3. 多摩川サイクリング 編
自転車を家族共通の趣味にすることができるのか? 1. 多摩川サイクリング (2008年4月29日) 母校自転車愛好会の人数は、激しい勧誘により(笑)12人となった。とりあえず近場のサイクリングロードでも走ってみようと多摩川サイクリングを企画、実行に移した。 電車でまっち家まで来てくれたゴッチャンに通勤用のなんちゃってマウンテンバイクを貸し、家から約10キロの多摩川サイクリングロード沿いにある自転車屋「ワイズロード府中多摩川店」で、まっち同様今日自転車を下ろしたテルと合流。自転車愛好会発足記念の堅い握手を交わし、目的地である羽田の海を目指しサイクリングロードを走り出す。 15分程走った多摩川原橋付近に近所に住むジョーがマラソンで顔を出してくれ、4人で青空の下弁当を食べることにする。 『時間がゆっくりと流れるこの感じ、なんか高校時代に戻ったみたい。』 のんびりと雑談を重ねるうちに気付けばもう14時。 そろそろ出発しないと羽田まで辿り着けないと気持ちを新たに走り始める。 自転車を漕ぐ友人の懐かしい後ろ姿を追いかけながら、バーベキュー、野球、サッカー、テニス、ローラースケート、凧、ラジコン、合コン等、休日を満喫する人々で溢れた河川敷を駆け抜ける。 「ゴッチャンの乗るマウンテンバイク」、「テルのクロスバイク」、「まっちのロードレーサー」にはかなりの性能の違いがあるようで、負荷を皆で分け合うように自転車を交換しながら協力し合い、多摩川の水が海に注ぎ込まれる羽田のサイクリングロード起点に到着。ここからは羽田空港に遮られて一面に広がる海が見えなくちょっとがっかり。空港の第2ターミナル側まで行こうと言うテルの提案に賛同し後を追う。 しかし、数キロ走った所に「この先歩行者・自転車通行止」の看板、さらに数キロ走った所にも同じ看板があり、巡回中の白バイに目をつけられてしまう。 俺にまかせろと言わんばかりにテルが警官に話し掛ける。 「ヤバイ、警官嫌いなコイツに任せて大丈夫か?」 『税金でこんな高級車に乗れていいですね。うちなんか15年前のカローラですよ』とかつてスカイラインGTRに乗る警官を怒らせた彼の姿が脳裏を過るが、さすがにもう立派な社会人。穏やかに会話を済ませ、泣く泣くサイクリングロード起点に戻りひと休み。 時計を見るともうすぐ16時。 朝家を出発して7時間が経過していることを考えると帰り道が不安になり、休みもそこそこに今来た道を引き返す。 気がつくと、多摩川と小田急線が交差する登戸駅付近まで来ていた。サイクリングロードに別れを告げて世田谷通りに進路を移し、歩道や車道の端を走り19時頃まっち家へ到着。疲れ果てた様子のゴッチャンはこんな名言を吐いた。 2. ファミリー自転車生活始動 『ねえ、家族で多摩川サイクリングロードを走破しようよ!』 と言いかけ、慌てて声を押し殺す。 家族で同じ趣味を楽しもうと、意気込みや思想を大声で語り、楽しみ方を実演し、全力で家族を巻き込んだつもりが、うまくいかなかったモトクロスの二の舞いを演じないために、失敗の原因を究明して戦略を練り慎重に行動を起こした方が良さそうだ。 考えること約1時間。モトクロスでは熱意を大声で語り、家族を引っ張るように先頭を切って行動を起こしたが、最も準備の整っている自分がはじめに楽しんでしまうこの方法は、まだ充分に関心を持っていない家族を巻き込むには適切とは言えなかったようだ。 名付けて『背中押し大作戦』果たしてうまくいくかな? 3. 背中押し大作戦その1(ゆっち編) 自転車を家族の趣味にできるかどうかは、まっちファミリーの影の支配者であるエンペラーゆっち(嫁)を自転車ワールドに引き込めるかどうかにかかっていると言っても過言では無さそうだ。 ゆっちの気持ちを自然に自転車に向ける良策を考え抜いた末、 新婚当時2人でよく口にしていた『活き活きとした健康的な生活』という求める夫婦像のキーワードを持ち出し、この求める生活(be ニーズ)を実現する手段として自転車を位置付ける3段論法を展開すれば良い形でゆっちの関心を自転車に向けられそうな気がしてきた。その3段論法とはこうだ。
この、いつに無いさりげなさが功を成したのか、ゆっちが自転車に関心を示しはじめたので「とりあえずサイクリングロードを走る人達を見てみよう!」と、子供の川遊びがてら多摩川河川敷に弁当を持って出掛けた。体を動かすことの好きなゆっちは自転車の多さに驚きつつも、健康的に汗を流すサイクリスト達の姿に好印象を持ったようだった。
さらにまっちの攻勢は続く(笑)。 4. 背中押し大作戦その2(なっち編) 『なっち自転車凄く上手くなったじゃん!』 と、オーバーに誉めると気を良くしたなっちは、帰宅後に家の前の1区画(1周約200m)でレースをやろうと挑戦状を送りつけてきた。せっかくなので、なっちが2周、パパが3周のガチンコバトルをすることにした。 『よーい、ドン!』 『おっと、もうパパが後ろから来ています。あと5m、3m!』 と古館伊知郎ばりの実況中継をしつつ、背中に闘志の炎を燃やすなっちを観察しながらゴール直前で抜き去りレース終了。 『なっち、もう少しだったな!』 悔しがるなっちの挑戦に応えて2回戦。 『ヤバイ、このままでは、負けてしまう!』 ハンディー戦とは言えこのまま負ける訳にはいかない。まっちはギアを落としありったけの力でラストスパート、全開のまま(?)最終コーナーに突っ込み逃げるなっちに何とか追い付き10センチ差で辛くも勝利! 『ハハハ、パパは強いのだよ!』 となっちに話し掛けるつもりが体に異変が、、、。 10分後、何とか体調は復活。原因は良く分からないが普段の不摂生がたたり貧血にでもなったようだ。自分のペースを守って自転車に乗ることが重要だと気付かせてくれる出来事であった。 『パパ、なっちと自転車レースして歩けなくなったんだよね。』 と事ある毎に友達や親戚に言いふらすなっちの表情は何だかうれしそうだ。 父親の迫真の演技(?)は、どんな言葉よりもなっちに自信を付け、自転車好きにさせる効果があったようだった(公道自転車レースは白熱し過ぎてかなり危険なのでもう控えることにします)。
なっちには、多摩川の源流から海に注ぐ羽田の河口までを40ページにわたり子供にも分かり易く描いた「たまがわ」という絵本をプレゼント。 5. 背中押し大作戦その3(そうちゃん編) そうちゃん(息子)は、補助輪がまだ外れていない。これをどうにかしないことには家族での自転車ライフは始められないと、SGMの防波堤に補助輪を外したそうちゃんの自転車を持ち込み、今日こそは乗れるようにしようと特訓を始める。 はじめはやる気に満ちたそうちゃんであったが、これまで努力をする経験をほとんど積んでいないためか、右に左に数回転んだだけですぐにやる気を失くし座り込んでてしまう。 『今日は乗れるようになるまで帰らないからね!』 自転車を通して「辛さを乗り越え成し遂げる達成感」を味あわせようと、まっちが鬼教官を演じ教習を続けると、次第にそうちゃんの表情は暗くなり、ついには完全にべそをかいてしまった。これ以上続けても自転車嫌いにしてしまうだけだと判断、泣く泣く教習を終える。 せっかく現実味を帯びてきたファミリー多摩川サイクリングへの道がここで途絶えてしまうのか、、、。 苦肉の策として思いついたのが、まっちが自転車の後にそうちゃんを乗せ、まっち+そうちゃん組、ゆっち、なっちの自転車3台でサイクリングをする方法。 チャイルドシートを取り付けるには、まずはキャリア(荷台)を取り付けねばならないが、リアサスが装備されている通勤用マウンテンバイクには普通のリアキャリアは取り付けられない。止む無く強度不足には目をつぶり、今まで使ってきた耐用重量は15キロのシートポストキャリアにチャイルドシートを取り付けることにした。 6. 第1回多摩川ファミリーサイクリング 全長55キロ(往復110キロ)の多摩川サイクリングロードを数回に分けて家族で踏破し、達成感を味わうという野望を胸に秘め、 『とりあえず走ってみよう!』 と、春の風薫る5月18日に初のファミリーサイクリングを決行。 公園近くの無料駐車場に車を停め、 なっち、ゆっち、まっち+そうちゃんの順で駐車場に隣接するサイクリングロードを上流に向けて走りだす。 先頭のなっちは鉄砲玉のように威勢良く飛び出して行ったが、3キロもしないうちに疲れてしまい休憩。10分程休むと元気を取り戻し、また鉄砲玉のように走り出すが、今度は1キロ程で休憩。 『サイクリングっていうのは早く走る必要はないんだよ。ゆっくりでいいから、休憩を挟まずに走る方が結局は疲れずに長い距離を走れるんだ。』 と説明すると、恐ろしく遅いペースに収束。 「どうして空は青いの?」 子供の様々な質問に答えるのは頭を使うが、昔の汚れ無かった頃(?)の自分を思い出したり、新しい発見があったりしていいもんだ。 ゆっちは「自転車のサイズが自分には合ってない」とか「尻が痛い」と言いつつも何とかロードレーサーを乗りこなしていた。 蛇行するなっちを注意する余裕もあるようで、これなら安心だ。 休み休み1時間半程走り、立川駅近くの松屋で昼飯に鮪丼を食べる。もう少し走ってみようと上流を目指しているとそうちゃんの珍発言。 「パパ、マヨネーズ!」 多摩モノレールのガードを超え昭島市のくじら運動公園に到着。そこそこの達成感が味わえたのでココで折り返す。 25キロを過ぎたあたりでなっちの元気が急になくなってくる。アイスクリームで釣ったり、そうちゃんに「おねえちゃん頑張れ!」とか「おねえちゃん遅い!」とか大声で言わせて奮起させたりして何とか出発地点の駐車場まで戻ることができた。 家族も楽しんでくれたようなので、これからもファミリーサイクリングが続けられそうだ。 しかも、サイクリングは子供に体力や根性を付ける効果もありそうだ。 【走行データ】 7. 第2回多摩川ファミリーサイクリング (郷土の森公園(府中)〜登戸区間) 暑さも収まり気候も良くなってきた9月27日、2回目のファミリー多摩川サイクリングに行ってきた。
「このお船って自分で漕ぐんでしょ!乗ってみたいな。」 本心はもっと下流まで走りたかったが、まあのんびりするものいいかと1時間程ボートに乗る。川の中央までまっちが漕いでバトンタッチ。まっすぐに進まず回ってばかりだったが、子供達は初めての手漕ぎボートを楽しんでいるようだった。 秋は日が暮れるのが早く、日が傾いてきたと思ったらあっという間にまっ暗になってしまった。街灯の無いサイクリングロードには本当の暗闇となる部分があり、子供達は少し興奮しているようだ(自分も子供の頃は夜暗くなった世界に出歩くだけでわくわくしたものだった)。念のため3台にライトを取り付けておいて本当に良かった。 駐車場に戻る頃には体が冷え切ってしまったが、秋の訪れを実感できる楽しいサイクリングであった。 【走行データ】 8. 第3回多摩川ファミリーサイクリング (瀬田駐車場〜羽田区間) 10月13日体育の日に職場がらみのスポーツイベントが、羽田のサイクリングロード基点がら3キロ程にある某会場で開催される。 このスポーツイベントには、なっち、そうちゃんの大好きなゴーオンジャーのショーも行われるそうで、多摩川サイクリングに組み込めば楽しい1日になりそうだと準備を開始、9時半頃自宅を出発する。 これまでに走ってきた登戸ボート乗り場近くに車を停め、イベント会場までをサイクリングしたいところだが、これでは距離が長すぎる。もう少し距離を縮めようと車で川沿いを下っていると、二子玉川駅近くの河川敷に1日500円で停められる瀬田駐車場を発見、車を停めた。 「私となっちで先行ってるから私達の自転車先に組み立てて!」 ゆっちのやる気に背中を押され急いで2人の自転車を準備、 慌ただしく出発する2人を見送る。
2時間半程でイベント会場を後にし、サイクリングロード基点近くの、羽田空港が見える景色の開けた場所に移動。 『ここで多摩川を流れてきた水が海に注ぎ込むんだね。』 心地良い潮風を浴び、途切れること無く着陸する飛行機を眺めながらしばらくのんびりする。そうちゃんが自走でないのが残念だが、理想の「活き活きとした健康的な生活」に家族で近づけたような気がするひとときであった。 「さて、駐車場まで20キロもあるからそろそろ行こうか!」 今来た道を折り返し、今度は上流を目指す。 「なっちが付いて来てないんだけど一緒だよね?」 急いでなっちを探すが見つからない。「これって、かなりヤバイんじゃないか?」と事態の重大さを感じ始めていると、ゆっちの携帯が鳴る。 「もしもし、お嬢さんを野球グランドの前で預かっているのですが、、、」 頬に涙の跡を作ったなっちと再会。なっちは橋のたもとのS字カーブでサイクリングロードを外れ未舗装の小道に迷い込んだらしい。泣いている所に声をかけてくれた親切な方に、覚えていたゆっちの携帯番号を伝えたらしい。 「お姉ちゃん見つかって良かったね!」 後ろのそうちゃんに話し掛けるが返事がない。停車して振り返るとそうちやんは熟睡モード、駐車場まで目を覚ますことはなかった。なっちは意外にもペースを落とすことなく走り続け、明るいうちに駐車場に戻ることができた。 なっちが、いつの間にか携帯番号を覚えていたこと、自分なりに迷子を解決したこと、(半べそになって36キロを走った春から半年も経たないのに)42キロを余力を残して走ったことに、子供の成長の早さを感じる盛りだくさんのサイクリングであった。 【走行データ】
9. 第4回多摩川ファミリーサイクリング (くじら運動公園〜福生南公園区間) 近所のスーパー駐車場での自転車特訓が実り、5歳の誕生日を前にようやく補助輪が外れたそうちゃんに「多摩川サイクリングロード走る?」と尋ねると「やってみる!」との返事。これまで3回の多摩川ファミリーサイクリングでの最上流到達地点「くじら運動公園(立川市)」から約3キロ上流の拝島市の河川敷に桜並木のお花見スポットがあるようで、自転車4台を車に積め込みいざ出発!くじら運動公園の無料駐車場に車を停め、12インチ、18インチ、26インチ、27インチの4台の自転車で走り出す。 フラフラと蛇行するなっちと、スピードの遅いそうちゃんの2人が周りに迷惑をかけぬよう気を配りながら走るのはかなり大変。 『なっち左に寄って!そうちゃんペース落ちてるよ!』 2人を導きつつお花見スポットに到着。 『なっち、ここから先は思いっきり走っていいんだからね。』 と 起点の羽村を目指し3台でペースを上げて走り始めるが、2キロ程走った福生南公園でなっちが転倒。手のひらから出血し「もう帰りたい!」と半べそ。羽村まで約7キロを残し今日のところはここで折り返す。 このあたりは公園が多く、先頭のなっちは目新しい遊具を見つける度に公園休憩を繰り返す。 隠しておいた自転車を拾い先頭をそうちゃんにバトンタッチするとさらに休憩回数が増える。走り出したかと思うと100メートルも走らないうちに、次の休憩に入り、リュックサックからうれしそうにお菓子を取り出すそうちゃんの表情を見て気が付いた。 『そうちゃん、お菓子食べれるからいっぱい休憩してるんでしょ!』 静かにうなずきお菓子を頬張るそうちゃんに、「もう次は駐車場まで行くからね!」と、最後は一気にくじら運動公園まで戻る。 今回は「サイクリング」と言うより「公園巡り」と言う感じのファミリーサイクリングであった。 【走行データ】
10. 第5回多摩川ファミリーサイクリング (瀬田駐車場〜登戸区間) 2009年6月になっちは(まっちの誘導により(笑))お年玉で24インチのギア付自転車を購入。初めての新車購入記念に、近所にオープンしたスパゲティーレストランまでサイクリングに行ったものの、その後家族で自転車に乗る機会を持てぬまま季節はもう秋。 河川敷の瀬田駐車場は満車のため、近くのコインパーキング(100円/時間)に駐車し、前回同様ボロマウンテンバイクにチャイルドシートを取り付け4台で走り出す。 「なんだ、速く走れないのは自転車のせいだったんだ。」 と笑顔を取り戻したそうちゃんは、初めて使うギアの感触を確かめながら走るなっち姉ちゃんを追い掛け元気良く飛び出していった。 中間地点の東名ガード下で2回目の休憩。『そうちゃんそろそろチャイルドシート乗る?』 と尋ねるが、まだ大丈夫とのことで、そのまま4台体制で登戸を目指す。途中そうちゃんが見通しの悪い曲がり角で前から来た小学生と正面衝突してしまうが、運良くお互い怪我も無く、出発から1時間程で折り返し地点にの登戸ボート乗り場に到着した。 サイクリストの為にあるような河川敷の食堂(大黒屋)で、塩ラーメン(¥500)と焼きそば(¥500)を注文し、 (以前ここで乗った)手漕ぎボートを眺めながらの昼飯。 心地良く汗を流した後に青空の下で食べる料理はとても旨かった。 夜から用事があったため、ひばりコースの9ホールのみを回り、暗くなる前に急いで帰宅。 秋を先取りする楽しい1日であった。 【走行データ】
11. 第6回多摩川ファミリーサイクリング (福生南公園〜阿蘇神社区間) これまで5回に分けて家族で走ってきた多摩川サイクリングロードも川上の数キロを残すのみとなった。 この残りの区間の近くに羽村市動物公園という子供が喜びそうな観光スポットを発見。サイクリングにこの動物園を組み込めば楽しい1日になりそうだと、2009年10月12日にファミリーサイクリングに出発! 福生南公園無料駐車場に車を停め自転車4台で走りはじめると、数分しか経たぬうちに先頭のそうちゃんが自転車を投げ出し公園のベンチに座り、「川入ってもいい?」と靴を脱ぎ始める。 その後も走り出したかと思うと楽しそうな場所や遊具を目ざとく見つけては休憩を繰り返す子供達との超のんびりサイクリングを続け、正午頃ようやく多摩川サイクリングロード始点と言われる玉川上水の取水口に到着。 伝説のハンサムブラザーとして女性サイクリストの間で密かに騒がれている(?)玉川上水を開削した技師・玉川兄弟の銅像の前で記念撮影。 多摩川サイクリングロードを上ってきたサイクリストのほとんどはここで折り返すが、この先一般道を挟みさらにサイクリングロードが続いているらしく、この際終点まで行ってみることに。 小さな達成感を感じつつ記念写真を撮っていると、背後から 『お兄ちゃん!銀杏(ぎんなん)落ちてるから一緒に拾おうよ!』 との声。振り向くと老夫婦が銀杏拾いを勧めてくれる。 「銀杏は今の季節だけのもので酒のつまみに、そりゃあもう最高だよ!」 と、ジャパネットたかたのTVコマーシャルを見ているかのような言葉巧みな勧誘に負け、しばし銀杏拾い。 銀杏夫婦に別れを告げた後、公園で遅めの昼食。羽村動物公園へ行こうと誘うが、子供達は動物園に行くより復路も(往路で遊び足りなかった)公園に寄りながら帰ることを望み、動物園は寄らずに帰り道も公園巡り。鉄棒やジャングルジムで思いっきり遊ぶ2人は、休憩中に疲れを溜め込み、のんびりと自転車を漕ぎながらその疲れを解消しているようだった。 こうして福生南公園まで戻り、1年半をかけての家族での多摩川サイクリングロードの全工程踏破が完了した。 【走行データ】 〔多摩川サイクリング編 完〕 |