそびれた天橋立ビューランドを観光し家路についた。



10. 飛騨高山キャンプ旅行(2007.8.16〜17)
 お盆帰省の復路に寄り道し、飛騨高山方面にキャンプ旅行に行ってきた。
早朝三重の実家を出発し、9時頃に高山に到着。 かつて高校の就学旅行で歩いた昔ながらの町並みを、『暑くてもう歩けない!』とダダをこねる子供達を 「冷凍みかん休憩」や「アイス休憩」で釣りつつ先導。
かつてと変わらぬ風景の中、立場の大きく変わった自分を実感する高山散策であった。

散策中に割引券を見つけたエジプト展が涼しく楽しめそうなので、会場の光記念館に向かう。

『えっ、これが美術館?』

マヤ文明の遺跡をモチーフにしたという独創的でゴージャスな建物の造りに驚いた。 (ゴージャスと言っても嫌味な感じではなく、細部に至るまでシンプルにデザインされ尽くされ、荘厳な雰囲気を醸し出した美しいもので、この建物を観れただけでもここへ来た甲斐があったと思えるものだった。後日調査してみると、この建物は竹中工務店が造った宗教絡みの施設であることが分かった)
エジプトの展示以外にも、世界遺跡や実物大の恐竜模型など豊富な展示があり、子供達と楽しく学ぶことができた。

高山観光 エジプト展 恐竜展

昼食に飛騨牛カレーを食べ、今晩キャンプする場所を求めて奥飛騨温泉郷の山中に入る。

『気分で行き先を決めるのが旅の醍醐味じゃん』

そんな思いつきの理論を盾に、面倒なキャンプ場の予約をしなかったまっちの祈りが通じたのか、初めに訪れた平湯キャンプ場で空きが見つかり、すんなりテント設営ができた。近くの原生林に囲まれた温泉施設で心の洗濯をして眠りについた。

翌朝は片道約1キロ程歩き、大滝という滝まで散歩。その後、夜露で濡れたテントを片付けようとして、ふと考える。
『家でテント干すのは面倒だなあ。』
テントを畳むのを止め、近くのスキー場の花畑を散策、テントが乾いてから涼しそうな穂高の高原を目指して出発。

平湯キャンプ場 コスモス畑 新穂高ロープウェイ

新穂高温泉駅から、2本のロープウェイで、東洋一という標高差1039mを一気に登り、標高2156mの山頂駅に到着。 下界の暑さが嘘のような肌寒い中を北アルプスの山々への登山道入口まで歩く。
『子供達がもう少し大きくなったらここから登山するのもいいかも?』
等と考えたりしながら高原ハイキングを楽しみ家路についた。