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4. 青春倶楽部発足編

ヨットを楽しむために、、、


1. 相模川カヌー遊び(2013年12月29日) 

 毎年年末に高校同期仲間で集まっては「年末行事」と称してオリジナルな企画を立ててまる1日思い切り遊んでいる。今年は(昨年同様)同窓生I君の勤める寺で座禅体験をする心積もりでいたが、日程の折り合いがつかず急遽別の企画を考えねばならなくなってしまった。

『6〜8人で楽しめる良い企画はないだろうか?』

いつもの仲間とどのように2013年を締め括りたいかを考えるうちに、完成間近の舟に乗るのが良さそうに思えてきた(1度に2名しか乗れないヨットは年末行事には適さないと考えていたが、カヌー状態にすれば4名まで乗れ、大勢でも楽しめそうに思えてきた)。SGMでのバイク遊びのついでに相模川を調査、堤防で堰き止められた池のような場所でカヌー遊びができると判断、今年の年末行事はカヌー体験をしようと皆に声を掛け当日を向かえた。

(前日の晩に行われた中学同窓会の興奮冷めやらぬまま年末行事当日を迎え)セレナに舟を積んで厚木にとんぼ返り。及川球技場で昼までフットサルで汗を流し、昼食後に相模川の例の場所に向かう。近くの駐車場で若大将の工夫が随所に見られる舟をルーフから下ろして仲間に初披露。

『2年前のタイヤチューブいかだから相当進化したねぇ。』

ほとんどが理系人間のため食い付きは上々。勢いをそのままに7人でぞろぞろと岸まで舟を運ぶと、年末の冷たい風が身にしみる。

「俺こういうアウトドア好きだけど、やっぱ季節間違えてないか(笑)?」

K君の意見に、『ホントだよ。いくらなんでも寒過ぎダロ!』と喉元まで出てきた言葉を押し殺し、『川に入る訳じゃないから全く問題無いよ。大丈夫、大丈夫!』と、万一川に落ちても笑って許してくれるであろう(もしかすると真冬の川に落ちるレアな体験を心待ちにしているかもしれない)テルと両側パドルを1本ずつ持ち、静かな水面に波紋を描きながら漕ぎ出して行く。浅瀬での座礁や強風での転覆の心配はほとんど無さそうなことを確認して岸に戻る。

心配そうに見守る仲間に、『全く問題無いからもう1人乗ってみよう!』と声を掛けるも、タイヤチューブいかだでの苦い経験が蘇るのか全員疑いの眼差し(涙)。テルが「実際乗ってみると思ったより安定しているから、これなら3人乗っても大丈夫そうだよ。」と発言すると、ようやく乗る気になってきたようで、まずはテル、まっちにS君を加えた3人(片側パドル3本)で乗舟。釣り人の近くを避けながら対岸近くの水中から突き出た棒を目指す。往路はスムーズに棒まで辿り着くも、復路は向かい風の影響で全くスピードが出ず、往路の数倍の体力を消耗しつつ岸まで帰還。

吃水線にはまだ余裕があり4人乗舟も無理では無さそうだが、この寒い中濡れるのは避けたいので今日は3人を定員と決め、N君、K君、アベチャンと交代しつつカヌー体験を行う(ゴッチャンは一身上の都合で乗舟を辞退(笑))。
『続きは本栖湖での夏合宿でやりましょう!』と相模川を後にした。

天然温泉「湯花楽」で冷え切った体を解凍し、「うえの薮蕎麦」で、本日もうひとつのメインイベントである(年々こちらの方が人が集まるようになってきている)同期忘年会開催。同期夫婦が打った年越し蕎麦を食べながら「今年の1冊交換会」と「音楽プロジェクト」を決行。サイゼリア、同期K君コンビニ事務所と場所を移しながら語り合い、今年1番の「遊び尽くした感」を心地良く味わいながら深夜帰宅した。

 


2. 青春倶楽部発足

(1)自転車とヨット
 ママチャリレース参戦をきっかけに自転車愛好会を結成してから早いもので6年が過ぎた。この間、2度の本州横断など充実した自転車ライフが送れたのは、きっと一緒に走ってくれる自転車愛好会仲間がいたからだろう。

 

自分はどちらかというと孤独を好むタイプの人間であるが、バンザイダートや自転車愛好会の活動を通じて趣味は楽しみや苦しみを分ち合う仲間がいてこそより一層楽しめるということを学んだ。趣味における同じ方向を向いた仲間は高い目標に立ち向かう力を与えてくれたり、辛さを楽しさに変えてくれるなど魔法のような力を幾度となく授けてくれた。


若大将から譲り受けたヨットでもこの力を積極的に使っていきたいと、行動力に満ちあふれたテル、サーフィン等海系スポーツに精通したフユチャンを筆頭とする高校同期仲間にヨット愛好会構想を話すと快く賛同してもらえ、自転車愛好会、読書愛好会、ヨット愛好会を兼ねる形で青春倶楽部を設立する話がまとまった。(青春倶楽部命名のきっかけは、「いつまであなたたち青春倶楽部やってるの!」という友人嫁さんのあきれた発言)

若大将からレクチャーを受けて家族でヨットの操縦技術を習得しつつ、友達とさらに高次元の楽しみを味わい、自転車以上に充実したヨットライフを送ろうと思う。

 

(2)目標の設定
 近年、大人の趣味として広まっている自転車(ロードバイク)は、ネットや書籍でいくらでも情報が入手でき、レースやポタリング、輪行旅行など遊び方が確立されているのに対し、ヨットはかなりマイナーで、遊び方の道筋が見えにくい。そこで、今後3年を目処に実現したい目標を3つ挙げてみた。

第1目標:狛江古代カップ順位30位以内(上位30%)達成。
第2目標:夏合宿の定着。
第3目標:雑誌の表紙を飾る。

このうち最も実現したいのが、第3目標『雑誌の表紙を飾る』である。
おそらく日本唯一という雨どいヨットの希少性を生かし、ヨットやサーフィン、アウトドア系の雑誌に売り込み、取材を受ければ書店の店頭に僕らの笑顔が並ぶのも夢では無さそうだ。

来たるべき取材日に備え、自由自在にヨットを扱えるようテクニックを磨きつつ、まだ誰も足を踏み入れていない未開の地を開拓するようなワクワク感や充実感を存分に味わっていきたい。

 


3. はじめての海 (2014年6月21日) 

 青春倶楽部定例行事として、ぜひとも本栖湖で夏合宿をやりたい。合宿では湖に隣接する本栖湖キャンプ場で泊まるのが手軽で楽しそうだが、果たしてどんなキャンプ場なのか2014年のゴールデンウイークに下見を兼ねて家族でキャンプをしてきた(ファミリーキャンプ奮闘記19に詳細記載)。

家族4人で泊まって3000円とリーズナブルな料金設定ながら、自由な雰囲気漂ういいキャンプ場であったが、今回若大将抜きで初めてヨットに乗ってみて、自分のセーリング技術の未熟さを痛感。合宿までに基本的なテクニックを身に付けておきたいと若大将に相談すると話はトントン拍子に進み、週末練習に出掛ける話となった。

これまで若大将お勧めの本栖湖をホームグラウンドに練習を重ねてきたが、海開き間近の今の季節なら海で練習ができるのではないかと中・高同窓生サーファー「フユチャン」に相談メールを送ると、

「明日は多少ウネリが残っているものの江ノ島東浜か由比ケ浜なら波の高さはヒザ程度なので、ヨットできると思うよ!」

との返信。『江ノ島を眺めながらセーリングができるなんて最高じゃん(湘南弁)!』と行き先を江ノ島東浜に決め、若大将、ゆっち、そうちゃん、まっちの4人で早朝自宅を出発。ビーチに面した1時間400円の観光協会駐車場に車を停め、急ピッチで海の家が建てられているビーチに舟を運ぶ。

波は膝より少し高い程度、セーリングをするには風が弱いが初めて海に漕ぎ出すには絶好のコンディションだと、まずはカヤック状態で若大将と2人乗りでオールで水を掻きながら海に入る。砕ける波に飲み込まれつつも前進を続けるうちに舟は波の頭を越えるようになり、波打際を50m程離れるとおだやかに安定。これなら3人乗りでも大丈夫そうだと一旦戻りそうちゃんも乗せて再び波を超える。「うわー、うぎゃー!」とそうちゃんが上げる賑やかな声が朝のビーチに響きわたる。

舟が安定すると、「今どの方角から風が吹いているか分かるか?」と若大将。答えられずにそうちゃんと顔を見合わせていると、「風は頬と両耳に神経を集中さて感じるんだ。」と若大将。オールを漕ぐ手を休めても舟がほとんど流されなのを確認、「よし、これなら帆を張っても大丈夫だろう!」と浜に戻りセール・ラダー・センターボードの3点セットを舟に装着。

一般のヨットは帆を畳めるが、この自作ヨットはウインドサーフィンのセールを流用しているため畳めない。そのため、帆走のできない波打ち際では、帆に風が当たらない角度に調節して風を逃がしながらオールで進むしかない。そのため、帆が風の影響ををどうしても受けてしまうようで、沖を目指しているつもりがいつの間にか横を向いてしまい、横腹に波を受けた舟は簡単に横に大きく傾き、慌てて逆側に体を乗り出し横転を回避。

「ビビったぁ!今若大将半分舟から落ちてたでしょ(笑)」

波打ち際では、波に対して舟が直角になるよう細心の注意を払わねばならぬ(舟は前からの波には強いが横からの風にはとても弱い)ことを身を持って学習。

そんな危険な波打ち際を超えると舟はようやく安定。周りのSTP(スタンドアップパドリング)の注目を浴びつつ、「前通りまーす」などと声を掛けながら、若大将の指示に従い右に左にセーリング。風が弱くゆっくりとしか進まないながらも1時間近く海上を彷徨ううちに舟の特性が分かってきた。

長時間ゆっちを待たす訳にもいかないので、最後に波打ち際で遊んでいたそうちゃんも乗せ、江ノ島を眺めながら親子3代セーリング(若大将が離岸と着岸のオール、そうちゃんがセール、まっちがラダーを操作)。この近くにヨットを浮かべたであろう本物の若大将(加山雄三)と同い年の似非若大将のいつになく楽しそうな笑顔が印象的であった。

 


4. ウィンドサーフィン初体験(2014年7月20日)  

 江ノ島東浜でのヨット練習の撤収作業をしていると、ビーチで楽しそうにウインドサーフィンスクールを受講する人々の姿が目が留まる。ヨットより小振りで安定性に乏しいウインドサーフィンこそセーリングを学ぶに丁度良さそうに思え、自分もやってみようとネット調査を開始。

数あるスクールの中からセールボーダーズ江ノ島の「お試し1日体験コース(8300円)」が手軽で良さそうだと申し込もうとするも1人での参加は心細く、青春倶楽部仲間にダメもとでお誘いメールを送る。ハードルが高くあまり返信に期待はしていなかったが、意外にもテル・ジョー・ゴッチャンから

「面白そうだね。ぜひやってみよう!」

とのうれしい反応、高校時代を共に過ごした「男クラカルテット」でウインドサーフィンに初挑戦する話がまとまった。

久々のワクワク感を胸に、休日ムード漂う小田急江の島線を終点の片瀬江ノ島駅で下車。東浜ビーチに面したセールボーダーズ江ノ島のクラブハウス2F事務所で受付を済ます。

伸縮性のある素材を指先で伸ばしつつ、やっとのことでウエットスーツに着替えて更衣室を出ると、

「前後ろ反対です。ウエットスーツは背中にファスナーがくるように着るんですよ!」

と苦笑されてしまい再び更衣室へ。ウエットスーツは着るのも大変だが脱ぐのも大変。着替えるだけでこんなに汗だくになるなんて、、、。

今日は別のグループが当日キャンルをしたそうで幸運にも生徒は僕ら4人だけ。講師のクボタ先生、エミリ先生に続いて地下道を通り海水浴客でにぎわう海岸へ。東浜海水浴場の江の島寄りの遊泳区域外の砂浜でまずはじめにウインドサーフィン操縦方法の地上講習。要点を備忘録としてまとめてみた。

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

まず大事なのは風向きを読むこと。風を背中から受けてブーム(自動車で言えばハンドル)の角度を調整すればセールに揚力が生じて走り出す。下記3つのテクニックを習得すれば、とりあえずは元の場所に戻ってこれる。

1.ラフィング ……マストをボードの後方に傾けて後足荷重→風上に向かう

2.タッキング ……ラフィングを続けてボードの先端が風上を向いたら、マストを持ってボードの反対側に乗り移り、足場を変えて前足荷重→風を受ける弦を逆側に変更

3.ベアリング ……ラフィングの逆でマストをボードの前方に傾けて前足荷重→風下に向かう

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

今日はこれがマスターできれば上出来だと2人に1台ずつボードが割り当てられいよいよ海へ。

イージラーダーという浮力の大きなボードのため、ボードに乗ってセールを引き上げるのは思ったよりも簡単。クボタさん、エミリさんに言われるがままにブームを操作するとゆっくりと舟が走り出す。たどたどしいながらも何とか4人ともタッキングで引き返せるようになり午前の部終了。昼食は近くの食堂でシラスの入った江の島ラーメン。

午後は1人1台ずつを使い4台で海上を自由走行。講師陣は午前中の2人に校長のオカモト先生を加えた3人で、ウインドサーフィンやSUPに乗って僕らを見回りながら指導してくれる。
基本操作はできるようになったつもりながら、風を掴むには繊細なセールさばきや体重移動が必要なようで、特に風が弱まると先生達のように自由に動けずに、じりじりと風下に流されてしまう。

「自分が進まないのは風が弱いせいではなく、自分の操縦が下手だからだ!」

という事実を突き付けられ、俄然やる気が湧いてくる。

「窓をもう少し開けなきゃ進まないよ。風下側の腕をもっと伸ばして力を抜いて!」

「風上に向き過ぎ!その角度じゃ進めないからマストを前に押して少しベアリング!」

先生方から的確なアドバイスをもらううちに少しずつながら風を掴めるようになってくる。持て余すと思っていた2時間はあっという間に過ぎ、まだまだやりたい感を残して海から上がりクラブハウスに戻る。

シャワーを浴びて着替えてから、今日の講義内容の復習をしてスクール終了。

帰り道、藤沢駅のファミレスで夕食を食べると疲れがとっと出て眠くなる。皆も同じように眠たそうだが、横浜港の花火を観に行く話となり、くたびれたオヤジ4人で花火鑑賞。

シメに横浜駅地下街のタリーズで閉店間際まで語り合い、心地よい疲労感とともに深夜帰宅。夏先取りの楽しく充実した1日であった。

 


5. 2014年夏合宿(2014年9月13〜14日)

 青春倶楽部夏の定例行事として本栖湖でヨット合宿をやりたいと考えていたが、

「ヨットは1度に2人しか乗れず多人数で遊ぶのに適さない」
「拠点にしたいと考えていた山梨にある同窓生のとんかつ屋閉店」

などの理由により計画を再考。テルと午前中に江ノ島でヨット&舟釣りをして、午後から多人数で釣った魚を食べながら相模川でキャンプをする計画を立て当日を向かえた。

朝8時、江ノ島東浜海岸前のファミマでテルと落ち合い、海水浴シーズンが終わり、サーフィン、SUP、ヨットが入れるようになった東浜海水浴場に舟を運ぶ。まずは帆を付けずに釣り道具とテルが買ってきてくれたゴカイとジャリメを積んで静かな海にLet''s GO!

「波でひっくり返るんじゃないかと心配だったけど、これなら全然大丈夫そうだね!」と安心した表情を見せるテル。岸から200m程離れ、潮に流されぬようリールの先に付けたイカリを沈めていると、早速テルの竿に「ブルブルッ」と大きな当たり。サバを釣り上げるもクーラーに入れる準備が整わずに針から外した魚を海に落としてしまう波乱の幕開け。

『格安セール品だったこの仕掛け、糸は蛍光ピンクで針の根本にビーズが付いていているけど、こんな派手な仕掛けで魚釣れるのかな?』

「人間だって派手な洋服とかアクセサリー付けたお姉ちゃん見ると後付いて行きたくなっちゃうから、きっとそういう魚もいるんじゃないかな?」

などと雑談を交わしつつ、秋らしい快適な気候の中波に揺られつつのんびり釣り糸を垂らす。思い返すとこうして一緒に釣りをするのは今回が初めてだ。

「もしかしてその舟手作りなの?材料は何?ちゃんとイカリも付いているんだ。」などと声を掛けてくるSUPやヨットのおじさんに応えたり、僕らを目印にするかのように周回をはじめたヨットスクールを避けて場所を移動したりするうちにあっという間に2時間が経過。昼が近付くにつれ当たりが減ってきたので、波待ちサーファーの視線を浴びつつ浜に戻る。本日の成果はキス、サバ、メゴチ、ヒイラギ、クサフグ等2人で30匹。

海を充分満足できたし、風がほとんど無いのでヨットはまた次の機会にやろうと海を後にした。

遅目の昼食の後、海老名にある「都の湯」に寄り、海での汚れを流す。露天風呂で羽を伸ばしていると「ロウリョ祭り」なるイベントが始まるとの館内放送があり、訳が分からぬながら人並みに続きサウナ室へ。

「ロウリュとはフィンランドに伝わるサウナ風呂の入浴法のひとつであり、、、」とお兄さんが説明を始めたかと思うと、サウナストーンにアロマ入りの水がかけられる。立ち昇る蒸気でサウナ室がグッと暑くなった所に巨大うちわを持ったお兄さん2名が登場。両隅から1人ずつを扇いで熱風のプレゼント。100℃近い熱風は火傷するかのように暑く、まるでかつて見たTV番組「ザ ガマン」に出演しているかのような地獄の時間。

同窓生が経営する「泉橋酒造」を見学した後、地元厚木に新居を構えたフユチャンを加え「うえの薮そば」で同窓生T君の打った蕎麦を食べながら閉店時間まで語り合う。
仕事帰りのゴッチャンとジョーが到着して全員が集合したのは22時。テントを持って相模川に向かおうとすると突然のゲリラ豪雨。

「この雨の中キャンプは無理だろう!」

やむなくサイゼリアに退避。久々のフユチャン参加に会話が弾みあっという間に深夜2時の閉店時間となり店を追い出される。

「さあ、これからどうしよう?この人数でゴッチャンの家に押し掛ける訳にもいかないしなぁ?」

一斉にゴッチャンに注がれる期待に満ち溢れた視線。

「うちは無理だけど、実家だったら泊まれると思うよ。」

との言葉に学生時代夜中に何度もお世話になったゴッチャンの実家へ。「確か前回泊まったのはいつだったっけ?」と布団の中で昔話に花を咲かせるうちに力尽きて眠りについた。

翌朝は8時に起床、「この年になっても高校時代の仲間で遊べるなんていいわねぇ」と言ってくれるゴッチャンのご両親のご好意に甘え、台所を借りて昨日釣った魚を調理。

キスは「泉橋酒造」で買った醤油を付けて刺身で、サバは塩焼きで食べる。刺身は歯ごたえがあり甘みが感じられて、想像以上の旨さ。塩焼きは水っぽくなってしまい、いまいちだった。

この日は母校文化祭。卒業以来校内に入っていないというジョーの熱意に押されて行ってみるとかなりの賑わい。
人口減少により閉鎖される県立高校も多いようだが、これなら母校は大丈夫そうだ。

近くで開催されている「かかし祭り」を見学し、サイゼリアで遅めの昼食をとり家路についた。

 

 


6. 初の相模川ヨット(2014年9月28日)

 ヨットに適した風が吹く日は思いの外少なく、セーリングができずに魚釣りを繰り返すうちに秋風の吹く季節となってしまった。

9月の最終日曜日、風速6m/sの風が吹くとの予報に予定を激々に調整し、セレナにヨットを積んで若大将と相模川へ。

1時間程で堤防で河水が堰き止められた目的地に到着。風を求めてやってきたウインドサーファー達を横目にヨットを組み立て、前席に若大将、後席に自分が乗って河岸を離れる。

センターボードを下ろすと、ヨットはそこそこのスピードで風に対して斜めに切り込んで行く。前回はマストを支えるステイ(ロープ)の伸びで帆がぐらついたが、伸びの少ないダイニーマ芯のロープに変えた効果がでているようで、今回はぐらつきが少なくいい感じ。

「ベアするからティラーを引いて!」

風が強い分だけ素早い判断や操作が必要だが、専門用語も操縦方法もなんとなくしか理解しておらず操作が遅れてしまう。惰性を失ったり、風下に流されたりして思うような動きとは程遠いものの、風上側に周る「タッキング」や風下側に周る「ジャイビング」を体感、しかしながらマストを支えるステイ根本の金具が曲がり帆が倒れてしまう。
ステイの長さを調節して再び帆を張るも今度は他端が曲がりマストが倒れてしまい、収納していたオールを使って河岸に帰還。

破損部分の修理を終えると、

「今度は俺1人で乗っていいかなぁ?

と若大将。興味津々に話し掛けてきた陽気なサーファーのお兄さん達と雑談をしながら「お手並み拝見!」とばかりに若大将を見送る。

「お父さん、やるねぇ!」

重量が軽い分だけスピードが出るようで、ヨットは颯爽と風上に切り込んで行く。しかしながらまたもやセールが倒れてしまい失速。「あ〜」と声を揃える僕らギャラリー。

セールが倒れた原因は、2本のラチェット付きベルトで一体化していたはずの艇本体とアウトリガーが風の力で別々にねじれてしまったためで、まだまだ改良が必要のようだ。

 


7. 相模川ヨット(2015年5月2日)

 暖かくなってきたので、そろそろヨットで遊べそうだと予定を入れるも、ほとんど風が吹かない天気予報。行くか止めるか迷うも、「今年初めてだから舟や道具の劣化確認も兼ねてぜひ行こう!」という若大将の勢いに押されて、暇そうな息子を含めた3人でセレナにヨットを積んで相模川へ。

やはり風は弱く、なんとか進むには進むが、「タッキング」や「ジャイビング」をしようとすると途中で止まってしまう。
途中からウインドサーフィンが現れるが、やはりこちらの方が舟が重い上に、セールは小さくスピードが出ない。

風が弱いせいもあり、破損も舟の問題も無く終了。舟の劣化もそれほど無いようで、山田うどんで昼食を食べて家路についた。

 


8. 相模川ヨット(2016年5月3日)  NEW

 今年もゴールデンウイークがやってきた。5月3日は朝からヨットで遊ぶのに丁度良さそうな風が吹き、若大将を誘いセレナにヨットを積んで相模川のいつもの場所へ。

川岸にはラジコンボートを楽しむおじさん達がずらりと店を広げているため、川を堰き止めている一段低くなった防波堤部分に艇を運ぶ。いつものように艇本体にアウトリガー、センターボード、ラダーを装着し、まずは帆を付けずに2人乗りでオールを持って出艇。ヨットに適したいい風が吹いているのを確認して防波堤に戻り、セイル(帆)を装着。艇を水面に浮かべたままセイルを付けようとするも風が強くてひと苦労。

艇に対してセイルが小さく2人乗りではスピードが出なことが分かっているため今日は1人乗りに挑戦。
川下から川上向きに風が吹いており、トラブルがあっても風上の防波堤から回収できるよう船首に付けた停留用ロープを延長した先を防波堤の若大将に持ってもらい、犬の散歩状態でセーリング開始。

艇の中央に座り、艇が傾かない程度にセイルに風を入れながらのんびり走っていると、

『真ん中にどっしり座ってるだけじゃダメだよ。艇がヒールする(傾く)までセイルに風を入れ、艇から乗り出してバランスを取りながら艇を走らせなきゃ!』

と若大将から激が飛ぶ。なるほど『艇の左舷(ポート)側から風を受けている時は右舷側、『艇の右舷(スターボード)側から風を受けている時は左舷に上半身を乗り出すとスピードが出るが、艇が左右にヒールする度に、セイル・舵を逆の手で持ち替え上半身を風上川に突き出してバランスを取るのはとても慌ただしい。でも楽し〜い!!!! 

若大将によると、この雨どいヨットは、一般的な小型ヨット(ディンギー)よりも艇が長く直進性が強いらしい。そのためタッキングの途中で風上を向いて艇が止まってしまうことがほとんどであったが、艇をヒールさせてスピードを上げてタッキング(風上ターン)に入ると艇が風軸を超えタッキングが完了する。
今日は風が強く、自由にタッキングすることができたが、風が弱い時でもセールやラダーを微妙に調整しつつスムーズにタッキングできるようになるのが今後の課題。

1時間位セーリングを楽しみ若大将と交代すると、若大将の攻めのセーリングにより2本のラチェット付きベルトで一体化しているはずの艇本体とアウトリガーが風の力で別々にねじれてしまい本日の練習終了。
ヨットを作り始めてからはや3年、ようやく心から充分にセーリングを楽しめた。

【To be continued.】