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1. 読書サークル結成 
 子供に本を読む習慣を身に付けさせつつ、自分も年相応の見識を身に付けようと、年間50冊のノルマで本を読むようになり3年が経過した。通勤時間を利用した読書がすっかり習慣化したのはいいが、面白そうな作家の著作をひと通り読んでしまうと、本屋に行っても読みたい本をなかなか見付けられなくなってしまった。

そんな中、友人との雑談で「最近本を読むようになった。」と話すと、読書は水面下で(年齢増加に能力向上が追い付かなくなりがちな)僕らアラフォー世代の密かなブームとなっていたようで、「俺も最近色々読んでいるよ。」「その小説も読んだけど、僕はもっとドロドロした小説が好き。」「やっぱ歴史小説でしょ!」と予想外の盛り上がりを見せる。驚いたことにテル、ジョーは年間100冊、ワッカーは年間200冊以上も読んでいるらしく、これまで孤独だった読書がようやく日の目を見たようでうれしさが込み上げてくる。

「老化の始まりつつある僕らにとって、本で脳に刺激を与えることは、自転車で体に刺激を与えるのと同じように重要なことかもしれないね。」

というテルを会長にE高読書愛好会を結成する話がまとまる。何だか面白くなってきたぞ。


2. 2011年の読書記録

 2011年も50冊のノルマ達成、読んだ本のリストと感想はこちら


3. 今年の1冊交換会

 勢いでE高読書愛好会を結成したものの、目立った活動をしないうちに1年が過ぎようとしていた。そんな中、テルとお勧め本を交換し合ううちにある考えが頭を過る。

『お勧め本の交換って2人だけじゃなく大勢でやった方が面白いんじゃない?』

友人の勧めであれば、例えその本が普段なかなか手に取らないような本であっても読み切ろうとするモチベーションが上げられ読書の幅を拡げられそうだ。さらには、年々疎遠になりがちな仲間への理解を深め、未来志向の有意義な会話のきっかけになるなど良い事ずくめのようだ。

そんな訳で、年末に今年最も印象に残った本を持ち寄り交換する『今年の1冊交換会』なるイベントをやる話がまとまった。


4. 『今年の1冊交換会 2011』 開催

 愛好会仲間で同期夫婦の経営する「えびな薮そば」の座敷を陣取り、各々が持ってきた本を披露。読書愛好会会長のテルの6冊を筆頭に10人で27冊の紹介が終わり、テーブルの上が蕎麦と本で隙間無く埋め尽くされる。

「俺もその本読んだけど確かにいい本だね。」『この本は是非とも○○君に読んでもらいたい。』「俺の趣味ではないけど仕方ないから読んでみるか。」

色々な意見が飛び交う楽しく中身のある時間であった。

 

ちなみに、この日僕が持参したのは、前向きに生きる 素晴らしさを学んだ松田公太(みんなの党所属現参議院議員)「一杯のコーヒーから」と、明治時代の非モテ系妄想野郎が鮮やかに描かれている武者小路実篤「お目でたき人」、夏目漱石こころに似ている感じのする武者小路実篤「友情」の3冊。

そして、これらと交換して手にしたのがW君お勧めの(旧5000円札肖像)新渡戸稲造「武士道」とG君お勧めブライアン・L. ワイス「前世療法」であった。

「武士道」は親から子へと伝承すべき日本人の誇りであり強く共感できたが、「前世療法」はそもそも輪廻転生を信じない自分には理解しがたく、「親友と言えども好みは異なり人それぞれなんだなぁ」と強く感じる1冊であった。

来年以降も『今年の1冊交換会』は年末の定例行事として続けていきたい。

 


5. 2012年の読書記録  
 2012年も50冊のノルマ達成。読んだ本のリストと感想はこちら(赤色セルがオススメ)


6-1. 『今年の1冊交換会 2012』 開催

 今年も年末に「えびな薮そば」の座敷に11人で陣取り『今年の1冊交換会』を開催。
この日僕が交換用に持ってきたのは直球の青春スポーツ小説、川上健一「翼はいつまでも」(詳細下記)と、座禅や瞑想に興味を持つきっかけとなった須藤元気「風の谷のあの人と結婚する方法」の2冊。そして、これらの代わりに手にしたのがT君のお勧め、乙武洋匡「五体不満足」とN君お勧め、池上彰「伝える力」であった。

「五体不満足」は、表紙のインパクトに”読まず嫌い”であったが、友人のお薦めなので渋々読んでみると著者の前向きな思考と行動力に只々脱帽、子供に薦めたいと思える1冊であった(なっちに薦めると、担任の薦めでもう読んだという返事)。「伝える力」は内容が具体的で分かり易く納得しながら読み進められる本であった。

スマホを買って以来、通勤電車での読書時間はネットサーフィンへと置き換えられつつあるが、同年代の仲間にこれ以上水をあけられぬよう来年以降も年50冊は維持していきたい。

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6-2. 『高校時代ベストソングプロジェクト』

 今年持って来た、川上健一「翼はいつまでも」は、ラジオから流れるビートルズの「プリーズ プリーズ ミー」を聞いたことから全てがはじまる物語であるが、これまで色々な音楽を聴き、(特に歌詞から)人生の節々を乗り切るパワーをもらってきた自分には激しく共感できる一冊であった。

この本の影響もあり、今年は『今年の1交換会』に加え『今年の1交換会』もやらないかとT君、G君、Y君に打診。

『確かに高校時代は色々な曲を聴いていたけど、最近あまり聴いてないから今年の1曲と言われても思い浮かぶ曲が無いなぁ。』

という彼らの意見に計画を再考、高校時代感銘を受けた曲を当時のエピソードと共に報告し合う、『高校時代ベストソングプロジェクト』をやってみようという話にまとまった。

当日は、「フットサル〜座禅会〜七沢温泉〜今年の1冊交換会〜今年の3大ニュース&来年の豊富発表会」という盛り沢山のスケジュール。1時間の予定だった座禅会が2時間半に延びた影響で後半が押せ押せとなり高校時代ベストソングプロジェクトは来年に見送ろうかとも思ったが無理矢理決行。まずは僕がセレクトした麗美の妄想ソング「Just Only You」と、石川優子の失恋ソング「一人芝居」岡村孝子の挫折ソング「砕ける波に・・・」の3曲を発表。エピソードを語りはじめるも、

「どの曲もあまり有名じゃないし暗い話だなぁ。」

と全く共感が得られない(涙)。だがこれが僕の高校時代ベスト3曲であり、正直なエピソードなのでしょうがない(笑)。
波乱の幕開けに先行きが不安になるが、後半になるにつれ「俺も発売日にCD買った!」「〇〇の曲なら俺は××の方が好きだな。」「確かにあの頃はみんな聞いてたよ。」と盛り上がりを見せ全員が27曲のベストソングを報告し合いプロジェクト終了。まるで仕事をするかのような1日は心地良い疲労感とともに終わりを告げた。エピソードを思う存分語れなかった不満をこのHPにぶつけて発散するつもりだったが、未来に繋がらない後ろ向きな話をしてもしょうがないので止めておこう(笑)。


7. 映画愛好会発足  
 2013年の夏、宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」が上映された。宮崎監督の引退作品ということで、ぜひとも映画館で観ようとゆっち、なっち、そうちゃんを誘うと、

「その映画もう3人で観ちゃったよ!」

というもっとも恐れていた回答。1人で観るのも寂しい気がして高校同期仲間を誘い4人でレイトショーに繰り出した。映画鑑賞後から終電までの間、映画について意見を交わす。皆の感じ方や印象に残るシーンが違いうのが面白い。

「何だか今年の1冊交換会みたいな感じになってきたね。」

見識を高めたり、心を豊かにしてくれたりする映画と本の共通性について語り合ううちに、(自転車同好会を『自転車&ヨット愛好会』に進化させたように)読書愛好会を『読書&映画愛好会』に進化させる話しがまとまった。

 


8. 2013年の読書記録  
 2013年も50冊のノルマ達成。読んだ本のリストと感想はこちら(赤色セルがオススメ)


. 『今年の1冊交換会 2013』 開催

 今年も12月29日にえびな薮そばで読書愛好会唯一の年中行事である『今年の1冊交換会』をで年越し蕎麦を食べながら開催。

今年僕が交換用に持ってきたのは、サラリーマンが会社を辞めて自転車で世界1周旅行をする石田 ゆうすけ「行かずに死ねるか!」と、なっちに薦められて読んで予想外の感動を味わった山田悠介「その時までサヨナラ」、定年後の老人がゼロ戦を飛ばそうとする辻仁成「青空の休暇」の3冊。

そして、これらの代わりとして手にしたのが、Iさんのお勧め池井戸潤「オレたちバブル入行組」とT君のお勧め「オレたち花のバブル組」、Kさんお勧め北尾吉孝「出光佐三の日本人にかえれ」の3冊であった。

偶然Iさんが上巻、T君が下巻を持ってきた池井戸潤の2冊は、TVドラマ半沢直樹で大体のストーリーを知っているため気乗りしないのだが同窓生2人のお薦めなので読み始めると、話にぐいぐいと引き込まれて2冊一気読み。銀行員の複雑な業務や、人間関係、複雑なストーリーを分かり易く表現する技術も凄いが、登場人物それぞれに人間臭さが滲み出ていている点が素晴らしい。(登場人物「近藤」の真直ぐに仕事に打ち込む姿がテルとダブって感じられたのはきっと僕だけではないはずだ(笑))。

「出光佐三の日本人にかえれ」は、これまた自分では手に取らない部類の本であるが、納得させられる部分が多く、日本人として誇りを持とうと感じた。また、SBI代表取締役の著者が全くタイプの異なる経営者、出光佐三について論じている点も興味深かった

今年の交換会にはFacebook効果で17人という多人数に来てもらえた反面、本を持ってくるという情報を全員に行き届けられなかったのは反省点。本の交換には人数が多過ぎる感もあるので、年末行事とは別の機会にやるなど今後対策が必要かもしれない。(ベストソングプロジェクトの方はさらに告知が行き届かずに不発に終わった感が拭えませんが、この1歩1歩の積み重ねがいずれ大きな花を咲かせると信じているので来年以降も続けていきたい。)

【To be continued.】