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■ MONEY(気力回復)プロジェクト (2008年12月29日)

 毎年年末に年末行事と称して高校同期の仲間で集まりスポーツ等をしている。この年末行事の活性化を目的に、昨年・一昨年と心の叫びを歌にするカラオケプロジェクトを行ってきたが今年はどうしようか、、、。


1. 2008年を振り返り
 米国発の金融危機が世界を覆い、日経平均株価の下落率は42.1%、国内トップであるトヨタ自動車の時価総額前年比54.1%と急激に景気が悪化。また、中東産原油価格が春から夏にかけて急上昇したかと思うと秋から冬にかけて一気に7割以上の下落、2008年は行き過ぎたマネーゲームに踊らされる悪夢のような1年であった。

こんな厳しい時代の空気感もあり、なんとなく遊びを控え、真面目なサラリーマンを演じるうちにこの1年は過ぎていった。

ストレスを溜めずに楽しく仕事をするうえで邪魔となる「遊びたい気持ち」に目を向けぬよう本心を押し殺す日々を積み重ねるうちに、気を緩めればいつでも無限に溢れ出すと思っていた「遊びたい気持ち」が、予想外にも涸れはじめ、気付けば典型的な「疲れた大人」になりつつあるではないか。

(体力の衰えに対しては、自転車通勤で歯止めをかけたつもりだが、)気力の衰えに対しても何か手を打った方が良さそうだ。


2. 今、歌うべき歌とは、、、
 そんな中、毎年恒例の年末行事の時期が近づいてきた。もう役目を終えた感があるカラオケプロジェクトは今年はやらないつもりでいたが、ふと年末のラジオから「今年を象徴した曲」として流れてきた浜田省吾の『MONEY』に、高校時代初めて行ったコンサート『ON THE ROAD'88』のオープニングでこの曲を聴いた時の衝撃(イントロと同時に熱気に包まれ総立ちになる代々木オリンピックプール、絶叫するパワフルでアグレッシブでデンジャラスな浜省の印象)が甦える。

『あのとき浜省と共にこぶしを突き上げた熱い(熱くなれる)自分は、今の僕の中にどれ位残っているのだろうか?』

そんなことを考えるうちに気力回復をテーマに『MONEY』でカラオケプロジェクトをやりたくなってきた、、、。

〈参考〉浜田省吾『MONEY』の歌詞(YouTube動画)
(青字クリックで動画サイトにリンクが飛びます)



3. 「MONEY 2008」歌詞検討
 昨年のカラオケプロジェクトでは、皆で一から歌詞を考えたためレコーディング完了までに4時間も費やしてしまった。その反省もあり、今年は事前に歌詞暫定案を完成させておくことにした。

浜田省吾作詩の「MONEY」には、寂れた町の貧しい家庭に育った青年が、自分の恋人を金持ちの男に奪われてしまう悲しい恋の結末が歌われている。深い悲しみに金しか信じられなくなってしまった青年の姿はまるで精神異常者のように描かれているが、この青年にみなぎる『ハングリーな様子』(強い感受性が無限のエネルギーを生み出し盲目的な行動を起こすさま)こそが、十数年のサラリーマン生活で大きく削られてしまった取り戻すべきものではないだろうか?

この「貧しい青年」と「昔の僕ら」に共通する『ハングリーな様子』に着目し、『貧乏という不運な環境下に、金持ちへの妬みを膨らませ、いつか見返してやろうと闘志を燃やす』という原曲の構成をなんとなく生かし、『男子クラスという不運な環境下に、混合クラスにへの妬みを膨らませ、いつか見返してやろうと闘志を燃やす』という構成に変更。イメージを膨らませるうちに、仲間内で最もハングリーだったT氏が、かつて新品の英和辞典をひと月でボロボロにする程勉強に打ち込みながら語った印象的な言葉が脳裏に蘇る。

『俺は一流大学の合格通知を○○に見せつけるために全力で勉強をする!』

この言葉こそ、あの頃の僕らを象徴しているように思え、『いつか奴等の 足元にBIG MONEY叩きつけてやる』という原曲のサビの部分を、『いつか奴等の 足元に合格証叩きつけてやる』へと変更。その他当時のエピソードを盛り込み歌詞暫定案を完成させた。

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『MONEY 2008』

高校3年生授業終わると 俺達集まってた青少年会館
ファミマで100円マミーを買ったらいつもの席につく

奴(U)は乾ききった俺たちに隠れてかわいい彼女作り会館に現れた
奴は勉強など本当は上の空 彼女見せ付けに来たのさ

Girl Girl makes him crazy Girl Girl changes everything
いつかあいつの足元に合格証たたきつけてやる。


そろそろやばいぜ勉強をしなくちゃウォークマン取り出し9時までがんばろう
すると別の仲間(S)がニヤニヤやってくるちょっと一服しようぜ

あいつ(M)は夢見てた勉強をしながら大好きなあの娘とベットでドンペリニョン
だけど夕べあの娘は奴を煙たがり会館出ていった。

Love Love makes him crazyLove Love changes everything
いつかあの娘の100倍の幸せ掴み取ってやる

俺は 何も信じない 俺は 誰も許さない
俺は 何も夢見ない 何もかもみんな 爆発したい


隔離されたフロアー男だけの教室 ○○高選んだこと本気で後悔してた
欲しいものは全て混クラの中 まるで悪夢のように

Love Love makes him crazy Love Love changes everything
いつかこの手に掴むぜhappyness I've got nothing nothing to LOSE


4. 年末行事当日 
 今年の年末行事は、毎年やっているスポーツ(今年はフットサル)、温泉(今年は海老名ここち湯)の他に、同窓生夫婦のそば屋での飲み会を企画。この会には高校時代面識の無かった仲間も来てくれ、これまでの年末行事とはちょっと違った同窓会のような雰囲気の楽しい会となった。

カラオケプロジェクトはそんな盛りだくさんのスケジュールに押され、1時間弱しか時間が取れず、歌詞のブラッシュアップや演技指導(笑)、十分な歌い込みができなかったのが残念だったが、準備の甲斐があり、練習1回、本番2回で仕上げたにしてはなかなかの映像が撮れた。
(楽しい高校生活を送れた一部のメンバーには歌詞に共感できない部分もあったようだが(笑))、賛同しシャウトしてくれたみんなどうもありがとう。


5. 動画データ編集作業完了

 『MONEY 2008』動画編集作業完成。動画は PRIVATE(パスワード認証エリア)よりご覧頂けます。

マネー1 マネー2 マネー3


6. 気力回復方法
 この日最後のファミレスで、歌のテーマであった「気力回復」について語り合う。同窓生の誰もが大なり小なり僕と同じように気力や体力、容姿等の衰えに戸惑いを感じ、これらに頼らない生き方を模索したり、衰えの進行にブレーキをかけようとしているようで、同胞の興味深い話に耳を傾けた。
そんな中、特に印象に残ったのが、

『様々なタイプのお年寄りが様々に年老いて死んでいく姿を見ていると、自分の行くべき方向を考えさせられる。』

と言う福祉関係の職場で働くU氏の話と、

『若い頃の瞬発力やスピードは無くなりつつあるが、緩急動作など経験でカバーしていけば、俺はまだまだ戦えるはずだ。』

と言う上位リーグ昇格に喜ぶサッカー中年A氏の話であった。
2人の話には気力回復のヒントが散りばめられており、彼らの話を聴くうちに、気力が湧いてくる気がした。この時の思考の流れを整理し、ここに『気力回復の公式』としてをまとめておこう。

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『気力回復の公式』
 まず、今の年齢でできることを精一杯やり尽くしながら年を重ねた場合のその先の自分の姿を想像してみよう。
きっとそこにいる未来の自分は、それまでの人生に満足し、他人(元気な若者)を素直に認められる穏やかな表情をしいるはずだ。そして自分の命を十分に燃やした満足感を懐き、悔いなく一生を終えるのではないだろうか?

次に、(忙しさを言い訳に)その年齢にできることを十分に経験せずに年を重ねた場合のその先の自分の姿を想像してみよう。
おそらくそこにいる自分の顔には過去への未練が刻まれ、周りの若者を妬むような表情をしているのではないだろうか?そして愚痴ばかりこぼすその狭い心は周囲の人を遠ざけ、孤立し煙たがられながら一生を終えるのではないだろうか?

この2つのイメージを比べてみると、『その年齢でできることをやり尽くした生き方』をしたいと誰もが思うはずだ。そして、年々放物線状に衰えゆく能力を考えると、やりたいこと(今やらねば一生できないこと)が次々と頭に浮かび、それらを実現するための気力が湧いてくるはずだ。

さあ、君もこの公式に自分を当てはめ、今こそ立ち上がれっ!

[MONEYプロジェクト 完]

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