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■ 山登りプロジェクト

[(序章)〜『ファミリー山登り読書奮闘記』はコチラから]


1. 年末大山山登り(2014年12月27日)

 高校卒業して以来、毎年年末に年末行事と称して同期仲間と故郷、厚木・海老名に集まり年末の1日を楽しんでいる。 2000年以降フットサルで汗を流すのが定番となっていたが、今年はジョーの強い要望で大山に登る話がまとまった。

朝8時にゴッチャン実家に集合。大山に登るには、「ヤビツ峠ルート」「日向薬師ルート」「ケーブルカールート」が一般的だが、初心者楽しく登るには土産物屋など見所の多い「ケーブルカールート」が適しているそうで、大山ケーブル駅の麓にある伊勢原市営駐車場に車を停める。

9時20分、土産物屋や飲食店が軒を連ねる「こま参道」の階段を上り始める。歩きはじめて5分もすると、すぐに暑くなり重ね着した服を脱いで体温調節をしながら足を進める。日々の運動不足のせいか思いの外疲れるもケーブルカーには乗らずに男坂の階段を6人でぞろぞろと登る。
40分程で大山阿夫利神社下社に到着。ここからでも相模湾や江ノ島まで見渡せ結講綺麗。拝殿の地下から湧く御神水を飲んで小休止。

この先山頂までは2つのルートがあるが、近道の富士見台ルートを選択。急な階段が続くが体が慣れてきたせいか序盤のような辛さはなくなり、雑談に夢中になるうちに富士見台に到着。遠くに富士山が見える雄大な景色が近視眼的になった視野を拡げてくれる。

「今日山登りに来て良かったよ!」「来年以降登山が定番になるんじゃないの?」

と感動を分ち合いつつ、傾斜の緩くなった獣道を進み、登山開始から2時間15分で山頂に到着。山頂の崇高で清々しい雰囲気の中、低俗でダークなフユチャンの打ち明け話。「ここでその話するのかい!」と一同爆笑!

帰路はスイスイと下社まで下り、参集殿洗心閣で遅めの昼食。名物の大山豆腐や味噌こんにゃくを注文するも、まるで普通のスーパーで買ったかのような豆腐とこんにゃくが出てきてちょっとがっかり。

空腹も満たされ、のんびり女坂で駐車場を目指す。

「掃除の行き届いた石段」「ひと気のない大山寺」「朽ちつつある廃屋」「僅かに残る紅葉」「錆びた昔の看板」、、、

もう何十年も変わっていないかのような景色は、どこか懐かしく、まるで少年時代に舞い戻るってしまったかのような印象。慌ただしい日常と対極にあるかのようなおだやかで落ち着いた時間の流れにストレス解消!ボロ雑巾のような心と体に活力が宿るのを感じつつ駐車場に到着。

下山後、数年ぶりに伊勢原温泉 ニュー天野屋の温泉で汗を流す。大きな湯船と肌がヌルヌルになるお湯は素晴らしいが、露天風呂が無いのが残念。

例年通り同級生夫婦の蕎麦屋で年越し蕎麦を食べ、サイゼリアで読書交換会を行い、1年の終わりを噛み締めながら終電帰宅。

同期仲間での登山は、「苦しみ半分!楽しさ2倍!」で、心地良い汗を流しつつ親睦を深められて好感触。近いうちに第2弾がありそうだな。

 



2. 三の塔山登り(2015年12月29日)

 毎年年末に高校同期仲間で集まっては「年末行事」と称してまる1日思い切り遊んでいる。昨年の大山山登り企画が好評だったので、今年も何処かの山に登るのだろうと考えていたが、年末行事ひと月前の高校同窓会での、”親友キングの高校時代の彼女Nさんとの再会”をきっかけに思わぬ方向へと動きはじめる。

『キングさん、今日の同窓会に来てないんだ。』と若干残念がるNさんは趣味でバドミントンをやっているらしく、高校時代バドミントン部で活躍していたキングとNさんをバドミントンコートで再会させるプランを思いつく。お節介のような気もしたが、「来る来ないは当人達の自由だし、バドミントン面白そうだからやってみようよ!」と話はトントン拍子に進み当日を向かえた。

190人が参加した高校同期同窓会(2015.11.15)

なんだかんだ言いつつ来てくれたキングとNさんにいつもの運動好きメンバーを含めた7人で 睦合西公民館に集合。高校時代みんなの憧れるカップルだったキングとNさんが顔を合わせるのは26年ぶりだそうではじめは緊張気味であったが、ラケットを振り回すうちにいい雰囲気に。休憩を挟みながらシングルスやダブルスを続けるが、イメージよりもハードな競技にいい感じに疲れて汗をかいてきた。

『最後にトーナメント戦をやろうか!』

テルから提案で対戦相手を決めるじゃんけん。テルがじゃんけんの結果をもとに対戦相手を決めてくれるが、何やら小細工をしている気配。どうやらキングとNさんを決勝戦で対戦させようと企んでいるようだ。

準決勝にキング、フユチャン、Nさん、ナミオチャンの4人が勝ち上ると、テルは予想通り『じやあ準決勝戦第1試合はキングとフユチャン』と強敵フユチャンをキングにぶつける。白熱した試合をキングが制すと、かつての恋人同士の頂上対決を見たいと体育館中に期待感が充満。
Nさんとナミオチャンの準決勝第2試合で、ナミオチャンがスマッシュを決めようものなら「今のスマッシュは良く無いなぁ。」『ナミオチャン分かってるね!』と楽しいヤジが飛びみんなの心がひとつに。

テルの筋書き通りにキングとNさんが決勝戦に勝ち上がり最後は、皆の羨望の眼差しを浴びながら26年の時を超えての愛のラリー!楽しく印象的な初バドミントンであった。

ガストで昼食を食べ、例年通り七沢(今年は中屋旅館)の温泉で汗を流し、17時から同期夫婦の上野藪蕎麦で年越し蕎麦を食べながら読書交換会。そしていつものサイゼリアで日付が変わるまで楽しく2次会。先月の同窓会の影響で今年は20人越の同窓生が集まる楽しいひとときであった。

例年通りならこれで「良いお年を〜」と解散するところだが、今年はまだやりたいことがある。

毎年午前中のスポーツイベンから皆勤賞で参加してくれているゴッチャンが今年は仕事でサイゼリアからの参加となってしまい、一緒に汗を流せなかったので、「これからミッドナイト山登りツアーに行こう!」と発案。しかしながら(やはり)賛同者ゼロ(涙)で2人で行くことに。そして山好きのキタミから

「お前ら冬山をなめるな。マジで死ぬからやめとけ!」

と温かい言葉まで(笑)。
大山は新鮮味がないので三ノ塔に登ると決め、キタミの助言に従いコンビニに車を停めて仮眠。夜明け前にヤビツ峠の数キロ先の菩提峠にある無料駐車場に車を停めて歩き始める。

いきなり道を間違えるアクシデントに見舞われつつも、積もる話に夢中になるうちに二ノ塔山頂に到着。そして、子供の頃から眺め続けてきた大山の裏側を見ながら三ノ塔に登る。三ノ塔山頂からは、伊豆、真鶴、三浦、房総半島が一望できる素晴らしい眺望。今年も年末を飾る印象的な年末行事となった。

 



3. 鍋割山・塔ノ岳山登り(2016年4月29日)

 山好きの同僚Hさんと『今度一緒に山登りましょう!』と言い続けてはや3年、一緒に山に登れぬうちに別々の事業所に異動となってしまった。
気を許せる彼との繋がりが途切れてしまうのは寂しいと、異動からひと月後のゴールデンウィークに鍋割山に登る計画を立てた。

朝7時半、登山客で賑わう小田急線渋沢駅で落ち合い、駅北口のロータリーから鮨詰めの神奈中バスに乗り、15分程で終点の大倉バス停に到着。Hさんが薦める二俣、後沢乗越を通る西側のルートで鍋割山山頂を目指す。

会社が不安定な時期だけに、会社の将来、異動先での仕事、40代校後半の働き方など仕事についての話が続く。「せっかく山に来たんだからもっと違う話しましょうよ!」と、話題を変えても、いつの間に仕事の話に戻ってしまう。

「いつからそんなに仕事好きになったの(笑)?」

と職場では話しづらい話をしながら小川を横切る木橋や険しい急斜面を登る。結講長い距離を歩いた気がするが、話に夢中だったせいであっけなく頃鍋割山山頂に到着。

山頂はうすら寒く、鍋焼きうどんを食べるにもってこいの天候。鍋割山荘で1000円を支払い待つこと15分、かぼちゃの天ぷら、しいたけ、ねぎ、ホウレンソウ、なると、油揚げ、半熟卵などたくさんの具に覆われた鍋焼きうどんが現れる。山頂で食べる手作り感あふれる太めのうどんはもう最高。Hさんとの会話で毒を吐き出し空っぽになった体内に濃いめのうどんの汁が染み渡る。大袈裟かもしれないが生きている喜びを感じ、全身に力がみなぎる。

「まだ時間早いから塔ノ岳も登っちゃおうか!」

うどんパワーで元気復活。時間もあるので予定変更!

塔ノ岳山頂が近づくにつれ霧が深くなってきたかと思うと小雨が降り出した。晴天の下界では想像すらできなかった天候の変化に驚きつつ、塔ノ岳山頂では写真だけ撮り逃げるように下山。

金冷シの分岐を越えると、大きな荷物を背負い名刺を配っている人を発見。

「噂の世界チャンピオンじゃない?」

名刺を受け取ると『塔ノ岳5000回登山達成 丹沢登山回数世界チャンピオン 畠山良巳(はたけやまよしみ)』と書いてある、やはりこの人がポッカ(歩荷)として山頂の山小屋に30キロ超の荷物を運び続けている知る世界チャンピオンのようで一緒に写真に写ってもらう。62才とは思えないプロレスラーのような太ももと、優しい笑顔が豊かで充実した人生を物語っているようだ。自分もこんな素敵な年の取り方ができるだろうか?

鍋焼きうどんで頭の中をリセットできたようで、その後は全く仕事の話は出なくなりすっかり遊びモードでリフレッシュ。
全長約7キロ、標高差約1200mの大倉屋根(通称バカ尾根)を下り終えると左ひざに違和感。やはり下りには注意が必要のようだ。
大倉でソフトクリームを食べ、渋沢行きのバスが到着、家路についた。

 



4. 高取山〜仏果山ハイキング(2016年12月29日)

 毎年年末に高校同期で集まっては「年末行事」と称してまる1日思い切り遊んでいる。今年は高1の時に学校行事で訪れた神奈川県立愛川ふれあいの村から高取山、仏果山を巡るハイキングコースを約30年ぶりに歩いてみようと計画を立て当日を向かえた。

8時に本厚木駅に集まったのは同窓生9人、車3台に分乗して愛川ふれあいの村へ。 施設内の駐車場ゲートが年末休みで閉じられているため管理棟の守衛さんを尋ねてみる。

「僕たち学生時代にこの施設で宿泊させて頂きいたのですが、とてもいい施設で思入れが強く、、、」

こういう時だけ物分かりの良い謙虚ないい人になるテルの話術のお陰もあり駐車を許可してもらい、さらには高取山・仏果山へのハイキングマップまで貰う。道中にトイレが無いようなので管理棟のトイレを借り、ハイキングマップに書かれた登山道の登り口を目指し、施設内を歩き始める。

「この建物に泊まったんじゃない?」「ここでサッカーやった!」などと当時の記憶を掘り起こしながら歩くうちに、夕飯のカレーを作ったらしき炊事場の脇に登り口を発見。整備の行き届いた登山道を登り始めると、5分もしないうちに先頭のテルが足首をひねるアクシデント。
「合唱にうつつを抜かしているからそうなるんだよ!」皆にからかいつつ心配して様子を確認。ゆっくりなら歩けるそうで、そのまま山頂を目指す。

フルマラソンや100キロマラソンを完走する程の体力の持ち主もいれば、そうでない者もいるため列は伸びまくる。捻挫したテルが最後尾で登ってくれるのは実は好都合なのかもしれない。

2度の休憩を挟みつつ歩くこと1時間半、高取山(706m)山頂に到着。13mの展望台からの景色は素晴らしく、冬の澄んだ空気にくっきりと見通せる山の稜線や宮ヶ瀬湖の深い色彩が印象的。

『こんな素晴らしい景色見た記憶無いんだけど。』
「高校時代にはまだ宮ヶ瀬ダムが無かったから印象違うんじゃないかな?」

ゆっくりペースならまだみんな歩けるとのことで、ここより約40m標高の高い仏果山(747m)を目指す。登山道を少し下ってから再び上り、40分程で仏果山に登頂。

こちらにも13mの展望台があり登ってみる。先程の高取山の展望台同様素晴らしい景色ながら、2度目のため感動は半減。『あ、やっぱりこんな感じの景色だよね〜』という程度で展望台を下り、山頂の大きなテーブルで昼食タイム。例年と違い女性がいるせいか、いかにも健全で清々しいピクニックの昼食といった雰囲気。30年前の高校時代にこういう経験をしたかった(笑)。

下り道も急勾配などの難所はなく、自然と足が進み、会話を楽しむうちにふれあいの村に到着。

「キャンプファイヤーしたのココだよ!」
「キャンプファイヤーの時、男女2名が居なくなった事件憶えてる?」
「それ私(笑)!」

などと昔話に花を咲かせながらふれあいの村を後にし別所の湯に移動。貸切状態の露天風呂でのんびり汗を流す。

「ジョー女風呂覗くなよ!」
「アベちゃんそれはまずいって!」

掛け声だけで行動は伴わないながら高校時代に戻ったかのようなひととき(笑)。温泉ではなく沸かし湯らしいが、タオルを無料で貸してくれて700円というのは良心的。入浴後はスポーツドリンクや珈琲が無料で飲める座敷で後半戦に向けまったりモードでしばし休憩。

例年通り、同窓生夫婦の「うえの薮蕎麦」に場所を移し、美味い蕎麦を食べて今年の1冊交換会を実施(今年の僕の1冊は「サービスの極意/田崎真也(空想ラジオ/いとうせいこう)」。

いつものように最後はサイゼリアで、この1年を無事に締め括れることを感謝しながら時間を忘れて雑談。終電に乗り遅れでワッカの車に乗せてもらい帰宅。

毎年のことだが、気を許せる同窓生と体を動かしたり、本音で語り合ったりしていると、この1年の自分がどうだったかや、来年自分が目指すべき方向や目標がなんとなく見えてくる。
今年も楽しく有意義で濃密な年末の1日であった。



5. 蛭ヶ岳(2017年5月04日)  

 4月29日の引越しの準備に追われ、遊びの計画を立てられぬうちにゴールデンウイークに突入。 せっかくの連休を引越だけで終えるのは寂しいので、いつか登ってやろうと考えていた丹沢山塊最高峰の蛭ヶ岳に一緒に登らないかと友人達に声を掛けてみる。

「えー、いきなり蛭ヶ岳はキツすぎるよー。」

やはり初心者に蛭ヶ岳はハードルが高すぎるのだろうか?

もうすぐ80歳になる山好きの父に蛭ヶ岳の難易度について尋ねると、「確かに大倉から塔の岳、丹沢山を経由する一般的なルートを1日で歩くのは健脚者でないとキツいが、裏側の青根から直接蛭ヶ岳山頂を目指すルートであれば、充分日帰りが可能」という回答。

「道案内がてら一緒に登ってやろうか?」

という渡りに舟の提案に乗り、親子登山に出掛ける話がまとまった。

午前3時、父のプリウスで自宅を出発。津久井湖から山中湖に繋がる道志みちを青根で反れ、車がやっと通れる細い田舎道を突き進み、4時30分過ぎに小川沿いにある車数台が停まれる空き地に駐車。
前日に慌てて買った登山靴を履き、蛭ヶ岳8kmの標識を横目に杉林の中を歩き始める。

鹿やウグイスの鳴き声を聞きながら、物資運搬用モノレール沿いの山道や露岩のある山道をひたすら登る。父と2人での山登りは小学生以来約30年ぶりで、当時飼っていた愛犬などの昔話や、家庭や仕事の近況などについて話すうちに「姫次」に到着。時間は7時、すっかり明るくなり、西南西に朝日を受けた富士山、その南にはこれから登る蛭ヶ岳が顔を出している。

「もう半分は過ぎたから、この分なら9時頃登頂できるんじゃないかな。」

話に夢中になるうちに難所の急勾配区間は超えてしまったようで、しばらくは下り坂混じりのなだらかな山道が続く。 いつの間にか植物に詳しくなっている父に、アセビ(馬酔木)や強い毒がある鮮やかな緑色のバイケイソウなどの草木についてガイドしてもらいながら足を進める。

緩斜面を1キロ程歩くと山頂まで続く木道の小径がはじまる。右手に拡がる崩壊斜面を避けるように伸びる階段を上り、8時54分蛭ヶ岳(1672.6m)に登頂。

丹沢山塊の最高峰であり、神奈川県の最高標高地点である山頂は、予想通り眺望が素晴らしい。富士山は勿論のこと、丹沢の主稜線や遠くには八ケ岳や南アルプスまでがくっきりと見える。
「蛭ヶ岳は登り納めしたつもりだったから、またこの景色が観れるとは思わなかった」と語る父の背中が印象的。

靴紐を強く締め直して下山開始。上り同様雑談をしながら自然と距離を伸ばすも、姫次を過ぎた辺りで、左膝に違和感を感じ始める。
すると、後ろを歩いていた父から「左足痛いのか?」と声が掛かる。 長年山登りをしていると、同行者のこんな小さな変化までも分かるのだと驚きつつ、左足に負担をかけぬよう気を配りながらガレ場や急勾配を下る。

このルートは植生の観点からすると面白味に欠けるそうだが、標高が低くなるに連れて見所のある草花も見られるようで、「ミツバツツジ撮ってくるからちょっと待ってて!」「山吹が綺麗に咲いてるよ!」などと父は何度もコースアウトしては植物の撮影に楽しそう。

登山前は、自分の体力以上に高齢の父の体力が心配だったが、父は僕よりよっぽど元気で嬉しいかぎり。父より先にへばりつつ12時半に車に戻り、14時に無事自宅に到着。これまでの人生の中で最も父と言葉を交わしたであろう1日は終わりを告げた。
果たして33年後、80歳になった自分は、父のように蛭ヶ岳に登る体力を持ち合わせているのだろうか?



6. 小富士キノコ狩りハイキング(2017年10月8日)  NEW

 10月の3連休、珍しくおじいちゃんと子供達の予定が空いていたので、是非親子3世代で丹沢山に登ろうと子供達に声を掛けるも、『高い山は疲れるから登りたくない』と共感を得られない。 子供達の意向をおじいちゃんに伝えると、

『今の季節はキノコ狩りなんて面白いんじゃないかな。』

という耳寄りな情報。4人で富士山麓の小富士にキノコ狩りハイキングに行くこととなった。

早朝3時半に自宅を出発、中央高速を河口湖ICで下り、国道138号、県道701号(吉田口登山道)、滝沢林道を走り、「林道・小富士線」の始点に車を止め、5時45分から歩き始める。砂利の小富士林道を所々で反れてはキノコを探すが、今年は不作年らしく、なかなか食べられるキノコが採れない。残念がる子供達。

1時間程歩くと、突然森が開けて前方に巨大な富士山が出現。足元には富士山頂まで続くかのような火山灰の大地が拡がり富士登山をしているかのような気分。

『すごい景色!早起きして良かった!』

と子供達。割と山奥まで車で登ったお陰で眼下には雲海が広がり大自然を体感。 やがて富士山頂が雲に隠れたかと思うと自分達の所までもがモヤに包まれ、どこかの異空間に迷い込んでしまったかのような感じ。

火山灰の大地を30分程登ると積み石が目印の山頂に到着。
他の登山者も人工物も全く視界に入らず、杖にしていた木でノックをして遊ぶ子供達。

「あれっ?当たらない」『お姉ちゃん想像以上に下手だな(笑)』

しばらくすると今度は石投げ競争。

「あれっ?そうちゃんそれだけしか飛ばないの?」と自分も石を投げるも同じくらいしか飛ばない。『あれ?おかしいな(笑)』

体が冷えてきたので下山開始。復路は林道を反れ、森の中に切り込んでいく。

「樹海に入ったらヤバいんじゃないの?」

と言う子供達に「谷を下りて行けば来る時に歩いた林道にぶつかるから問題ない」と地図の見方を子供達に教えるおじいちゃん。

林道を外れると、地面を覆う苔むした黄緑色の大地。 おそらく観光地化した屋久島以上であろう大自然の中、キノコを探して歩く。

「おじいちゃん、これ食べられる?」

子供達に聞かれる度に忙しく動き回るおじいちゃん。 30本程のキノコを収穫して昼過ぎに帰宅。
スーパーマリオになったかのような楽しく有意義な時間であった。

【To be continued.】